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ネットの話題

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島根のしょうゆ会社の奇跡…1日でフォロワー1千倍「壊れたのかな」

応援の輪に「恐れおののいている」

島根県松江市にある「やすもと醤油」の外観
島根県松江市にある「やすもと醤油」の外観 出典: 「中の人」提供

目次

「フォロワー40人もいて、メッチャバズってるじゃん!」。上司にそうほめられたというほのぼのエピソードをつぶやいた島根県のしょうゆ会社が、ツイッターで話題になっています。「応援したくなった」など、フォローする人が続出し、わずか1日でフォロワーは二桁から4万人超に激増。一躍「時の人」になったしょうゆ会社の「中の人」に話を聞きました。

メッチャバズってるじゃん

話題になっているのは、島根県松江市にある「やすもと醤油」(@yasumotoshoyu)がツイッターに投稿したつぶやきです。

「(一応)企業アカウントなので成果がないとtwitterを辞めさせられてしまう厳しい世界です」。悲しい絵文字付きで、窮状を吐露する投稿かと思いきや、文章は続きます。

「うちのアカウントを見た上司と同僚が『フォロワーが40人もいて、いいねもたくさんついててメッチャバズってるじゃん!』と言っていました。当分の間は大丈夫そうです」

この投稿に「ほのぼのした」「上司かわいい」「頑張ってください」とフォローやリツイートが相次ぎ、本当に「バズった」状態に突入。

「フォロワーが3000人になってる!」「もうじき1万」と激増ぶりを中継する人、「行く末が気になる」「上司と同僚はびっくりしているだろうなぁ」など、フォロワー40人からの大躍進に目を見張る声が相次ぎました。日をまたぐころには、リツイートは3万超、いいねも13万超にのぼり、フォロワーは4万人超へ。40人から一気に1000倍です。

恐れおののいている

やすもと醤油の公式ページによると、1885年に創業、従業員数は9人とのこと。

同社に取材を申し込むと、「中の人」が対応してくれました。



ーー今回は「中の人」の率直な感想をお聞きしたいと思います。

 

やすもと醤油の「中の人」

あ、そういう呼ばれ方なんですね。そうです! 私が『中の人』です

ーーツイッター、すごい反響ですね。

 

やすもと醤油の「中の人」

いやー、恐れおののいているんです。どうしたら、いいのか全くわからず。教えてください。どうしたらいいですか

聞くと、中の人は30代で「ただの製造・営業担当のヒラ社員」とのことです。

初めての「エゴサ」

会社は今年6月、ホームページを刷新しました。それに併せて「ウェブ関係を頑張ろうか」とかじを切ったそうです。ツイッター担当を探していたときに、9人の従業員の中から「君が適任じゃない?」と白羽の矢が立ったのが「中の人」でした。

 

やすもと醤油の「中の人」

僕自身、SNSはやったことがないんですが。社内全員、いまいち分かっている人がいなくて。たまたま僕が、ほかの従業員よりも、ツイッターをいじる時間があったからというだけなんです

「さぞかし練られた戦略の上の投稿だったのでは?」と想像もしましたが、「狙ってあんなことできる人っているんですか?」と苦笑する中の人。

「ツイッターとはなんぞや」と一から勉強して「中の人」が見いだしていたという「ツイッターの戦略」は、「ファンの人を見つけて、やりとりをする」というものだったそうです。

初めて覚えた「エゴサ」をしながら、自社の商品を紹介してくれるアカウントに「いいね」したり、製造作業の合間に、日常をつぶやいたりしていました。

あのやりとり

そんな「中の人」の仕事ぶりを気にかけたのが社長と、事務で会社を一緒に切り盛りする社長夫人でした。ある日、「ツイッター更新しているらしいね。どんな感じ?」と聞いてきました。中の人は堂々と報告しました。

 

やすもと醤油の「中の人」

フォロワー40人です。ある投稿には『いいね』が20もつきました

中の人は振り返ります。「いや、僕の中でも奇跡的な数だったんです。『けっこうバズってる』って周りにも言ってました」。

ツイッターを知らない同僚や上司は盛り上がり、社長や、社長夫人は「40人もいるの! すごいね! バズっているね!」とたたえてくれたそうです。

バズっても製造作業

本当にバズった時、会社は「大変な騒ぎ」になりました。

社長たちとのやりとりを投稿したのが26日夕方。
27日の昼前、「中の人」がツイッターを見ると、フォロワーは前日より倍の80人になっていました。感動した中の人は「皆様ありがとうございます。中の人の励みになります」と投稿しました。

そうつぶやいて、昼休憩に一度帰宅した中の人。しかし昼を境に様相が一転します。

昼食後にアカウントを見ると「フォロワー800」。

 

やすもと醤油の「中の人」

壊れたのかな、と

それが故障ではないことが、会社への注文が殺到したことで明らかになります。

これまでは、公式サイトを通じての注文は、日に1件あったらいいというぐらいでしたが、一気に30件に。

「いまいちSNSについてわかっている人がいない」という社内でしたが、ことの重大さが伝わりました。


記者が取材したときは、中の人も「会社中、大騒ぎになっています」と驚きを隠しません。

気になる社長の反応ですが、「今日は社外に出ていて、社長はまだ知らないんですよ」とのこと。

宝くじ級の大フィーバー。これをどう宣伝に生かすのか? 中の人もさぞ対応に大わらわだろうと思っていましたが……。

 

やすもと醤油の「中の人」

いや、普通に製造作業せんといけんのです

ーーえ、製造作業って何か作っていたんですか?

 

やすもと醤油の「中の人」

今日はうちの売れ筋ナンバーワンの「くんせいナッツドレッシング」を、かき混ぜていましたよ! 

サラダにももちろん合うんですけど、お肉との相性がいいんですよ。
棒々鶏(バンバンジー)なんか最高です!!

熱く語り出した中の人。バズっていることは、どこへやら。商品への愛が止まりません。

 

やすもと醤油の「中の人」

うちはナッツだけなく、しょうゆなど液体も全部燻製しているんですよ!
「中の人」がかき混ぜていた「くんせいナッツドレッシング」
「中の人」がかき混ぜていた「くんせいナッツドレッシング」 出典:くんせいナッツドレッシング

ツイッターのあたたかさに感謝

「これから何をしていきたいですか?」と聞くと、「いや、本当になにすればいいのかわからない。参考意見が聞きたいです」と苦笑しました。

「バズったら宣伝」みたいなものなのかと思っていましたが、中の人は「まず、宣伝っていうのはあまり考えていないですね。それよりも、たくさんメッセージをいただいているので、一つ一つ返したいんです。でも兼務なので時間が・・・」と、どこまでも欲がありません。

今後も製造・営業、ツイッターを兼務するようです。この日も粛々とドレッシングを作り、午後6時前には、「就業時間がきてしまったので、今日はこれで帰ります」という帰宅ツイートをしていました。

「バズっても定時で帰してくれる、いい会社ですね!」と、マイペースで実直な中の人と会社の雰囲気に、ファンは増えるばかりです。

中の人は「改めてtwitterの凄さと温かさを感じました」と感激していました。

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