MENU CLOSE

マンガ

アレルギーに無知な姑、追い打ちかける夫…戦隊漫画の「反撃」に共感

「あなたさっき、これと同じことしたんですよ?」

グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典: グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

目次

「アレルギーは食べて免疫つけたら治るわよ」。無知な姑の干渉、追い打ちをかける夫の一言――。それでも我慢してやり過ごす「全国の悩める主婦」に変わって、現実ではできない反撃をしてくれる「スーパーヒーロー」が、ツイッターで話題になっています。「すっきりした!」「うちにも来て!」と共感を集める漫画の作者に聞きました。

【PR】指点字と手話で研究者をサポート 学術通訳の「やりがい」とは?

全然響かない姑への反撃は?

アレルギーを持つ子どもの食事について、世代間の意識の差に悩む人は多いはず。一歩間違えれば、命にも関わると、神経をすり減らしているのに、なぜかその危機意識が、姑や夫には共有されない。

話題になっているのは、そんな子どものアレルギーをめぐる「もやもや」を描いたグラハム子(@gura_hamuco)さんの漫画です。「悩める主婦」のもやもやが頂点に達したとき、颯爽と登場したのが「ダルっとババキュア」! 「爽快」と話題になったその「反撃」方法は、どのようなものだったのでしょうか。
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典:グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

洗い物を済ませて、ほっとする「嫁子」。
すると孫を見ていたはずの姑が、さっと何かを隠します。それは、プリン。

「まさか、タロに食べさせたんですか?」
「たまごアレルギーってあれほど言ったのに!」

怒り口調で説明する嫁子。それでも、姑は「ひとくちだけよぉ」。反省どころか、まったく響きません。さらに、持論を展開します。

グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典:グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

アレルギーだから食べさせられないのに、「こんなにおいしいのに、いつまでも食べられないなんて、かわいそう」。

「『アレルギーは食べて免疫をつければ治る』って聞いたことあるわよ!」。姑は不確かな情報をもとに、自分を正当化しようとします。

「ババキュア」参上!

「だいたいほんのひとくちだけなのに大げさね。ほら、何ともないじゃない」

時間がたってから、アレルギー反応が出ることもあると、子どもの変化に注意を払う嫁子をよそ目に、追い打ちをかける姑。手強すぎる……。

もう限界! まさにそのとき、玄関の呼び鈴をならして「ババキュア」が登場します。

コスチュームに身を包むのは、ヤングママから、ベテラン主婦まで、幅広い世代の「戦士」たち。「ここは私たちに任せて! タロ君を病院に連れて行って」と嫁子にウインクします。

グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典:グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

警戒する姑に、ババキュアは「お庭の手入れをしに来たんです」とにっこり。

庭に植えていたものとは

庭に出た姑の目に入ったのは、杉の木。サラサラと花粉をまき散らしています。

「何勝手なことをっ 私は花粉症なんだよっ」。あっという間にくしゃみと鼻水が止まらなくなる姑。

ババキュアは涼しい顔でこう言い放ちます。

「こんなに風流で素敵な木なのに花粉症なんてかわいそうねぇ」
「花粉の免疫がつけば治るわよ!」

姑は「そんなワケないでしょ!」と怒り心頭。

そこにババキュアはとどめの一撃を加えます。
「あなたさっき、タロ君にこれと同じことしたんですよ?」

姑はハッと、自分がしたことに気づきます。
すかさず、ババキュアは「食物アレルギーはもっと危険。死ぬことだってあるんだから」と伝えるのです。


グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典:グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

さらなる敵が

実は、これでハッピーエンドではありませんでした。
嫁子に迫り来る、さらなる敵がいたのです。

「嫁子。おふくろも悪気はなかったんだから許してやれよ」「タロも命に別状なかったんだしさ」

そう、それは嫁子の夫。ようやく口を出してきたと思ったら、あまりにも的外れなフォロー。

固まる嫁子。

グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典:グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

絶体絶命! そのとき、後ろで夫のかばんからババキュアが何かを取り出します。

夫のノートパソコンでした。そして無言でパソコンに水をかけてやったのです。

壊れたパソコン、口から泡を飛ばして怒る夫。「仕事の大事なデータ山ほど入ってんだぞ!」

そこでババキュアは一言。「ごめんね、でも悪気はなかったのよ」

嫁子も加勢します。「そうだよ、パソコン壊れたって命に別状はないんだから許してあげなよ」

グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典:グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

「ハッ……」。夫も気づきます。そして、「わかったよ……俺も悪かった」。

すかさず、ババキュアがとどめの一撃をかまします!「俺『も』じゃなくて、俺『が』だよ!」

グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」
グラハム子さん(@gura_hamuco)の漫画「ダルっとババキュア」 出典:グラハム子さん(@gura_hamuco)のツイート

「すっきりしたー!」

漫画には「すっきりしたー!」「ありがとうババキュア!」「最高すぎる」「うちの母にも読んでもらいたい」といった共感が集まりました。

反応の中には、実際に子どもがアレルギーで苦労している人や、子ども以外にもペットの食事をめぐって家族と対立している人など、さまざまな「モヤモヤ」談が披露されました。

また「第三者のババキュアだったから丸く収まったけど、現実に嫁がこれをやったら、今後の関係性が悪化する」といった、現実の難しさを嘆く声も。

大人なので穏便に済ませてきた

作者のグラハム子さんは小学生と幼稚園児の子育て中です。アレルギーをテーマにしたのには、自分自身のモヤモヤがありました。

「うちの子も食物アレルギーがあるんです。私のまわりにもアレルギーを正しく理解していない人達がいて、そんなモヤっとした経験から描きました」

ただ、現実では、人間関係も考えると、相手を「論破」することは難しい。だからこそ、描いたのが「ダルっとババキュア」でした。

「日頃育児や主婦業でモヤッとすることはあっても、大人なので穏便に済ます方が多いと思います。でも漫画の中では、そんな主婦を救うヒーローがいて、現実ではできないような反撃ができる」

掲げたテーマは「悩める主婦の味方!」でした。

現実は「けんかを重ねて」歩み寄り

ババキュアが爽快なところは、正論を言っても伝わらない相手への「反撃」の仕方です。

「正論をいくら言っても伝わらない場合もあります。そういう人には同じ経験をさせて理解してもらおうと思いました。現実ではさすがにできないですけどね」

夫を改心させる場面では、悩みました。「本来、子どもの命と同じくらい大切なものなんて無いんですけど」

でも、「あえて」考えたという、パソコンの水没攻撃。
「仕事を1番に思っている人にとっては、事の重大さにハッとするかなと思いました」

「俺も悪かったよ」と謝って成敗された夫ですが、グラハム子さんは「若い頃のうちの夫がこんな感じでした(笑)」と言います。

そんな夫とも「夫婦げんかの回数を重ねて、お互いの意見のすり合わせ方がうまくなりました」「今はこんなことはありません」。

現実社会には、ババキュアは来てくれません。なんとか穏便に済ませながら、それでもまわりと意見をすり合わせたいともがくすべての人へ、グラハム子さんと、ババキュアは進んでいきます。

「主婦だけでなく、色々な方に読んでほしいなと思っています。これからも悩める方々を救うためババキュアは活動を続けていきます!」



グラハム子さん:Twitter(@gura_hamuco) インスタグラム(Instagram.com/gura_hamuco

幼い頃の夢は漫画家、宝塚、お笑い芸人。しかしどれも叶わず普通に就職、その後、結婚し主婦になった。 でも「今から頑張ろう」と思って、30歳を過ぎてからSNSで漫画を描き始める。現在、30代。子どもは小学生と幼稚園児。将来の夢は『踊る笑える漫画家』。

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます