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火焔土器型ソフトクリーム容器 縄文仕込みの「映え」見せつける

文化財オープンソースで実現

Nぼっくす+さんが制作した『火焔土器型ソフトクリーム容器』と『ミス馬高土偶スプーン』
Nぼっくす+さんが制作した『火焔土器型ソフトクリーム容器』と『ミス馬高土偶スプーン』 出典: Nぼっくす+さん(@cTstZKtDOlRIN1z)のツイート

目次

燃え上がる焔のような形状が特徴的な、縄文時代の土器「火焔土器」。重厚感あふれる土器をモデルに、まるでサクサクと音を立てそうな、軽やかな「ソフトクリームの容器」に変身させた写真がツイッターで話題になっています。精巧なこの容器をつくることができた背景には、縄文文化財をオープンソース化するというプロジェクトがありました。

縄文時代の土器と現代がミックス

話題となっているのは、Nぼっくす+さん(@cTstZKtDOlRIN1z)がTwitterに投稿した写真です。新潟県長岡市の馬高(うまたか)遺跡で出土した「火焔土器」と「ミス馬高」と名付けられた土偶をモチーフに、ソフトクリームの容器とスプーンにリメイクしています。

その名も、「火焔土器型ソフトクリーム容器」と「ミス馬高土偶スプーン」。縄文の文化と歴史に思いを馳せつつ、現代らしく楽しむことができる作品です。
「火焔土器型ソフトクリーム容器」と「ミス馬高土偶スプーン」
「火焔土器型ソフトクリーム容器」と「ミス馬高土偶スプーン」 出典:Nぼっくす+さん(@cTstZKtDOlRIN1z)のツイート
『火焔土器型ソフトクリーム容器』と『ミス馬高土偶スプーン』
約1万6000年も前から日々を豊かに彩りながら生活をし、そして今なお『映え』という形でその文化が続いているということに長い時間を飛び越えて身近さや親しみを感じますね!
Nぼっくす+さん(@cTstZKtDOlRIN1z)のツイート
こちらは本物の「火焔土器」
こちらは本物の「火焔土器」 出典: 提供 長岡市
「火焔土器」と「ミス馬高」はいずれも重要文化財にも指定されている出土品で、作品にはその精巧な作りも生かされています。またコーンのサクサク感も伝わってくるような質感ですが、3Dプリンターで制作されたものというのも驚きです。
投稿には「かっこいい」「縄文フェチにはたまらない」「食べてみたい」などのリプライが寄せられ、4万件以上のいいねが集まっています。

オープンソース化された3Dデータを活用

「多くの方に共感いただきうれしく思います」というのは制作したNぼっくす+さん。制作したきっかけを「猛暑が続いている中、アイスクリームを食べる機会が多くあり、その中で今回のアイデアが思い浮かびました」といいます。

もともとNぼっくす+さんは、土器自体を自身で設計して作成しようと考え、インターネットで資料を探していたそうです。しかしその過程で知ったのが、「縄文文化発信サポーターズ」が公開している「火焔土器」のオープンソースの存在でした。
縄文文化発信サポーターズ「縄文オープンソースプロジェクト」パンフレットより
縄文文化発信サポーターズ「縄文オープンソースプロジェクト」パンフレットより 出典:縄文文化発信サポーターズ
縄文文化発信サポーターズとは、文化人や地方自治体の首長などで構成された、長岡市に事務局を置く組織です。「縄文オープンソースプロジェクト」として、2018年12月に「火焔土器」、2019年8月に「ミス馬高土偶」の3Dデータをインターネット上に公開しました。
出典:縄文文化発信サポーターズ「縄文オープンソースプロジェクト」ページより
こうした取り組みの背景として、事務局の担当者は「2020東京オリンピック・パラリンピックを契機とした縄文文化の発信に向け、火焔土器の3Dデータを広く発信し、誰もが自由な発想で楽しんでいただくことによって、火焔土器の魅力を多くの皆さまに知ってもらいたいと考え公開いたしました」と説明します。

一番難しかったのは……?

「火焔土器」だけではなく、「ミス馬高土偶」の3Dデータも公開されていることを知り、Nぼっくす+さんは「せっかくのデータがありましたのでうまく活用できればと思い付け足す形となりました」と土偶のスプーンも制作しました。
土偶「ミス馬高」
土偶「ミス馬高」 出典: 提供 長岡市
制作工程は次の通り。ダウンロードしたデータをもとに、3DCADでサイズ調整とスプーン部分を付け足し、3Dプリンターで出力。データ自体が詳細に作られていたため、CAD作業は5分ほどで終わりましたが、プリンターの出力には15時間ほどかかったそうです。本物のコーンに質感が似るように、材質には木粉入りのPLAフィラメントを使用しているといいます。

ソフトクリームの容器にするという発想については、「コーンに関しては形状が似ているという最初の印象だけで進めていました。結果的に『火焔』土器に冷たいアイスクリームが納まっている様子がしゃれが利いた形になって気に入っています」。
出典:Nぼっくす+さん(@cTstZKtDOlRIN1z)のツイート
ちなみに、意外にも一番難しかったというのが、「本物のアイスを乗せる作業」なのだとか。

「コンビニエンスストアで購入したアイスのコーンの部分だけを下から食べるのに苦労しました。もたもたすると溶けてしまうので(笑)」

「誰でも自由に活用できるように」が形となった作品

今回オープンソースを使った作品が話題になったことについて、縄文文化発信サポーターズ事務局の担当者は「『3Dデータを誰でも自由に活用できるように』と始めたプロジェクトのため、みなさんの自由な発想でさまざまな創作が生まれることは、とてもうれしく思います」。
縄文文化発信サポーターズ「縄文オープンソースプロジェクト」パンフレットより
縄文文化発信サポーターズ「縄文オープンソースプロジェクト」パンフレットより 出典:縄文文化発信サポーターズ
また、Nぼっくす+さんはこうした文化財の3Dデータが公開されていることに対し、「2次製作を通してそれらの文化が広まっていくこと、デザインの歴史が継承されていくことはとてもすばらしいこと」と、縄文文化発信サポーターズに感謝の思いを表現します。

「このようなすばらしい活動がもっともっと広まっていくように応援しております。自分もものづくりを趣味とするひとりとしてそのような物を残せたら良いなと感じました」

Nぼっくす+さんは現在、ペットのイモリをモチーフにした人形「#Agent_AKAHARA」なども制作し、Twitterで発信しています。「大きな反響があったあとにそれを意識しないことは難しいですが、あくまでも趣味としてのんびりやっていければと思います」とコメントしています。
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