IT・科学
「お前は東大卒か」誹謗中傷をポジティブワードに 開発中の拡張機能
「消えろ」は「ずっとそばにいろよ」に

目を背けたくなる言葉が、優しいフレーズに
猫背になると、にゃぁと鳴き、鳩胸になると思うぽっぽと鳴いて教えてくれるデバイス作りました。 鳴き声は全部僕の声です。 猫背の人はリツイート #makerfairetokyo2017 に展示します。 #にゃぁぽっぽ #猫背#mft2017 #鳩胸 #猫背改善デバイス pic.twitter.com/EbEEHyvhLl
— nanka (@nankasince2016) August 1, 2017
ここでは書くのもはばかられるような、容姿を蔑む言葉は「ナイスバディ」に変わり、死を連想させる暴言であったとしても「長生きさせるぞ」。

まだ構想段階で試作品がない状態ですが、「nanka」の発想にツイッターでは「これ欲しい」「一人一人の頭の中に実装したい」などのコメントが寄せられ、2万件以上のいいねが集まっています。
「傷つくことを減らす」ための防衛策
「誹謗中傷を減らす」のではなく、「傷つくことを減らす」というのが、この機能のポイントです。というのも、「誹謗中傷は基本的には無くならないと考えている」という宗野さん。「誹謗中傷する人のなかには、自分が誹謗中傷しているのかさえ気がつかない人がいる」と指摘します。
このため「自分がSNSを見るときは誹謗中傷ワードが見えない形で表示されれば傷つくのも防げると考えた」といいます。
「知らぬが仏」という言葉があるように、「見えないものや気がつかないものに人は傷つくことはない」という考えのもと、この機能の開発に至ったのでした。
「賢い」と言えば…「東大卒」
例えば、「バカ」の対義語として「賢い」に変換することもできますが、「賢い」から連想される言葉として「東大」となり、ツイートでは「東大卒」と変換されています。「マヌケ」は「機転が利く」、機転が利くと言えば……という連想で、「マヌケすぎだろ」は「一休さんすぎだろ」に変換されるのです。
宗野さんによると、現在は言葉に対する変換アルゴリズムなどを作成中で、実際に機能を実現するまではまだ時間がかかるそうです。
誹謗中傷ワードをポジティブワードに変換して表示するchrome拡張開発中。 バカ→東大卒 デブ→ナイスバディ ブス→ミスユニバース マヌケ→一休さん 消えろ→ずっとそばにいろよ クズ→人類の宝物 殺すぞ→長生きさせるぞ #誹謗中傷は犯罪です pic.twitter.com/69x531cZqM
— nanka (@nankasince2016) August 4, 2020