マンガ
美術教師なのに柔道部顧問…「お前は車要員」新米くんの変化マンガに
「ぼくたちが教えますから!楽しいですよ!」
マンガ「あなたそれでも教師ですか」は、画家を目指しつつ教師になった「新米くん」が、学校での出来事を通じて成長する物語です。
熱血教師とはほど遠い新米くんだからこそ見えてくる、生徒の意外な一面や、学校の「ちょっとずれている」感じが淡々と描かれています。
現在は「部活動編」。美術部の顧問にならなりたい!と意気込んでいた新米くんがまかされたのは柔道部でした。テンションの上がらない新米くんに声をかけたのは、部員の方でした。
◇
意に反して柔道部顧問に配属された新米くん。柔道場の隅で背中を丸めて座っています。
その隣に腕を組んで立つのは、主顧問の「ケツアゴ」です。この高校に着任して以来、新米くんはケツアゴが苦手で「よりによってケツアゴが同じなんて…」と、同じ部活を指導する教師同士のやりにくさも描いています。
部活が終わり、「先生はいっしょに部活やらないんですか?」とさわやかに話しかけてきてくれたのは、部員の方でした。さすが柔道部、がたいがいいです。
そんな部員たちに新米くんは「え…?おれ…柔道のことよく知らないし…邪魔にならない…?」ととっても自信なさげです。
でも、さわやか柔道部員たちは「ぼくたちが教えますから!楽しいですよ!」。目をキラキラさせ、腕に力こぶをつくり、グイグイ引き込みます。
新米くんに柔道着を探し始める部員たち。棚の中を、「まだあったかな…」と探します。
「あった!!予備の柔道着」
柔道部の顧問をイヤイヤ引き受けた新米くんの気持ちやいかに。
下校時間になり、部員たちから「失礼します!」とあいさつを受けた新米くん。
マンガには描かれていませんが、部活の練習後から下校までの隙間時間に、柔道の「はじめの一歩」を部員から少し教わった様子。
「いいやつら…」と満足げな表情を浮かべて柔道場を後にする新米くんに、「おい」と後ろから声をかけたのは、ケツアゴでした。
部員たちとの距離が縮まり満足げだった新米くんに、主顧問であるケツアゴはこう話します。
「生徒の指導ならオレ一人でできる」
「外部コーチにも来てもらっているし、お前は試合とか遠征時の車要員として入れてるだけだから」
特に運動部の場合、一つの部活に複数の先生が指導に就くことはままあります。
新米くんはついさっき、ようやく「柔道」を通じて部員たちと近づけただけに、「車要員」と明言されてしまうと、これから距離感に戸惑いそうです。
ケツアゴは続けます。「勘違いして生徒壊されても困るからな」
新米くんはこの言葉をどう受け取ったのでしょうか。
次の日。
ケツアゴが柔道場に向かいます。
すると、部員たちとまた話をしている新米くん。
「こう?」と柔道着の帯の締め方を部員たちに聞いています。部員たちも「あれ?なんかおかしいな」「やりなおし!よく見ててくださいよ!」と楽しそうにやりを交わしています。
前日、「勘違いして生徒壊されても困るからな」と新米くんに伝えたケツアゴは、その様子を見て言葉を失っています。
最初は全くやる気の無かった柔道部の顧問でしたが、フレンドリーな部員たちにも助けられ、部活が楽しくなっている様子の新米くん。
ただそれは、主顧問のケツアゴからすると「指導」にはなっていないし、むしろ指導の邪魔になっているとさえ感じているようにも思えます。
既存の関係性の中に入り込んでいく難しさも描かれている今回。これから新米くんは、部活とどう向き合おうとしているのか、そして、ケツアゴとの関係はどうなるのか――。作者のしろやぎさんに聞きました。
【次回予告】
なんと新米くん、本格的に柔道部の練習に参加し始めます。ただ、やはりケツアゴのようなポジションではなく、一部員のような立ち場です。練習でヘロヘロになった新米くんは、マネジャーからある話を聞きます。
◇
withnewsでは、しろやぎさんの「あなたそれでも教師ですか」を配信中です。新米くんを軸とした教育現場を描いていきます。
8月末まで休載し、再開は9月第一週の日曜日からの予定です。
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