話題
Yahoo!ニュース「#コロナとどう暮らす」企画班さんからの取材リクエスト
たくさんのマスクが販売されていますが、選ぶ時のポイントは?
手作りマスクの選び方 夏場の肌荒れ…皮膚科医がすすめるポイント
おしゃれな布マスク、どう選ぶ?

取材リクエスト内容
新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクをする生活は当たり前になりました。最近では当初品薄だった不織布マスクの他にも、布製のさまざまなマスクが販売されています。マスクを選ぶ時、どんなことに気をつければよいでしょうか。 Yahoo!ニュース「#コロナとどう暮らす」企画班
記者がお答えします!
新型コロナウイルスの感染を防ぎながら生活する上で、マスクは欠かせない存在になりました。当初市販の不織布のマスクが入手困難だったこともあり、オリジナルの布マスクを販売する店、手作りする個人が急増。苦境に陥ったお土産業界で、マスク製造が新たな活路となった店もあり、マスク自体がファッションの一部としても受け入れられつつあります。これだけたくさんの選択肢が生まれている中で、商品を選ぶ時のポイントはあるのでしょうか。広がる「ハンドメイドマスク」
中には地域の特色を生かしたマスクも誕生しています。港町らしい「大漁旗」を使ったマスクや、デニム素材のマスクなど、個性豊かなマスクが広がっています。

運営するクリーマの担当者は、ハンドメイドマスクの取引の数は、ウイルス禍前に比べて10倍以上になっているといいます。最近の人気商品は、肌触りなどに意識した「夏マスク」。他にも服や小物と柄を合わせて、マスクをファッションの一部として楽しむ「マスクコーデ」や、マスクを入れる「マスクケース」の需要も高まっているそうです。

伝統文様がSNSなどで話題、業界の危機救う
伴戸商店(京都府京都市)は、西陣織の「金らん」と呼ばれる生地の卸売り問屋。保有する柄は2万5千種類にも及び、お土産品などに使用される生地を京都の物産・土産店に販売しています。
しかし、ウイルス禍によって状況は激変。伴戸商店の常務取締役の伴戸淳平さんは「生地の取引も全く動かなくなってしまった」と話します。取引先の縫製業者からも、軒並み仕事がなくなり悲鳴が上がっていました。
当時まだ不織布マスクが手に入れづらく、世間にも混乱が広がっていた中で、「少しでも気持ちが上向きになれば」という思いもあったという伴戸さん。身動きが取れなくなっていた加工業者や縫製業者と協力し、5月初旬から市松模様などの伝統文様をアレンジしたマスクの販売を始めました。

伴戸さんは「たくさんの取引先にお世話になってきたので、偉そうなことは言えない」と恐縮しつつも、縫製業者からも「マスク製造の仕事があって助かっている」という声をもらっているといいます。

マスクによる肌荒れが心配…素材の選び方
野村皮膚科医院(神奈川県横浜市)の野村有子院長は、マスクを長時間つけることによる肌のトラブルとして、「蒸れて肌がかゆくなり、肌の角質がふやけて毛穴が詰まりやすくなる」と話します。特に若い世代の患者には、ニキビが増えたという相談も目立っているといいます。
これまでマスクによる肌トラブルの相談は、花粉症やインフルエンザが流行る時期にもあったものの、収束すれば自然と減っていくものでした。しかし今年は新型コロナウイルスの対応に終わりが見えないため、患者の困り感も増しているそう。野村院長は「自分の肌に合ったマスクを選び、適切にケアしていくことが重要」と話します。

繰り返し使う布マスクは、使ったら必ず洗って清潔に保つことが大切です。「この時、ごしごし洗ってしまうと、毛羽立って肌触りもチクチクしてしまうため、『やさしく手洗い』が鉄則です」。肌あれを防ぐためにも、マスクをつける前や、外した後には、洗顔ののち、ローションや保湿クリームを塗ってケア。マスクを外す際には外す前に手を洗い、外した後にふたたび手を洗ってから洗顔するようにします。

自分の顔に合ったマスクの調べ方
マスクには「大きめ/小さめ」などのサイズ表記がありますが、どのように選べばよいでしょうか。マスク製造などの業界団体「日本衛生材料工業連合会」のサイトでは、自分に合うサイズを調べる方法も紹介しています。

(2)L字形にした状態で、耳の付け根の一番高いところに親指の先端を当て、鼻の付け根から1cm下のところに人差し指の先端を当てる
(3)親指から人差し指までの長さを測る
布マスク、感染防止の観点では?
(1)マスクのフィルターがウイルスを通さない性能を持っているか
(2)顔とマスクの隙間がなく着けられるか
の二つが大事で、完全に防ぐには、N95マスクなど防じんマスクが有効です。
布やガーゼでできた「布マスク」は、1枚の網の目の隙間が100マイクロメートル以上のものもあります。ウイルスの大きさは0.1マイクロメートル程度。顔との間に隙間もできやすく、ウイルスの侵入を防ぐ効果は期待できません。ただ、政府が配布した布マスクは薄い布を15枚重ねてあるので、一部の飛沫が飛ぶのを防ぐことや、ウイルスのついた手で鼻や口を直接触るのを防ぐという意味はあります。
おしゃれな柄のマスクや手作りのマスクを着けている人もいますが、感染防止には、あくまで先に述べた二つのポイントを満たすことが必要です。手作りだと顔に密着しにくいことが多く、注意を要します。