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#45 #やさしい日本語
コロナ感染怖いのに「教室にきてください」外国人語学講師の悩み
「お金は大事ですが、健康の方が大事です」
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◆コロナ感染怖いのに「教室にきてください」外国人語学講師の悩み
こんにちは。POSSEの岩橋誠です。今回は、「英会話学校」の先生からの相談です。緊急事態宣言が終わりました。でも、コロナウイルスが怖いので、会社に行きたくないという人もいます。今日はそのような相談者です。
■オンラインで授業したいです
【悩み】アメリカ出身、女性、アレックサンドラさん
私はアメリカの大学で日本の木版画を勉強して、日本に興味を持ちました。 日本で働きたいと思って、アメリカに居たときに、インターネットで仕事を見つけました。2019年の10月に東京に来ました。
仕事は、英会話学校で先生をしています。子供や大人に、マンツーマンやグループのレッスンをしています。 給料は、毎月18万円くらいもらっていました。でも私は「フリーランス」でした。「フリーランス」は会社の社員ではなく、自分で仕事をしている人です。日本に来るときに、私は「フリーランス」を選びました。でも、社員と何が違うのかよくわからなかったです。
フリーランスなので、健康保険は、自分で入らなければいけませんでした。給料はレッスンをしたときだけしか、もらえません。自分で休みにしたときは、レッスン1回につき、500円の「罰金」がありました。
そして、2月から、コロナウイルスが広がりました。私は「ぜんそく」の病気があります。だから、コロナウイルスになると、病気がひどくなるかもしれないので、心配でした。 レッスンをするときは、私は生徒と近いところで話をします。教室はドアをしめています。窓がない教室もありました。ウイルスにうつりやすい「3密」のような場所です。
教室に来る生徒も少なくなりました。3月は給料が8万円しかもらえませんでした。家賃を払うと、2万円しか残りませんでした。 5月はすべてのレッスンが休みになりました。6月からレッスンがまた始まりました。
会社はユーカリを教室に置きました。会社は「ユーカリはウイルスをなくす効果がある」と言います。でも、私はユーカリでコロナウイルスがなくなることはないと思いました。 教室で教えることは、コロナウイルスにうつるかもしれないので、怖いです。
私は、英会話学校で、オンラインの授業をしています。だから会社に「私は、自分の家でオンラインで、レッスンをさせてほしいです」とお願いしました。でも、会社は「それはダメです。オンラインのレッスンでも、教室まで来てください」と言いました。
なぜ家でオンラインのレッスンができないのか、私は理由がわかりません。お金は大事ですが、自分の健康のほうが大事です。どうすればいいですか。
■コロナウイルスはまだ終わっていません
緊急事態宣言は終わりました。でも、コロナウイルスにうつる人はまだいます。日本政府は、「たくさんの人が狭い場所に集まらないようにしてください」「会社は、働く人が家から仕事をすることができるようにしてください」とお願いしています。 日本の法律では、会社は働く人の健康を守らなければいけません(安全配慮義務)。でも、コロナウイルスにうつらないようにするために、会社がしなければいけないことは、決まっていません。
アレックサンドラさんはPOSSEにメールで相談しました。POSSEはアレックサンドラさんに、労働組合(ユニオン)に入るように勧めました。ユニオンは、働く人が集まって、働く環境を良くする団体です。 働く人は、自分が安心して働くことができる環境を、自分で求めることができます。ユニオンは、それを一緒にやります。
例えば、総合サポートユニオンという労働組合に、コールセンターで働く人が「ウイルスにうつるのが心配です」と相談しました。組合と働く人たちは一緒に、会社に「一緒の時間に働く人を減らしてください」とお願いしました。そして、そのコールセンターでは、一緒の時間に働く人を減らしました。となりの人と2メートル離れて働くことができるようになりました。
■本当は「労働者」かもしれません
アレックサンドラさんのもう一つの問題は、会社は「アレックサンドラさんはフリーランスです」と言っていることです。でも、アレックサンドラさんのやっていることは「会社が雇って働いている人(労働者)」と同じだと思います。もし、フリーランスであれば、自分で働く時間や仕事のやり方を決めることができます。
「フリーランス」なのに、会社がお願いした仕事をするだけだったら、日本の法律では、問題になります。会社はアレックサンドラさんを雇わなければいけません。そうすれば、アレックサンドラさんは会社の健康保険に入れます。仕事が休みになったときも、給料をもらうことができます。会社を辞めた後も、お金(失業手当)をもらうことができます。
これから、組合と一緒に、会社に働く環境をよくすること、きちんと雇って働くことができるように、求めていった方が良いでしょう。
■生活に困窮する英会話学校の講師たち
POSSE外国人労働サポートセンターに寄せられる相談のうち、一番多い業種は「語学講師」です。外国人からの相談の5割ほどが、中学・高校の英語講師や、いまや全国各地にある英会話学校の講師などから寄せられています。 語学講師の労働環境は比較的よいと思われているかもしれません。しかし、語学講師の全体の約7割は非常勤講師であり、不安定な立場に置かれています。
また、時給も高くありません。アレックサンドラさんは、1回44分のレッスンあたり基本給1000円に加えて、一度に教える生徒数に応じて加算手当(200円から500円)が支給されるだけで、手取りが20万円を超えたのはわずか1ヶ月だけでした。
さらに、労働者としてではなく「個人事業主(フリーランス)」として扱われ、自分で健康保険や年金を支払わなければいけないケースも多々あります。つまり、手取り20万円から更に保険料を支払うことになります。また、個人事業主は雇用保険に加入していないため、会社を辞めても失業給付を受けることができません。そのため、退職後に生活が急に不安定になってしまいます。
そこに「3密」問題が加わります。対面レッスンはどうしても生徒と講師との距離が近くなってしまいます。また、通常であれば、会話が聞こえやすいようにドアや窓を閉めるでしょう。これを1日に何人もの生徒と行わなければいけません。「コロナウイルスに感染してしまうかも」と不安になる気持ちはよくわかります。
英語教育の拡充が叫ばれる中、実際に英語などの語学を教えている労働者が、どのような環境で働いているのかにも注目していくことが大切ではないでしょうか。
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