語彙力、日曜日、やる気……不意に失われてしまうものを「供養」できる、お墓のフィギュアがツイッターで話題です。「センス」や「有給休暇」など形のないものから、喪失感を受け止められなさそうな「推し」の墓まで用意されています。「欲しい」という声が続出するこの商品がどのように生まれたのか、販売するメーカーに取材しました。
話題となっているのは、玩具や雑貨などの企画販売を行う「エール」が手がけたカプセルトイ「墓~供養~」です。幅4cm、奥行き4cm、高さ5.5cmのミニチュアの「お墓」なのですが、ユニークなのがそのラインナップです。
語彙力、日曜日、クソリプ、HDD、推しなど、意図せずなくなってしまったものや、手を合わせて丁寧に供養したいものたちが、全8種類用意されています。
これまでも「死んだ」と表現されることはあっても、物理的な「墓」が誕生したことにツイッターも騒然。「めちゃくちゃ欲しい」「コンプしたい」「推しの墓石を3つ欲しい」「ガチャもここまで来たか」と反響が集まっています。
販売する「エール」に、この商品を企画した経緯について聞きました。
――「墓~供養~」という、形のないものもお墓にして「供養」をするという発想はどのように生まれたのでしょうか。
集めてシチュエーションを再現するシリーズとして、お墓は以前から企画候補に挙がっておりました。ネガティブなイメージを持たれないよう、集めて楽しいものにする工夫を考えた結果、墓石の表記を無くならないでほしいものや、いつのまにか無くなってしまうものを刻んで、ささやかに供養できたら面白いのでは、となったのがきっかけです。
”やる気” “日曜日” ”推し”……ずっと在って欲しいのにすぐに無くなってしまう儚いもの……日常生活の中に存在する、目には見えないものたちのためにお墓を建てたい。そして供養したい……! 「墓~供養~」はそんな思いから生まれたアイテムです。
――お墓は全8種類ありますが、ラインナップはどのように決められたのでしょうか。
「書いてあったら面白いな」と思うコメントをチーム内で募集しました。全部で80種類くらい集まった中から、実際にイメージ画像を作製して人気投票を行いました。字面の面白さや文字の読みやすさ、あまりブラックなネタやネガティブにならないように……などを考慮して厳選しました。
――おすすめの使い方などあれば教えてください。
たくさん集めて組み合わせたり、お手持ちのフィギュアや小道具を並べたりしながら、時には面白く、時にはシュールに、手に取っていただいた皆様の想像力で色々と遊んでいただけると嬉しいです。
――ツイッターではたくさんの反響が集まっています。話題になっていることについてはいかがでしょうか。
予想以上の反響に大変驚いております。手に取った方が思わずクスリと笑ってしまうような商品を提供したいというのが弊社のモットーですので、今後も少しでも笑顔になれる、元気を与えられるような商品の開発に努めて参ります。
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「墓~供養~」は各200円(税込)。2020年7月から全国のカプセル自販機で展開中です。