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マンガ

「悩み方がめんどくさい私」を救った岡田斗司夫さんの動画を漫画に

「目からうろこが落ちた」悩みとの向き合い方

 小村あゆみさんが描いた「悩み方がめんどくさい私の悩み方が少し楽になった話」
小村あゆみさんが描いた「悩み方がめんどくさい私の悩み方が少し楽になった話」 出典: 小村あゆみさん(@komura_ayumi)のツイート

目次

うまくいかず、落ち込んで悩んだ時に、自分を前向きにするための方法がネットにも身の回りにもあふれています。しかし、これらの方法にフィットしなかった時、自分の「救いようのなさ」に更に落ち込んでしまうことも……。そんな悩みのスパイラルにはまり込みやすい漫画家が、「目からうろこが落ちた」という考え方を紹介し、話題になっています。作者は「漫画の中の解決法を受け取れても受け取れなくても、私のことを見て安心してもらえたらいいな」と思いを明かします。
 
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「悩み方がめんどくさい私の悩み方が少し楽になった話」

「悩み方がめんどくさい私の悩み方が少し楽になった話」というコメントとともに漫画を投稿したのは、「あくまでふたりはビジネスです」(マーガレット/集英社)などを連載中の漫画家・小村あゆみさん(@komura_ayumi)です。

漫画は、「私はよく悩むし落ち込みます」という、小村さんの心の内から始まります。
出典: 小村あゆみさん(@komura_ayumi)のツイート
ひとたび悩みのふたを開けると、「がんばってもがんばってもいいことがない」「センスもない実力もない……」と、ネガティブな思考で頭がいっぱいになってしまうという小村さん。そんなとき、解決法を探しても、しっくり来るものはあまりなかったようです。

たとえば、「頑張らなくていい」「他人と比べなくていい」という声にも、「頑張っても報われるとは限らないけど、頑張らないと報われない」「その『他人』は『なりたい自分』だから逃げたくない」という思いがあります。悩みの理由もはっきりしているため、解決しない以上は気分転換でも和らぎません。更には悩むのをやめることも許せないため、どんどん行き場がなくなっていく……。

作中でも、自分のことを「めんどくさい」と客観視していますが、悩み続けることに苦しみを抱いていました。
 

悩む時間決め、「あとでじっくり悩むからな!」

そんな時に心に響いたのが、評論家・岡田斗司夫さんのYouTube動画でした。アニメ作品の解説動画の冒頭のことです。
出典: 小村あゆみさん(@komura_ayumi)のツイート
朝日新聞の連載「悩みのるつぼ」でも、読者の悩みに答えてきた岡田さんが悩みやすい人に対して提案したのは、「悩む時間を決める」ということ。

たとえば、1日1時間悩む時間を決め、前半30分を悩むための情報収集に使い、後半30分で悩みを書き出して「今日の考え」としてまとめる。悩みが続くようであれば、これを繰り返すというものでした。
出典: 小村あゆみさん(@komura_ayumi)のツイート
「悩む人は何日も連続で悩むので、悩むのをやめたら自分がダメになっちゃうんじゃないかって思っちゃう」という岡田さんの言葉に強く共感した小村さん。まさに「目からうろこ」な提案に、実践してみることにしました。

「悩む時間」を決め、その前に気分が落ち込む兆しを感じた時も、「あとでじっくり悩むからな!」。そう思うと、気持ちが切り替わっていくのを感じました。

「『時間を決める』これだけで 確かに私はラクになったのです」

「悩みを放りだした気分になって自分を責めてしまう私には 『悩むこと』自体を否定されていないのが大きいとおもう」
出典: 小村あゆみさん(@komura_ayumi)のツイート
漫画の最後には、「時間を決めてメリハリをつけて、悩みと向き合っていこうと思います!」と前向きな言葉でしめくくられています。

漫画には「めっちゃわかる」「この方法いいかも」「参考にしてみます…!」などの共感の声が寄せられ、1.3万件以上の「いいね」も集まっています。作者の小村さんに取材しました。

モヤモヤしていた時に出会った動画「その手があったか!」

以前から岡田斗司夫さんの動画を視聴していたという小村さん。「好きな映画の解説や、自分には思いもよらない角度からのお話などとても勉強になることが多くて楽しい」といい、ニコニコチャンネルの会員にも登録していたそうです。今回漫画を描かれたことや、悩みとの向き合い方について聞きました。
――今回、こちらのエピソードを漫画に描こうと思ったきっかけなどありましたら教えてください。

ここしばらく本当にヘコみっぱなしで、SNSをやっていると発信の場があるのでつい弱音をツイートしそうになってしまうんです。ただの愚痴ではあまりに生産性もないし、フォロワーさんだって楽しくないだろうと思って悩み自体を掘り下げて漫画にしてみたのですが、それも別に面白いものでは無いなと。

そうやって1人でモヤモヤしていたところあの動画に出会いまして……「あーっ!これだ!これを描こう!」ってなりました。起承転結が出来上がった感覚です。
 
出典: 小村あゆみさん(@komura_ayumi)のツイート
――岡田さんの言葉と聞いた時、小村さんはどのように感じましたか。

漫画の中では実践してからスッキリしていますが、実際は動画のお話が聞こえた瞬間にもう「あー!」という感じで気が楽になっておりまして……。「その手があったかー!」となりました。目にウロコがあったら足元がウロコだらけになっていると思います。

また、岡田さんの話の上手さに驚愕しました。漫画では台詞を要約させてもらっているところも多く、それでも描ききれず描きたかったお話がたくさんあるのに、動画ではたったの3分なんです。

漫画にしながらこの3分を何回聞いたかわからないくらいです。わたしの漫画より岡田さんの動画を観てください。
 
「悩む時間を決める」について触れている岡田斗司夫さんの動画 出典: 岡田斗司夫ゼミ#328(2020.3.29)完全解説「魔女の宅急便」初級編〜これまでの見方が変わるジブリ講座/OTAKING “Kiki's Delivery Service” part 1
――これまでさまざまなアドバイスや励ましがフィットしなかった中で、岡田さんの言葉や対処法が小村さんの心に響いたのはどうしてだと思いますか。

作中にも描きましたが、やっぱり「悩むこと」自体を否定されていないのが大きかったです。「頑張らなくていい」「悩まなくていい」という方向の解決法だと「それを出来ない自分」を、また責めてしまうので……。

悩むのをやめられない、でもつらい。そういう矛盾した面倒くさい気持ちを両方すくい上げてくださっている優しい対処法だなと思います。「悩むこと」を否定されないアドバイスはとても珍しくて新鮮で、心に響きました。

「悩みを放り出しちゃいけない」とは思わないで

――たくさんの人に漫画を読まれていることや、反響などについてはいかがでしょうか。

全く悩まない人、すぐに切り替えられる人、この漫画のやり方も絶対無理だって思う人、色んな方がいるのだなと実感しました。そしてわたしと同じように、「悩まなくていい」「頑張らなくていい」というメッセージを受け取れずに悩み続けていらっしゃる方もたくさんいたんだな……と、言い方は悪いかもしれませんが少し安心しました。

同時に、わたしのことを見て「同じように悩み続けてるやつもいるんだ!」って安心してもらえたらいいなと思います。漫画の中の解決法を受け取れても受け取れなくても。
出典: 小村あゆみさん(@komura_ayumi)のツイート
――漫画を読んだ方や記事を読んだ方へ、お伝えしたいことなどありましたら、教えてください。

こんな漫画を描いておいてなんですが、この漫画を読んで「やっぱり悩みから逃げられない!放り出しちゃいけないんだ!」とは思わないでください。

今回描いた私の悩みは自分自身の目標で捨てられない悩みだっただけで、自分自身でどうにも出来ない悩みはすぐに考えるのをやめます。逃げられる悩みに立ち向かう必要は無いと思います。本当に大事なことから逃げるのはよくないですが……。

悩むことの取捨選択が大事だな……と。ご自身の心を1番に大事にしてあげてください…!!

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