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#50 コミチ漫画コラボ

涙目の娘、トラックが…当たり前だった安心、保育士さんの凄さ漫画に

「いくつかの歯車が外れていたら…」実感して気付いたこと

ひとりさんの漫画「保育士さんありがとうの話」
ひとりさんの漫画「保育士さんありがとうの話」 出典: コミチ

目次

「子どもから目を離さないで」とはよく言いますが、実際は簡単なことではありません。幼い我が子が急に走り出して、ヒヤリとした経験を持つ保護者の方も多いのではないでしょうか。3歳の娘を保育園に預けた別れ際、ゾッとする出来事を経て、父が気付いたこととは――。マンガ投稿サービスを運営する「コミチ」とwithnewsがコラボし、「#わたしの鳥肌が立った話」をテーマに作品を募集。大賞の漫画作品には、保育士さんへの感謝の気持ちが描かれています。

ひとりさんの漫画「保育士さんありがとうの話」

漫画「保育士さんありがとうの話」を描いたのは、ひとりさん(@hitorie1983)です。現在小学1年生の娘が3歳だった頃のことを描きました。
出典:コミチ

ひとりさんが保育園に娘を送り届けると、ちょうど先生が子どもたちとお散歩に出かけようとしていた時でした。「じゃあ外まで一緒に」と歩道まで出たところで、先生に引き渡します。ひとりさんは娘に「先生と手をつないで」と伝え、横断歩道を渡っていきました。

しかし、父が離れていったことを理解した涙目の娘は「とうと…」と身を乗り出そうとします。その時、横断歩道の信号は赤。娘の目の前を、大きな音を立ててトラックが通過していきました。

出典:コミチ
あ然と立ちすくむひとりさん。トラックが過ぎ去った道路の向こうには、娘の手を握る保育士さんの姿がありました。「とうとーーー! はやくかえってきてね!」という、娘の元気な声が響きます。

これに笑顔で応じながら歩き出しますが、ひとりさんは血が引いていくのを感じました。手を離して歩き出したことを後悔し、当たり前のように娘の手を握ってくれていた保育士さんに「心の中で何度も頭を下げた」と綴られています。

「子どもの無事は、決して簡単に得られているものではない」

そう心に強く刻まれたというひとりさんの漫画は、「あの手に今も感謝しています」という言葉でしめくくられています。

「いくつかの歯車が外れていたら…」

作者のひとりさんは、今回のエピソードをについて育児する上で改めて危機感を持たなきゃと思った瞬間で、保育士さんたちが日常的にこうした危機に直面していると実感した出来事」と話します。

実際には目の前をトラックが通っただけで、娘がギリギリまで飛び出していたり、今にも車に轢かれそうだったりというほどではありませんでした。それでも、3~4年経った今も鮮明に覚えているほど、「記憶に強く残っていた」といいます。

出典:コミチ

「もしも先生が手を握ってくれていなかったら娘はじっとしてくれていたのか、もしも先生の手がもう少し緩んでいたらどうなっていたのか……。別れて駅に向かうまでの間、『いくつかの歯車がちょっとでも外れてしまっていたら』という想像をすると、血の気が引いていました」

「これからも記憶に留めておくため、また子どものけがをひとつでも減らせたら」という思いから、当時の出来事を漫画にしました。

「目を離さないで」簡単なことじゃない

作中のシチュエーションで思い浮かぶのは、「子どもから目を離さないように」という注意。保護者の方々は耳が痛くなるほど聞いているのではないでしょうか。ひとりさんも「子どもから手や目を離さないということは日頃から意識していたつもりで、特段油断していた訳ではない」と話します。

しかし不安定な場所に立とうとしたり、突然全体重を親に預けてきたり、予想できない行動を取るのが子ども。「自らけがをしにいくようなところがあって、『目を離さないで』の一言で言われてできるほど、おおざっぱなものではないんだなと実感している」といいます。

出典:コミチ

「世の中のお父さんお母さんたちのツイートなどを見ても、うまくいかず自分を責めている人も多いです。『もっとちゃんとしなきゃ』って落ち込んでしまう人は、きっともう一生懸命やった後なので、『自分だけじゃないんだ』と胸をなで下ろしてもらえる漫画になっていればと思います」

ウイルス禍で実感「保育士さんのすごさ」

こうした限界を痛感する中で思うのは、「保育士さんのすごさ」。特に新型コロナウイルスの影響で保育園が臨時休園になり、リモートワークになったひとりさんにとって、この期間は改めてありがたみを感じる機会となりました。

「今は娘は小学1年生になりましたが、もっと小さかったら仕事どころじゃなかっただろうし、24時間気を張り続けるのは無理なことです。改めて安心して預けられる先生がいるっていうのは本当ありがたいことだと思っています」

出典:コミチ

当たり前のように我が子の手を握ってくれていた保育士さんの手は、きっと今も他の子どもたちもさまざまな脅威から守ってくれています。私たちが知り得ぬところで、守られている命があることを、ひとりさんの漫画を読んで実感しました。

子育て「ポジティブな記憶を残したい」

ひとりさんは高校や大学時代にも漫画に親しんできましたが、就職してからは創作から遠のいていました。しかし、娘(愛称:ぽんすけ)が生まれ、5歳になった頃、成長記録として漫画で「ぽんすけ成長日記」を描き始めたといいます。

「娘のどんな小さな成長でも妻と一緒に驚いたり、笑ったり、感動したりしてきたはずなのに、具体的に思い出そうとすると忘れてしまっていることが結構ありました。それはすごくもったいないなと思って、一生懸命に成長している子どもを、大人の時間感覚で忘れてしまうのも申し訳ないと思いました」
また、楽しいことばかりではない子育てに「ポジティブな記憶を残したい」と思い、日常生活の中で「いいな」と思うことを漫画にして残すようになりました。「とはいえ、今よりも育児の主体を担っていた妻に、自分の子どもへの関心を見せたいというエクスキューズでもありました」と吐露します。

そんな成長日記をつづった漫画も、今や180本を超えました。「もう少し大きくなったら嫌がるかなあ」といいますが、家族の大切な思い出の記録となっています。

自身のことを「飽きっぽい」と話すひとりさん。それでも、続けられている理由は「子どもがかわいいからだし、子どもが常に新しい話題を提供してくれるから」。「だから、子どもにもすごく感謝しています」

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