グルメ
袋麺にホタテ缶の幸せ…緊急時ほど食の満足を「もしものレシピ」
売り切れ・買い占めに負けない、あるもの料理

5月25日にすべての都道府県の非常事態宣言が解除されましたが、外食が気軽にできないテイクアウトや自炊中心の食生活は続きそうです。一方で、外出自粛中は、普段と変わらずおいしいものを食べる行為が、心の安定にとっていかに重要かということを知りました。料理家のカノウヒナタさんは、缶詰やインスタント食品でも作れる「絶品」メニューを「もしものレシピ」として考案しています。カノウさんのレシピから、無理のない「新しい生活様式」の備えを考えます。(文:「車バイバル」編集部)
巣ごもり期間に使える「もしものレシピ」
また、今回の混乱の中で起こった買い占めや需要過多は、私たちの記憶にも強く刻まれたかと思います。しかし、今後私たちにふりかかってくる危機はウイルスだけではなく、地震や水害が起こることも十分にあり得ます。そう思うと、私たちは常に防災に備える必要があるのです。
ホタテ缶で塩バターラーメン

保存もきき、お湯さえあれば手軽に食べられる袋麺ですが、塩ラーメンにホタテ缶を加えれば、高級な味わいになります。このレシピのポイントについて、カノウさんはこう説明します。
「ホタテ缶の汁には旨味がたっぷり出ているので、汁ごと調理に使います。ほぐし身ではなく貝柱水煮を使うと食べ応えも見栄えの面でもオススメ。ホタテと相性の良いバターとコーンを加え、シャキッと辛い白髪ねぎでまとめた自宅でできる高級ラーメンです」
なお、白髪ねぎは小ねぎやかいわれ大根、水菜などで代用してもOKです。
【材料】
・袋麺(塩味) 1個
・ホタテ缶 1個(180g)
・コーン 大さじ2
・バター 10g
・ねぎ(白い部分) 適量
・黒胡椒 適量
(1)ねぎは白髪ねぎにし、水にさらしておく。
(2)水を500ml沸かし、麺を表示の時間より1分短く茹で、弱火にする。
(3)付属の粉末スープの素を2/3ほど加え、そこへホタテ缶を汁ごと加えて、身を崩さないように大きく混ぜ、火を止める。
(4)器に移し、白髪ねぎ、コーン、バター、黒胡椒をかければ完成。
惣菜角煮で本格ルーローハン

「チルド食品として、コンビニなどで売られている角煮は甘辛くてホロホロ。そのままでも十分おいしいのですが、中華のスパイスをちょっと足すことで、台湾の定番料理『魯肉飯』にアレンジすることができます」
ちなみに、このレシピで八角と五香粉は必須ですが、小松菜は青梗菜やねぎなどでも代用可能です。「角煮は、どのメーカーのものでも同じようにできますが、お肉がしっかりしているものを使った方が食べごたえがあり、おいしく仕上がる」とのこと。
【材料】
・豚角煮(チルド食品) 1袋(130g)
・八角 1個
・五香粉 小さじ1/2
・紹興酒(なければ酒) 小さじ1
・ゆで卵 1個
・小松菜 1束
・ごはん 茶碗1杯
(1)小松菜はさっと茹でてざく切りにしておく。豚の角煮はサイコロ状に切っておく。
(2)フライパンに豚角煮をタレごといれ、八角、五香粉、紹興酒、ゆで卵を加えて中火にかける。
(3)タレの汁けがなくなるまで煮詰めたら火を止める。
(4)温かいごはんに(3)を乗せ、(1)の小松菜を添えたら完成。
桜えびとザーサイの豆乳スープ

「豆乳のカップスープに旨味の強い桜えび、ザーサイを加えることで食べ応えのあるスープに。さらにお好みでラー油を垂らすとピリッとした辛味と豆乳のまろやかさが後を引く一品になります。桜えびは乾煎りすることで香ばしく、より旨味を感じられるようになります」

豆乳カップスープが手に入らない場合は、豆乳200mlに鶏ガラスープの素(小さじ1/2)を温めて、桜えびとザーサイを加えれば似た味になるそうです。
【材料】
・豆乳カップスープ 1個(17g)
・水 220ml
・桜えび 大さじ1
・ザーサイ 10g
・青ネギ 適量
(1)桜えびは乾煎りし、ザーサイは細切り、青ネギは小口切りにしておく。
(2)スープの素と桜海老、ザーサイを器に入れておく。
(3)お湯を沸かし、(2)に注ぎよく混ぜ、青ネギをのせたら完成。
いぶりカマンの昆布締め

そのままでもおいしいカマンベールチーズと、「いぶりがっこ」を昆布締めにするレシピ。普段から、常備しておくのもよさそうです。カノウさんによるオススメポイントです。
「カマンベールチーズに秋田県の名産『いぶりがっこ』を挟み、昆布締めすると粋なつまみに。発酵食品同士の相性は良く、ほのかな昆布の香りが後を引く、お酒好きにオススメの一品です」
ちなみに、「使う昆布は小さいものでもOK。出汁取り用のものなどでも、少し水で濡らして広げやすくすると使いやすい」のだそう。使った昆布は、付いてしまったチーズを取り除き、小さくカット、砂糖と醤油で味を整えて佃煮にできます。
【材料】
・カマンベールチーズ 1個(100g)
・いぶりがっこ 10g
・昆布(昆布〆用) 1/2枚
・黒胡椒 適量
(1)いぶりがっこをみじん切りにしておく。昆布をサッと水にくぐらせてペーパーで水気を拭いておく。
(2)よく冷やしたカマンベールを厚さ半分にスライスし、下半分を昆布の上に置く。(この時カマンベールの容器があればその中に昆布を敷き入れる)
(3)(2)のチーズの上に(1)のいぶりがっこを乗せ、上半分のチーズを重ね、昆布で包む。
(4)ラップをして冷蔵庫で半日置き、カットして黒胡椒をかけたら完成。
作り方は動画でも
本を作る過程で痛感したのは、緊急時でも普段と変わらずおいしいものを食べる行為が、心の安定にとっていかに重要かということでした。