ネットの話題
「もう どう広告したらいいのかわからない」キンチョウの潔さが話題
6つの「タイプ」を縦に読むと…

「もう どう広告したらいいのかわからないので。」 KINCHOこと大日本除虫菊(大阪市)の「率直」な新聞広告が、SNSで話題になっています。新型コロナウイルスの感染拡大によって、1ヶ月先の世の中の様子も予想できない中で生み出された「ケースバイケース」の広告に、ツイッターでは「潔くて好き」「めちゃくちゃユーモアある」などの声が上がっています。
「もうどう広告したらいいのかわからないので。」
まず目に入ってくるのは、大きく書かれた「もう どう広告したらいいのかわからないので。」というコピー。その下にはこのように説明されています。
この広告の掲載日に、世の中の空気はどうなっているのか、人々の気分はどんな調子なんだろうかと考えあぐねて、いろんなバリエーションを用意しました。


QRコードを読み取ると、それぞれの状況を想定して制作された広告が表示されます。例えば、前述の「Kタイプ」であれば、「いまだから、やろう!在宅殺虫!」と、「STAY HOME」中のゴキブリ退治を提案。「これは、ゴキブリにとっての緊急事態かもしれない」という文言もユニークです。
「近いうちに収束するぞ!と先行きの見通しが立ってきた場合」の「Cタイプ」では、「そろそろ、ゴキブリの話をしよう」と、落ち着きを取り戻しつつある生活にゴキブリ退治をそっと差し込みます。それぞれのシチュエーションに合わせて、さまざまなトーンで商品が宣伝されています。
また、文章の頭文字をとった「タイプ名」を縦に並べると、「KINCHO」の文字になっているなど、細かな仕掛けも用意されています。
担当者「最善の広告の形、考えた」
話題の広告が生まれた背景について、KINCHOの宣伝部の担当者は「夏に向けて商品を売り出していくために考えてきたのですが、広告にある通り、この先の世の中の空気がどうなっているかわかりませんでした」といいます。
包み隠さず「わからないので」と伝えることについて、「話題にしてもらいたいという思いもありましたが、最善の広告はこういう形じゃないのかなと考えました」と話します。

「商品広告というゴールに向かって、よりよいものをつくろうとしているので、手間や労力は後からついてくるものです」と担当者。話題になっていることについては、「ありがたい」と話しています。
それぞれのタイプの広告は、「KINCHO」のホームページで見ることができます。(https://www.kincho.co.jp/cm/ad_paper/muender/index.html)