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コラム

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テラスハウス報道、センセーショナルな情報の怖さ 支援団体の危惧

WHOのガイドラインを守っていない報道は「見ない・聞かない・シェアしない」

NPO法人「OVA」代表の伊藤次郎さん=本人提供
NPO法人「OVA」代表の伊藤次郎さん=本人提供

目次

フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんが5月23日に亡くなりました。木村さんを巡って多くの報道が出ていますが、中にはその現場を詳細に伝える内容などもあります。自殺願望がある若者の相談を、主にインターネット上で受けているNPO法人「OVA」の代表・伊藤次郎さんに、現在なされている報道内容やそれが拡散されることについて危惧する点などを寄稿してもらいました。

ウェルテル効果 WHOが自殺報道ガイドライン

昨今の自殺をめぐる報道の在り方とその影響について非常に懸念しています。

特に、一部の報道では自殺に用いた 詳細な手段や場所等について記載されています。
こういった報道の表現は死にたい気持ちを抱えている人、特に若年層に自殺関連行動を促進させる可能性があります。

簡単に言えば、センセーショナルな報道の影響を受け、生きづらさを抱えていた一部の若者の背中が押されてしまい、自殺してしまう可能性があるということです。

私達のNPOでは実際に死にたい気持ちを抱えている若者の相談を受けていますが、報道の影響を受けている人がいるのを現場でも感じてきました。

こういった現象はウェルテル効果と言われ世界中で事例がみられます。

そういった状況を危惧した世界保健機関(WHO)はガイドラインを発表し、メディア関係者に自殺関連報道をする際の「やるべきこと」、「やってはいけないこと」などを示しています。

※参考: 厚生労働省 メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き 「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 2017年 最新版」
 
自殺関連報道に対してWHOもガイドラインを出しています=写真はイメージです
自殺関連報道に対してWHOもガイドラインを出しています=写真はイメージです 出典:pixta

センセーショナルな記事の拡散、ネガティブな影響

センセーショナルなマスメディアの報道をSNS等で個人がさらにシェア・拡散するなどの行為が見られます。

そのような記事を個人がシェアしていくことは、自分の友人やフォロワーにネガティブな影響が起こることを想定した方がよいと思います。

インターネットやSNSの発展により、個人がメディア化している時代とも言えます。

そういった意味で今回のような事態における報道の在り方は、自分と周囲の人を傷つけないためにも私達ひとりひとりが向き合わなければいけない問題となったと言えます。

WHOのガイドラインを守っていないセンセーショナルな報道については「見ない・聞かない・シェアしない」のがよいでしょう。

手段報じなくても、社会的背景は報道できる

もちろん、背景にあった社会的な問題を報道してくことは重要だと思います。

ただ、亡くなった方の状況について詳細に報道しなくても、社会的な問題の報道をすることはできるはずです。

加えて、センセーショナルな報道が引き起こす、周囲の遺された方への痛みなど、負の影響も社会は考えていく必要があると思います。

自殺に関連した報道において大切なことは自殺について間違った知識や迷信を広げないために、正しい情報を発信したり、ストレス対処行動や様々な支援機関や制度の情報を伝えたりすることです。

また、周囲に報道に影響をうけていると心配に思う人がいたら、声をかけたり、話をきいて支え合っていくことが大切だと思います。

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