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#3 with音ニュース

【鳴き声の音声あり】休園中しか見られない「素のアヒル」実は控えめ

休園してすぐの頃は、けんか勃発。

世界最小のアヒル、コールダック=4月下旬、江戸川区自然動物園
世界最小のアヒル、コールダック=4月下旬、江戸川区自然動物園

目次

 いつもなら生き物たちと触れあう子どもたちの賑やかな声が響く動物園。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休園が続いていた動物園は普段より静かでした。そんな園内で、生き物たちはどう過ごしていたのでしょうか。4月下旬、当時休園中だった東京都の江戸川区自然動物園で、ささやくような鳴き声が魅力的なアヒルの様子を聞きました。

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ニュースの現場を音で巡る企画です。今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休園中だった、4月の東京都・江戸川区自然動物園を訪ねました。
(※江戸川区自然動物園は5月26日、約3カ月ぶりに再開しました)
 

「ワッワッワ」「グァグワ」「ガッガッ」

アヒルの鳴き声

 自然動物園でも親子連れに人気の、ヤギやモルモットなどを触れる「ふれあいコーナー」近くで、「ワッワッワ」「グァグワ」「ガッガッ」と控えめに鳴き続けるのは、アヒルです。時々、「メヘヘーン」という鳴き声も聞こえてきますが、その主は、ふれあいコーナーのヤギです。
 アヒルはもっとはっきりと「グワッグワッ」と鳴くものだと思っていたのですが、案外控えめです。

 飼育員の前田亮輔さんによると、「ごはん前とか、バックヤードに戻ってすぐのときはもっとよく鳴きます」とのこと。

 自然動物園によると、アヒルは世界中に生息していて、食べ物は、葉っぱや草、虫、穀物などです。自然動物園では小松菜や鳥用の配合飼料などを与えています。寿命は10~20年ほど。自然動物園で飼育しているのはアヒル6羽は、コールダックという世界最小のアヒルです。

2羽のコールダック=4月下旬撮影
2羽のコールダック=4月下旬撮影

休園当初は、けんか勃発

 前田さんが「とってもきれい好き」というアヒルの真っ白な羽は、よく手入れされているため、はじかれた水が丸い玉のようになってすべり落ちます。
 アヒルがきれい好きなことも、ささやくように鳴くことも知りませんでしたが、じっと観察してみると、その愛らしさにあらためて気づきます。

 取材させてもらった4月下旬、外で水浴びをしていたのは2羽のオス。ですが、休園した当初は、この2羽を含め、アヒルたちはバックヤードで過ごすことが多かったといいます。
 前田さんによると、「バックヤードにいると、オスがメスを追いかけたりして、ケンカが起こるようになってしまったんです」と、その後、バックヤードで過ごすチームと、表で過ごすチームとにわけるようにしたそうです。 

休園中、動物たちは「のびのび」

 休園中、多くの動物たちは、いつも通り日中は屋外の展示場で過ごしいて、平時の閉園時間ごろには、バックヤードに戻る生活でした。「再開後もスムーズに元の生活に戻れるように」と、1日のリズムは開園時とほぼ変わりません。
「動物は人と接することがストレスになる場合もあるので、普段よりのびのびしている子もいます」

 普段ふれあいコーナーにいるヒツジやヤギも、日向に集まり眠そうにとろんとしています。「静かだなあと思っている子もいるのかもしれないですね」と前田さんは見守っていました。

心なしかトロンとした表情のヒツジ=4月下旬撮影
心なしかトロンとした表情のヒツジ=4月下旬撮影

「生き物」を直に知る機会の重要性、改めて

 実は私、普段から3歳の息子と一緒に自然動物園で動物たちの姿に接しています。毎週末訪れていた自然動物園に行けなくなってからは、動物たちに会いにいけない寂しさが募っていました。

 取材では自然動物園でどこかのびのびとしている動物たちの姿を確認できて、なんだか安心しました。一方で、その理由が休園で来園者がいないからなのだとしたら、「少しは人間のことも思い出してほしいな」と、勝手ながら考えてしまいました。同じく休園中のすみだ水族館が、チンアナゴに人間の顔をZoomを通じて見せるというイベントの意味をより理解した気になります。

 自然動物園は5月26日、約3カ月ぶりに再開しました。
 子どもたちにとっては「生き物」を直に見る機会があることで、自分たちが生きる世界に多様な生き物がいることを実感します。動物たちになるべくストレスをかけないよう、その楽しさや喜びをまた感じることが出来る日々が戻ってきたことのありがたさを改めて感じています。

日中、「ふれあいコーナー」で過ごしたあと、バックヤードに帰って行くヒツジやヤギたち=4月下旬撮影
日中、「ふれあいコーナー」で過ごしたあと、バックヤードに帰って行くヒツジやヤギたち=4月下旬撮影

                   ◇

 江戸川区自然動物園は、約60種類の生き物を飼育している無料で入れる動物園です。モルモットやうさぎ、ヤギなどを近くで触ることのできる「ふれあいコーナー」は週末になると、親子連れで賑わいます。
 自然動物園は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月末から休園を続けていましたが、5月26日に約3カ月ぶりに再開しました。

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