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連載

#7 #おうちで本気出す

続くジム休業 カリスマトレーナーAYAが見つけた家トレの原点

「自粛後に自粛前より最高の自分でいられるようなアクションを」とAYAさん。

カリスマトレーナー・AYAさん。
カリスマトレーナー・AYAさん。 出典: 提供:株式会社ワイエムエヌ

目次

「ジム休業」が長く続き、すっかり運動不足になっている人、トレーニングへのモチベーションが低下している人も多いのではないでしょうか。そんな緩んだ心を「ジムに行けない期間中にどんな行動をするのか、選択するのは自分」と引き締めてくれるのが、カリスマトレーナーのAYAさんです。

数々の著名人のボディ・プロデュースを手がけてきたAYAさんですが、実は stay home 開始直後は家トレの効果を上げるために試行錯誤していたそうです。そんなAYAさんが思い出した「原点」と、この期間に見事なスタイルを維持・向上させたコツをうかがいました。(朝日新聞デジタル編集部・朽木誠一郎)
 
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活動量が半分以下に…試行錯誤の日々

――AYAさんはトレーナーとして、ハードなトレーニングに取り組まれていました。外出自粛期間、トレーニングにはどんな影響がありましたか。

家トレに切り替えてから約2カ月が経ちますが、現在は以前の水準、あるいはそれ以上の体の状態をキープできています

とはいえ当然、ジムのように思いきり体を動かすことはできなくなりました。ジムが休業する前は朝5時に起きて、6〜10時は担当するクラスで指導、10〜12時で自分のトレーニングをするスケジュールでしたから、活動量自体も半分以下になってしまっています。以前のような体の引き締まり方もしていないと感じるようになって。この条件の下でどのようにコンディションを整えるか、当初は試行錯誤の日々でしたね。

――そこからどのように適応したのでしょうか。

私が指導するクロスフィットは、もともと「歩く」「走る」「起き上がる」「拾う」「持ち上げる」「押す」「引く」「跳ぶ」など「日常生活で繰り返し行う動作」をベースにしたトレーニングです。クロスフィットを最初に学んだときに言われたのが、“Your body is machine.”。つまり、ジムに行って器具を使うだけがトレーニングではなく、自分の体を人間らしくコントロールするところからフィットネスは始まる、ということなんです。

自分の体重を負荷として、スペースさえあれば、どこでもトレーニングは成立する。これまでも著書などで伝えてきたし、この機会にあらためて伝えたいことでもあります。だから、まさに「原点に戻った」という感じですね。

自重トレーニングでも追い込むことは十分にできます。ただし、私はトレーナーという仕事をしている立場。一般の方々より常に一歩、先に行っていなければいけない。一旦、原点に戻ってから自宅に必要な器具やマシンを増やしていき、今に至ります。
――Instagramを拝見していると、自宅にあるランニングマシンや吊り輪などが本格的で、現在はまさに充実した「ホームジム」といった印象です。

よく言われるんですが、実はすべて、誰でも簡単に入手できるようなものなんです(笑)。ランニングマシンも折りたたみできるいわゆる「ルームランナー」だし、吊り輪も「ぶらさがり健康器」みたいなものに設置しています。本格的に見えるのだとしたら、それは私の動きがそう見せている、ということだと思います。

家トレのためにそろえたのは他に、ダンベルやバーベル類くらい。いたずらに器具を増やすのではなく、正しい動きでトレーニングをすることの方がよほど大事です。ルームランナーは速度に限界があるし、ぶらさがり健康器はジムのような動きには耐えられません。でも、今できることの中で最大の効果を得られるようにさまざまな工夫をしています

他にも、例えば海外のYouTubeチャンネルでダンベルのトレーニングメニューを検索、新しい動きを練習する、とか。やってみると自分に合う・合わないやケガをしにくい・しやすいなどがあるので、その中からいいと思ったメニューを自分も習得して。家トレでも自分の成長を実感できましたね。

朝に家トレをプラスアルファで

――一般の人は家トレをどのように生活に取り入れていけばいいのでしょうか。

やはり自重トレーニングですね。そもそも自分の体重をコントロールできることは、ジム休業とは関係なく、トレーニングをする上で基本中の基本です。

自重トレーニングとしては、「スクワット」「腹筋」「腕立て伏せ」の3種目が一番、大事。それが自分の体重でしっかりおこなえるかどうかを、まずはチェックしてほしいです。

スクワットだったら、しゃがんで立ち上がる動作ができるか。自分の体重を支えられなくてゴロンと転がってしまう人もいらっしゃるんですよ。あとは、膝よりもヒップを下に降ろせるか。降ろせないのであれば、股関節が固かったり、足首が固かったりするかもしれない。スクワット一つでも、このようにいろいろなチェックポイントがあって、自分の体と向き合ういい機会になるんじゃないかな。

繰り返しますが、これは自分の体重です。重りを持っているわけじゃない。自分の体重すらコントロールできないのに、ダンベルなどの器具を買ってみる、というのは順番が違いますし、ケガの原因にもなってしまう。まずは正しい動きで自重トレーニングに取り組んでみてください。フォームは公式YouTubeチャンネルでも公開しています。
――これまでジムに定期的に通っていたような、中級者についてはいかがでしょうか。

もし夕方や夜、ジムに行く習慣があった人なら、その時間はこれまでと同様に、家トレで体を動かすようにしてください。まずは同じ運動習慣を取り戻すことです。

加えて、朝の時間帯を有効活用してほしいですね。これまでは多くの人が通勤などで体を動かしていた時間なのに、今は普通にしていたら、立ち上がることすら少なくなってしまっているんじゃないでしょうか。

活動量が減ってしまっている分、朝に家トレを一回、プラスアルファで増やす。朝は脂肪燃焼もしやすい、運動にはぴったりの時間帯ですから。私もこうやって体を戻しました。

「AYAごはん」はプレートを小さめに

――生活習慣という意味では、食事などは変化していますか。

食事に関しては、食べているもの、タイミングやメニューの構成といったルーティーンは変えていないんです。朝に炭水化物を摂って、昼夜は野菜メイン、お肉を食べるのかお魚を食べるのか。「AYAごはん」のメソッドはそのままです。

でも、一つだけ変えたところがあって、それがお皿の大きさ。AYAごはんのルールは「直径24cmのプレートに載る量しか作らないこと」なのですが、活動量が下がっている分、同じ量を食べ続けていたら、コンディションは悪くなってしまいますよね。なので、お皿の大きさを小さくしました(笑)。今は直径21cmです。

あとは、土日に「チートデイ」として比較的、自由に食事をしていたものを、日曜日だけ、プチチートデイのようにしています。同じトレーニングができていない以上は、チートする資格がないですから。その分、ヘルシーなお菓子を作るなどして、息抜きをしています。

自粛後にむしろ「最高の自分」になるために

――緊急事態宣言が全国的に解除されましたが、東京などは引き続き、スポーツジムが休業を要請されており、フィットネスにおいては先が見えない状況が続きます。どのようにモチベーションを保てばいいでしょうか。

この先、自粛前の自分と自粛後の自分を比べてみたときに、「自粛後の自分の方がダメ」と感じる例がほとんどだと思うんです。これまでトレーニングをがんばってきていた人も、「元の生活に戻れるか自信がない」と不安になっているんじゃないでしょうか。

でも、自粛前はちゃんとできていたわけです。それがダメになってしまうなら、自粛中の自分の過ごし方に問題がある。時間が余っているときに、部屋でゴロゴロしながらお菓子を食べるのか、それとも家トレをするのか――結局、自分の選択なんですよね。そしてその選択の責任は自分にあるんです。

だから、「自粛前より自粛後の自分の方が最高な自分になってやる」っていう勢いでやってごらん、って思います。誰かに「やれ」って言われてやってるわけでもないし、自分でハンドルを握って運転するしかないんです。

――AYAさん自身も日々、チャレンジをしている?

そうですね。それはトレーニングというだけではなくて、例えば最近はYouTubeでの情報発信にも注力しています。もともとSNSとかブログとか、あまり得意ではなかったんですけど、外出自粛でそうしたものを観る人がとても増えていますよね。

オンラインのトレーニング・レッスンも始めていますが、その枠を超えて、もっと私のライフスタイルや伝えたいメッセージを身近に感じてもらいたい、と。これまで続けていたInstagramとは勝手が違うので、難しいなと思いながら、チャレンジしています。
――AYAさん自身のチャレンジを支えているのは、どのような想いなのでしょうか。

「どうすれば自粛前より自粛後の自分の方がいい自分でいられるか」をずっと考えていました。自粛後に太ってしまったとして、誰かがそうさせたわけじゃなくて、自分がそうしたわけなので。オンラインレッスンを受けてくれるお客さんにも「太って(ジムに)帰ってくるのは許さないからね」って言ってます(笑)。

今はまだ、行動に制限があって、みんなしんどいですよね。だからこそ、自由に行動できるときをじっと待つのではなく、自分にできることをやってみようと思うんです。だって、このままずっと行動が制限されるわけじゃない。世の中、いつかは自由に行動できるようになるんです。

何もしなければ「ちょっと太ったね」とか、ネガティブな言葉をもらう方が多いでしょう。そうじゃなくて、また自由に行動できるようになったときに、周りから「なんか変わったね」「良くなったね」ってポジティブな言葉をもらえるようにこの期間を過ごしたいし、みなさんにも過ごしてもらいたいと思います。

【#おうちで本気出す】
外出自粛による巣ごもりで、生活の中に変化が起こりにくい日々が続いています。そんなときでも、今まで知らなかった「ちょっとニッチ」な世界に出会うことで、新鮮な気持ちになれるかもしれません。withnewsでは家の中で楽しめる事柄の奥深さ、その道を究める「マニア」な人たちの情熱を伝えていきます。

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