twitter facebook hatebu line LINE! 連載 2020/05/18 みんなの感想 #4 #おうちで本気出す 200社以上、明太子に魅了されたマニアの「究極のおうちレシピ」 明太子の魅力とともに、ありたい自分を見つけた 「めんたいこマニア」として活動する田口めんたいこさん 出典: 田口めんたいこさんのインスタグラム 野口みな子 福岡 マニア #おうちで本気出す 明太子 目次 おすすめは「そのまま」と「切り干し明太」 「自分は何者なのか」迷っていたOL時代 仕事辞め、2週間の福岡旅行が転機に 新型コロナウイルスによって外出を控える生活で、料理やお取り寄せグルメなど、「食」に楽しみを見いだしている方もいるかと思います。毎日、インスタグラムで明太子の商品やアレンジなどを発信している「明太子マニア」は、200社以上がつくる福岡の明太子に魅了された達人です。おうちで楽しめる簡単レシピや、人生を変えた明太子との出会いなど、語り出すと止まらないあふれる明太子愛を聞きました。 【PR】幅広い「見えない」に対応 日常生活の不便を減らすために 奥深い明太子の世界へようこそ 出典:田口めんたいこさんのインスタグラム 福岡だけで少なくとも200社、奥深い明太子の世界 「#1日1明太」のハッシュタグのもと、明太子を使った商品や料理の情報をインスタグラムで毎日発信している田口めんたいこさん(@taguchimentaiko)。「明太子マニア」として、明太子の食べ比べイベントなども開催してきました。 「明太子は贈答品のイメージが強いですが、一言に明太子と言っても味も楽しみ方もさまざまです。より身近に感じていただけるように明太子の魅力を発信しています」 イベント「マニアフェスタ」で「明太子マニア」として出展した田口めんたいこさん(左) 出典: 田口さん提供 明太子の名産地・福岡には、明太子のメーカーが少なくとも200社あるといわれています。韓国・釜山で長く食べられていたスケトウダラの塩辛がベースになっており、戦後、朝鮮半島から博多に引き揚げてきた「ふくや」創業者がこの味を再現したことが、福岡の明太子づくりの始まりだとされています。 業界の拡大につながったといわれているのが、創業者があえて製法の特許を取らなかったこと。たくさんのメーカーが生まれる中で、オーソドックスな味に限らず、自由な発想でさまざまな商品が生まれていきました。 真っ赤に漬け込まれたメンタイコ=1997年、福岡市 出典: 朝日新聞 田口さんが特に奥深さを感じているのが、スケトウダラの卵をつけ込むたれの違いで、味に個性が出ることです。メーカーによって唐辛子の種類や量が異なり、アゴだしや鰹など「だし」にもこだわりが感じられるそう。たれに入れるお酒も日本酒や焼酎、ワインを使う企業まであり、ゆずなど柑橘類の味を生かすところもあるようです。福岡では自家製明太子を出す店も多く、その味のバリエーションは数え切れないほどだといいます。 おすすめは「そのまま」と「切り干し明太」 「食べ比べて自分の好きな味を見つけていただくのも、きっと楽しいと思います」と田口さん。外出自粛が続く生活の中で、お取り寄せなどで家で明太子を気軽に楽しむ方法を聞きました。 まず食べ比べにもってこいなのが、「博多寿賀や」の「博多明太子食べ比べ」のセットです。老舗の味から個性あふれる味まで、6社、12社、18社から選べるおまかせの詰め合わせ。田口さんは「少しづつ色々な種類の明太子を食べられるセットは珍しい」とおすすめします。(https://www.neo-9.com/mentai/) 「お気に入りの明太子が見つかったら次は直接明太子屋さんに注文してもらえればいい、という店主の方の思いも含めて素敵なセットです」 「食べ比べることで、味の奥深さが実感できる」と田口さん 出典:田口さんのインスタグラムより 加えて、田口さんがおすすめするのが、先ほども登場した「ふくや」が販売しているセット商品「おいしいとよ 博多箱」。(https://www.fukuya.com/products/detail.php?product_id=1132&category_id=160) 明太子はもちろんのこと、もつ焼きや長浜ラーメンなど、家でも博多のグルメが堪能できます。田口さんは「べったら漬けを明太子の調味料でつけ込んだ『めんたら』が含まれていることもポイント」と説明します。単体で楽しめるだけではなく、他の食材ともマッチするのが明太子の魅力のひとつです。 また、「ふくや」に関連して、創業者の川原俊夫さんの人生をモデルにした映画・ドラマ作品「めんたいぴりり」(主演:博多華丸さん)も「おうち時間にぴったり」と田口さん。明太子の楽しみ方、どこまで幅広いのか……。 そして、更に明太子を深く味わることができるというのが、「めんたいパーク」でも有名なメーカー「かねふく」のサイト(https://www.kanefuku.co.jp/)です。通販で明太子を購入できるのは当たり前、このサイトはそれだけではありません。「めんたいこ物語」のページでは、明太子の歴史からスケトウダラの漁獲方法まで、明太子にまつわる知識が驚くほど細かく、わかりやすく紹介されています。 奥深すぎる明太子の世界。では、田口さんは普段どのように明太子を楽しんでいるのでしょうか。「メーカーさんの商品であれば、基本的にはそのまま食べるのがおすすめ」という田口さんですが、アレンジをするなら特に気に入っているレシピがあるといいます。 それが、「切り干し明太」です。 「切り干し明太」がこちら 出典: 田口さん提供 明太子にめんつゆとマヨネーズ、みりんを混ぜたものに、としゃきしゃき感が残る程度に水でもどした切り干し大根を入れてあえるだけ。「そこに海苔をまぶしてもおいしいですよ」と田口さん。おかずにはもちろん、お酒にもよく合いそうです。 「自分は何者なのか」迷っていたOL時代 明太子や福岡のメーカーのことになると、目をキラキラと輝かせながら話す田口さん。地元を応援しているのかと思いきや、東京生まれ東京育ちというから驚きです。 どうして彼女はここまで「明太子」に夢中になったのでしょうか。話を聞くと、今でこそ自ら「めんたいこ」を名乗る田口さんですが、数年前とは見えている世界が全く違っているようです。 「マニアコンビニ」の1日店長を務めた田口さん(右) 出典:田口さんのインスタグラムより 2年ほど前まで、「いわゆるOL」として事務業務の仕事についていた田口さん。周りを見渡せば、自分だけのスキルや特技を持ち、自己実現が求められる社会。家と職場を往復するだけの日々の中で、「この仕事を自分がやっている意味とは」「自分が持っているものとは」という悩みでくすぶっていたといいます。 3年前、心をすり減らすような毎日に嫌気がさし、友人に相談したところ、すすめられたのが「行きつけの居酒屋をつくること」でした。しかし当時、ひとりでお店に入る勇気が持てなかった田口さんは、気になっていたお店のドアの前までは行けても、そのまま帰るということを繰り返していたそうです。 同じ頃、友人に後押しされて始めたのがインスタグラムでした。実は、それまでも福岡に旅行に行ったり、東京でも明太子が食べられるお店を調べて行ったりしていたものの、自身の「明太子好き」をさほど意識をしていなかったと振り返ります。 「よくよく考えれば親が魚卵が好きだったので、焼きたらこなどが食卓に並ぶことはよくあったんです。でも、友人に『明太子好きだよね』言われて、自分が人よりも好きなのかもしれないと気付いた」と明かします。 インスタグラムでは明太子料理も紹介している 出典:田口さんのインスタグラムより 「これなら自分でも好きだと言えるかもしれない」と、明太子に特化したインスタグラムを始めました。気になっていた居酒屋にも、勇気をふりしぼってひとりで踏み入れると、想像以上に素敵な空間が広がっていました。 面白い話をする他のお客さんと自分を比べて落ち込みながらも、明太子の話を人にするようになると、「明太子の人」と認知されるようになっていきました。 仕事辞め、2週間の福岡旅行が転機に 転機は、30歳を目前にした2年前。「何かを変えたい」と思い、田口さんは勤めていた会社を退職しました。「やりたいことを片っ端からやってみよう」と農業体験にも挑戦。その一環で、明太子の「本場」福岡に2週間旅行に行きました。 そこで、田口さんは予期せず明太子メーカーからの熱烈な歓迎を受けることになります。インスタグラムを始めて約1年、明太子に特化した珍しいアカウントに業界のフォロワーも増えていました。福岡を訪れると知った何社もの企業が、「ぜひ寄っていってください」と連絡をくれたのです。 JR博多駅のお土産品売り場には、一本物のめんたいこや関連商品が並んでいる=2018年 出典: 朝日新聞 「ちょっと挨拶して明太子を買わせていただく程度だと思っていたんですが、行ってみたら社長さんや工場長さんがいらっしゃって丁寧に説明してくださったり、工場を見せてくださったり。中には、5時間くらい明太子のこだわりについて話をしてくださる社長さんもいらっしゃいました」 「どこの誰かもわからないような私になぜ」と驚いた田口さんでしたが、業界としても発信してくれる人を求めていたのだと知ります。メーカーの情熱や優しさに触れ、自分が必要とされていることに感動した田口さん。「メーカーさん、業界の力になりたい」という気持ちで、自分が極める道を決めました。 「明太子で自分好きになれた」 筆者が田口さんに初めて出会ったのは昨年のこと、さまざまなマニアが出展するイベント「マニアフェスタ」(運営:別視点)でした。 明太子のような赤いワンピースを着た田口さんに目を引かれ、近付いていくと驚きました。ワンピースにはお札のように、明太子を生産するメーカーの名前が貼られていたのです。「かねふく」のような有名メーカーから、知る人ぞ知る企業までびっしり。 「スポンサーがついているんですか」と思わず聞いてしまいましたが、「いえ、メーカーさんのことを知ってもらいたくて」という田口さんの笑顔が忘れられません。 メーカー名が貼られた手作りの衣装に身を包む田口さん(左) 出典:マニアフェスタで会った強者たち 顔ハメ姿を後ろから撮るマニア 生活については日雇いの仕事をこなしながら、ブログやSNS、YouTubeなどで情報を発信してきました。更に生産地で情報収集がしたいと、この5月に福岡に移住する予定でした。クラウドファンディングなどで応援も集めていましたが、新型コロナウイルスの影響で移住は延期に。売上が減少しているという、現地の状況に心を痛めながらも「何か助けになれば」と話します。 OL時代、「自分は何者なんだろうか」といたという焦りの中にいた田口さんでしたが、「これだ」と思えるものは、想像したよりもずっと身近なところにありました。今でも「明太子なしでコミュニケーションを取れと言われたら難しいですが」と苦笑いしますが、明太子によって人脈はぐっと広がりました。 「明太子を好きだと言うようになって、自分も好きになれた気がします」 ◇ 現在、田口さんを始めとするさまざまな「マニア」が「マニアブログフェスタ」と題し、gooブログにそれぞれの「好き」を綴っています。見えている世界がちょっと変わる、マニアの視点を覗いてみませんか。 【#おうちで本気出す】 外出自粛による巣ごもりで、生活の中に変化が起こりにくい日々が続いています。そんなときでも、今まで知らなかった「ちょっとニッチ」な世界に出会うことで、新鮮な気持ちになれるかもしれません。withnewsでは家の中で楽しめる事柄の奥深さ、その道を究める「マニア」な人たちの情熱を伝えていきます。 #おうちで本気出す をツイートする 200社以上、明太子に魅了されたマニアの「究極のおうちレシピ」 1/9枚 withnews