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ネットの話題

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2メートル離れて読むと「粋な文字」2年目社員が発案、岐阜新聞広告

「離れているからこそ、見えるものもある」

話題となっている「Stay Home with newspaper」の広告の一部
話題となっている「Stay Home with newspaper」の広告の一部 出典: 岐阜新聞提供

目次

近くで見ると水玉の不思議な模様、でも、離れて見るとメッセージが浮かび上がってくる――。新型コロナウイルスの感染を防ぐため、人と一定の距離を保つ「ソーシャル・ディスタンス」の大切さを伝える、岐阜新聞が掲載した広告がツイッターで話題となっています。きっかけは入社2年目の男性社員の提案。「パワーポイント」でデザインを試行錯誤していったという、広告制作の舞台裏について聞きました。

2m離れて見てみると……

話題となっているのは、5月6日の岐阜新聞朝刊に掲載された全面広告です。水玉模様の図形が並んでいるだけのように見えますが、そこに綴られている文章を読むと、その意図がわかります。

出典: 岐阜新聞提供
自分を守るため、
大切な人を守るため、
今は人との距離を保ちましょう!
またいつの日か、
いつもの距離を取り戻すために、
ソーシャル・ディスタンス。
2m以上離れて、
この紙面を見てください。
皆さんの想いが現れます。
一日でも早く平穏な日常が
取り戻せますように。
5月6日岐阜新聞朝刊の全面広告より
文章の通り、離れて紙面を見てみるとびっくり! さっきまで図形だと思っていた不思議な模様が、文字だったことがわかります。その文字をつないで読んでみると……。
わかりやすくするために小さく表示しています
わかりやすくするために小さく表示しています 出典: 岐阜新聞提供
こんな風になっています
こんな風になっています 出典: 紙面は岐阜新聞提供

「離れていても 心はひとつ」

なんと、素敵なメッセージが隠されていました。2mとされる「ソーシャル・ディスタンス」をとったことで、見えてくる「皆さんの想い」。紙面の下部には、「ソーシャル・ディスタンスを表現した紙面です。ステイホーム中の皆さんに楽しみを。」と記されています。
全面広告に掲載されたメッセージ
全面広告に掲載されたメッセージ 出典: 岐阜新聞提供
ツイッターでは、スマホの画面では「読める」ようになるまでに苦労する人たちも見受けられましたが、メッセージがわかると「感動した」「粋な広告」「企画力とデザイン力の高い新聞広告」「離れているからこそ、見えるものもある」と絶賛の声が相次いでいます。紙面を投稿したツイートには、30万件以上の「いいね」が集まるものもありました。

どのようにしたこの広告は生まれたのでしょうか。企画した、岐阜新聞の営業局に聞きました。

入社2年目の若手社員が提案

「この広告は、5月1日から紙面で展開してきた『Stay Home with newspaper』という企画をしめくくる、最後のメッセージなんです」

そう話すのは、岐阜新聞の営業局長・谷重耕平さんです。「Stay Home with newspaper」とは、外出自粛が続く読者に向けて「家で楽しめることを」と始まった企画で、6日まで毎日クロスワードや塗り絵などを紹介してきたといいます。

ゴールデンウィークの最終日、翌日からまた始まる社会生活に「ここまで外出自粛を続けてもらいましたが、改めてこの距離が必要なんですということを投げかけられればと思い、展開させていただきました」と谷重さんは話します。
「Stay Home with newspaper」企画を伝える紙面
「Stay Home with newspaper」企画を伝える紙面 出典: 岐阜新聞提供
この「離れることで読めるようになる」というデザインを提案したのは、営業局営業部所属の蜂谷優太さんです。蜂谷さんはなんと入社2年目。この仕掛けを使った看板から着想を得て、見よう見まねでデザインを作っていったそうです。

文字の輪郭を維持しながら、間近では読めないように余白を円でくり抜いていく作業。最終的には入稿用のデータにしているそうですが、「デザインの原案はパワーポイントで作成されています」と谷重さん。「手元にあるものだけを使って形にしていきました」と話します。
実際の紙面
実際の紙面 出典: 岐阜新聞提供
「離れていても 心はひとつ」というメッセージについては、「離れることは寂しいことですけど、思いをひとつにして今を我慢することで、明るい未来をつくることができる。そんな話をしていく中で、浮かび上がってきたものです」。

在宅勤務の中でも複数社が賛同

企画は、構想から2週間もしないうちに掲載につながったといいます。在宅勤務が続く中でも、この企画に賛同する複数の企業が集まり、企画特集面が実現しました。

スピーディーに企画が進んだことについて、谷重さんは「営業局内で提案から企画書、紙面作りなどができる体制ができている」と説明します。クライアントとの間をとりもつ広告会社ももちろん大切であるとしつつも、「こういった有事のときに動ける体制があるのは大きいと思っています」。

岐阜新聞が本社を置く岐阜県は4月10日、感染者が急増し、感染経路不明の事例も増えていることから、独自の「非常事態」を宣言。その直後も、発令を告げる目立つ黄色の広告を制作し、紙面をくるんで届けたといいます。現在岐阜県は、重点的な取り組みが必要な「特定警戒都道府県」に指定されています。
 
「非常事態」の宣言を伝える4月11日の朝刊
「非常事態」の宣言を伝える4月11日の朝刊 出典: 岐阜新聞提供
広告が話題になったことについて、「想像もしていなかった」と明かします。

「私たちが普段伝えられる範囲は岐阜だけで、県民の方に向けてとった手法が、より多くの方に拡散されているのは驚きです。新聞広告だからこそできた企画であり、これからも地元のメディアとして役目を果たしていこうという思いです」

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