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道ばたの「草花図鑑」巣ごもり生活の癒やしに 漫画家の投稿が話題

「何だか涙の数だけ強くなれる気も…」

一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」 出典: 一日一種さんのツイートより

目次

巣ごもり生活の気晴らしや運動不足解消に、家の周辺の散歩を取り入れている方もいると思います。そんなとき、道ばたの草花に目を向けてみませんか? 実は都市部でも、たくさんの草花が生えています。10円玉をピカピカにできる葉っぱや、見たことがあるけど名前を知らなかった花など、イラストでわかりやすく紹介する「身近な花図鑑」がツイッターで話題になっています。「子どもにも持たせたい」と保護者の声も集まる、図鑑の作者に聞きました。
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「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」

優しいタッチのイラストの「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」を描いたのは、「わいるどらいふっ! 身近な生きもの観察図鑑」の著者である漫画家・一日一種さん(@Wildlife_daily)です。

紹介されているのは「カラスノエンドウ」や「キュウリグサ」など、東京の都市部でも見られる野生の草花たち。それぞれによく似ている種類なども含め2枚の画像に20種以上、豆知識も盛りだくさんに紹介されています。
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」 出典:一日一種さんのツイートより
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」 出典:一日一種さんのツイートより

例えば、クローバーと似た「カタバミ」の葉で、10円玉をこするとテカテカに変身します。カタバミの葉に多く含まれるシュウ酸によって、10円玉の表面の酸化銅が溶かされ、きれいな表面が現れるのです。

10円玉がテカテカに!
10円玉がテカテカに! 出典:一日一種さんのツイートより
他にも、「タンポポ」によく似た「ノゲシ」や、「ハルジオン」と「ヒメジョオン」など、混同されやすい草花の違いも紹介されています。

ツイートには「子どもと散歩に行く時にとても助かる」「名前を知ってスッキリした」などの反響が寄せられたほか、1万回以上リツイートされ、いいねも2万件以上集まっています。

「何だか涙の数だけ強くなれる気も…」

もともと漫画などで、野生生物の魅力や観察の面白さを発信してきた作者の一日一種さん。ところが新型コロナウイルスの影響で、生き物観察のような遠出の外出がすすめられない状況となってしまいました。そん中でも、できることを考えたといいます。

「これまであまり家の周りを出歩かなかった人たちも、散歩やジョギングをされるようになっていてます。こういう時期でも、ほんの少しでも癒やしになるものがあればいいなと、身近な草花の図鑑をつくろうと思いました」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」 出典:一日一種さんのツイートより
一日一種さんによると、多少の地域の偏りはあるかもしれないものの、全国的にこの時期に見られ、目にとまりやすい花を厳選。3日間ほどかけて描き上げました。

「硬い話になりすぎないように、でもはしょりすぎないように、なるべく面白いと思えるような情報をピックアップしました」と話します。特に、情報を厳選するのには思いを巡らせたそうです。

「例えば、『カラスノエンドウ』によく似ていて、一回り小さい『スズメノエンドウ』は紹介しているのですが、その中間くらいの大きさで『カスマグサ』っていうのもあるんです。カラスとスズメの間だから『カスマ』。でも、全部描いているとキリがなくなってしまうので……」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」 出典:一日一種さんのツイートより
野生の草花の魅力については「アスファルトでも力強く生えている生命力」といい、図鑑でも「見ていると何だか涙の数だけ強くなれる気もします」と紹介しています。

一方で、「植物にとっては、都会の方が他の植物が入ってくる隙がなく、地面の栄養を自分のためだけに使えるので、意外と快適な環境かもしれない」とも話します。「実際のところはわからないですけど、そういった想像をかき立てるのも面白いところです」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」
一日一種さん(@Wildlife_daily)の「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」 出典:一日一種さんのツイートより

自宅の周辺を再発見するヒントに

図鑑がツイッターで拡散され、小さな子どもの保護者などからコメントが寄せられたことについて、「こんなにたくさんの反響が集まると思っていなかったのでありがたい限りです」。

開発事業が環境に与える影響を評価する「環境アセスメント」の仕事や、森林ガイドなどの経験からも植物の知識も得てきた一日一種さん。「私自身は東京育ちで、こういった仕事に携わっていなければ草花のことも知らなかったと思う」と話します。

「保護者の方の中でも、自然と触れ合う機会が少なかった方もいらっしゃると思うので、お子さんに教えるのにもしも役に立っていれば、これほどうれしいことはないです」
花図鑑はネットプリントでも印刷できる(5月9日まで)
花図鑑はネットプリントでも印刷できる(5月9日まで)
草花を探すポイントは、道路の隅っこの方だそう。電柱の根元や石垣の隙間、排水溝のフタの穴から飛び出ているのも、見たことがありますよね。一日一種さんは「ちょっとした隙間があれば、きっと見つけていただけると思います」。

「この花図鑑で紹介しているのはごくごく一部で、季節が変わればまた見られる草花も代わっていきます。いろんなものが実は身近でも見られるので、興味がわいたら調べながら目を向けていただければと思います」

「アスファルトに(も)咲く身近な花図鑑」は、セブンイレブンのネットプリントでも印刷することができます(コード:Y7CD934E、5月9日まで)。両面印刷するとリーフレットのように使うこともできます。

日本の野生生物の日々をゆるく解説、一日一種さんの漫画「わいるどらいふっ! 身近な生きもの観察図鑑」(山と渓谷社)

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