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ともに乗り越えよう!全国の高校球児へ、先輩達が送る動画のエール
つながったキャッチボールの先は…
ともに頑張ろう――。コロナウイルス感染拡大で先が見えない中、活動が制限されている高校球児へ向けて、甲子園で活躍した先輩球児たちが動画でメッセージを寄せてくれました。大学や社会人でプレーを続けたり社会に出て働いたり、それぞれの道へ進んだ先輩たちも、今できることに必死に取り組んでいます。
「見せよう、高校球児の底力。今しかできないことを全力で」。動画は近江(滋賀)で2018年春夏、19年夏と3度甲子園に出場した林優樹投手(西濃運輸)のメッセージで始まります。林投手が投げたボールを、次の選手が受けとり、メッセージとともにまた次の選手へ、次の選手へとつないでいくように、朝日新聞が動画を編集しました。
登場するのは14~19年に春や夏の甲子園に出場した23人と、中止になった今春の選抜大会で開会式の司会進行役を務める予定だった才川陽妃さん(18)。皆さん、動画の「自撮り」を快諾し、送ってくださいました。
大学や社会人でプレーを続ける選手たちも今はチームでの活動を自粛しているところがほとんどです。
2018年に大阪桐蔭の2番・右翼手として春夏連覇を果たした青地斗舞選手は現在、同志社大野球部の2年生。同大は部活停止中のため、青地選手は大阪府富田林市の実家に帰省し、この春から龍谷大へ進む弟の七斗さんと近くの公園などで体を動かす日々です。
「早く野球がしたいですけど、今、打撃フォームをもう一度考えているので、この期間を有効活用したい」と言います。動画で球児へ向けて言った「今だからこそできることを考えて、頑張ろう」という言葉は、青地選手自身にもあてはまるそうです。
龍谷大平安(京都)の主将として14年選抜で優勝した河合泰聖さんは大学までで硬式野球を終え、この春からは大阪市内で会社員として働いています。
入社早々にテレワークになるなど、慣れない環境での仕事が続いているそうですが、「高校球児の皆さんは、今の歯がゆい気持ちを夏にぶつけられるように。一緒に頑張りましょう」と話してくれました。
全国の球児が目標としている夏の大会が開催できるかどうかは、まだ分からない状況です。先輩たちは皆、「なんとか夏だけはやらせてあげたい」と自分のことのように思ってくれています。今は祈りながら、やるべきことをやるしかありません。
メッセージを送ってくれた先輩たちは以下の通りです。(敬称略)
・林優樹(西濃運輸)近江の(滋賀)のエースとして3度甲子園出場
・福井章吾(慶応大)大阪桐蔭の主将、捕手として17年選抜優勝
・竹谷理央(近畿大)星稜(石川)の主将として18年春夏連続甲子園出場
・岡沢智基(大阪商業大)智弁学園の主将、捕手として16年選抜優勝
・定本拓真(関西大)三重の主将、投手として18年選抜4強
・中村誠(日本製鉄かずさマジック)大阪桐蔭の主将、1番打者として14年夏全国制覇
・若林将平(慶応大)履正社(大阪)の主将、4番打者として17年選抜準優勝
・野口海音(大阪ガス)履正社の主将、捕手として19年夏全国制覇
・太刀岡蓮(米国留学中)花咲徳栄(埼玉)の1番打者として17年夏全国制覇
・丸山和郁(明治大)前橋育英の1番打者。17年U18日本代表
・入江大生(明治大)作新学院(栃木)の3番打者として16年夏全国制覇
・三浦銀二(法政大)福岡大大濠のエース。17年U18日本代表
・奈良間大己(立正大)常葉大菊川(静岡)の1番打者。18年U18日本代表
・大友朝陽(ゴールデンリバース)金足農の5番打者として18年夏準優勝
・河合泰聖(会社員)龍谷大平安(京都)の主将、4番打者として14年選抜優勝
・青地斗舞(同志社大)大阪桐蔭の2番打者として18年の甲子園春夏連覇
・広部就平(中部学院大)秀岳館(熊本)で16年春から3季連続甲子園4強
・福永奨(国学院大)横浜の捕手として16、17年夏の甲子園出場
・谷合悠斗(三菱重工神戸・高砂)明徳義塾(高知)の主軸として4度甲子園出場
・増居翔太(慶応大)彦根東(滋賀)のエースとして2度の甲子園出場
・鈴木昭汰(法政大)常総学院(茨城)のエースとして16年夏の甲子園8強
・田中誠也(大阪ガス)大阪桐蔭の投手として14年夏全国制覇、15年選抜4強
・坂下翔馬(近畿大)智弁学園(奈良)の主将で、19年U18日本代表でも主将
・才川陽妃 佐賀清和高出身。19年全国高校放送コンクール朗読部門で優勝
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