連載
#32 #やさしい日本語
「給料を払ってください」バイト激減の留学生でも使える支援制度
家賃を国が払ってくれる制度があります
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こんにちは。
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【機械翻訳用】ふりがな なし
◆「給料を払ってください」バイト激減の留学生でも使える支援制度
こんにちは。NPO法人POSSEの岩橋誠です。今日は、アルバイトがなくなって、学費が払えない留学生の相談です。
【カンボジア人、男性】
こんにちは。私は日本語学校の留学生です。東京のファミリーレストランでアルバイトをしています。いつもは、1週間に25時間くらい働いています。1カ月に12万円くらいもらっています。でも、3月からお客さんが減りました。シフトを減らされて、1週間に10時間くらいになりました。4月に、政府が緊急事態宣言を出した次の日から、お店は閉まりました。店長は「5月になったら、お店はまた営業すると思います」と言いました。でも、休みの間の給料を払うかどうかは、教えてくれません。 学費を毎月5万円、家賃を毎月4万円払わないといけません。貯金もありません。カンボジアの家族もコロナウイルスで困っています。どうすればいいですか。
■「給料を払ってください」
緊急事態宣言が出てから、お店が休みになったので、仕事がなくなりました、という相談が増えています。レストランや居酒屋、カフェなどでアルバイトしている留学生も、困っています。 仕事が休みになっても、会社はあなたに給料を払わないといけません。これは法律で決まっていて、休業手当といいます(労働基準法26条)。会社はあなたに、少なくても給料の60パーセント(%)を、払わないといけません。 留学生もアルバイトも、みんな、休業手当をもらうことができます。外国人ももらうことができます。
でも、あなたは60パーセントではお金が足りないと思います。そのときは、「給料を100パーセント払ってください」と会社に求めることができます。もともと、給料を100パーセント払うことがあなたと会社との約束(契約)になっていたからです。
会社は「日本のルールでは払うことができません。」とうそを付くかもしれません。そのときは、POSSEに相談してください。
■「家賃を払うことができません」 まずは、大家さん(不動産屋さん)に「いまは払うことができません。少し待ってください」とお願いしてみましょう。すぐに無理やり、あなたを家から追い出すことはできません。
家賃を払うことができないときは、「住居確保給付金」という制度を使うことができます。 住居確保給付金は、仕事がなくなったり、給料が減ったりして、家賃を払うことができない人に、国が代わりに家賃を払うという制度です。普通は3カ月の間ですが、9カ月まで払ってもらえるかもしれません。 外国人も使うことができます。学生も自分でお金を稼いで生活している人は、もらうことができる場合もあります。
これまでは仕事をやめた人しかもらえませんでした。でも、4月20日に制度が変わったので、仕事が休みになった人でも使うことができるようになりました。住居確保給付金をもらうには、仕事を紹介するための国の施設「ハローワーク」に登録して、新しい仕事を探します。自分はもらうことができるかどうか、住んでいる町の「自立相談支援機関」に相談します。場所が分からないときは役所に聞いてください。 外国人も、自分で稼いだお金で暮らしている学生も、住居確保給付金を使うことができます。
■「いますぐお金がほしいです」
いま現金が必要な人は、「社会福祉協議会」で、お金を借りることができます。1回20万円まで借りることができます(緊急小口資金)。申し込みをして、1週間くらいで借りることができます。 外国人も借りることができます。
でも、最近、たくさんの人がお金を借りるために、社会福祉協議会の事務所に来ています。いまお金が必要なのに、窓口で「また6月に来てください」と言われた人もいます。そのときは、POSSEに相談してください。POSSEや支援団体のスタッフと窓口に行ったら、すぐに手続きできた、ということがありました。
■「学費が払えません」
学費を払うことができないときは、まず学校に「いまは払うことができません」と言います。学校によっては、払うことを待ってくれる場合があります。また、専門学校や大学に通う永住者、定住者などであれば、は、日本学生支援機構(JASSO)からお金を借りることができるかもしれません。 もし困ったら、POSSEに相談してください。あなたのために、私たちも考えます。
■ 働けず、失業給付も生活保護も受けられない留学生
いま日本にいる多くの留学生が窮地に追いやられています。ほとんどの留学生は、年間60万円から100万円にもなる学費を支払うため、そして家賃や生活費を支払うためにアルバイトをしています。しかし、彼らが働くレストランやカフェ、居酒屋などは緊急事態宣言によりほとんどが休業し、また、ドラッグストアやスーパーなども営業時間を短縮したことによって、留学生がシフトに入ることができる時間が減らされています。 しかし、留学生は「学生」であるため雇用保険に加入できず、失業給付を受けることができません。また、生活保護も対象外となっています。
そうなれば、仕事がなくなった留学生は、生きていく術がありません。また学費を払えずに学校を除籍となれば、日本に居続けること自体が困難になってしまいます。 留学生は、50万円から100万円ほどの費用を負担して、来日しています。中には家族から借金をして、来日費用を賄っている人もいます。コロナウイルスの影響を母国にいる家族も受けている場合が多く、帰ろうにも帰ることができない人もたくさんいます。 会社が法律で定められている給料を払わなければ、多くの外国人留学生が路頭に迷うことになります。人手不足のコンビニや飲食店で、留学生アルバイトが支えている状況を、これまで見てきました。コロナウイルスによる危機を踏まえて、今後、留学生も安心して日本で生活できるような仕組みを整えていくことが必要ではないでしょうか。
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