連載
#29 #やさしい日本語
「オーバーシュート」日本で暮らす外国人も「意味がわからん」
「外来語」ではないんですか?
Japan - the only place in the world using the English phrase “over-shoot”. What does it mean?
— Rupert Wingfield - H (@wingcommander1) April 5, 2020
#新型コロナクラスター対策用語定義
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) April 3, 2020
『オーバーシュート』とはー
爆発的な感染者の増加のことをいいます。2〜3日で累積感染者数が倍増するようなスピードの感染者数の増加が継続的に続く状態をいいます。
このような状況では、外出や移動の制限など速やかな対策が必要になります。
クラスター 集団感染
— 河野太郎 (@konotarogomame) March 21, 2020
オーバーシュート 感染爆発
ロックダウン 都市封鎖
ではダメなのか。なんでカタカナ?
この「やさしい
【機械翻訳用】ふりがな なし
◆「オーバーシュート」日本で暮らす外国人も「意味がわからん」
辞書には載っていない日本語、日本語学校では習わない日本語があります。最近は、新型コロナウイルスのニュースでもよく難しい言葉を聞きます。「ロックダウン」「クラスター」……実は日本人でも、なかなか分かりません。「オーバーシュート」は日本以外で聞いたことがないという人もいます。日本語にまだ慣れていない人にも、誰にでも分かりやすい「やさしい日本語」で考えます。
■きょうのことば
【オーバーシュート】…… 感染した人(ウイルスにうつった人)が、急にとても増えることです。感染した人を合わせた数が、2~3日の間に、2倍に増えることが続いたら使います。
■SNS上で「日本でしか使わない言葉」
オーバーシュートは、英語で書くとOver Shootです。日本人は「外国から来た言葉(外来語)なんだろう」と思っています。 でも、日本で暮らしている外国人の中には「意味が分からない」と思う人が多いです。それで、SNSでよく問題になっています。 外国のメディア(新聞、雑誌、テレビなど)も、〈「オーバーシュート」ということばを使っているのは日本だけだけど、このことばはどういう意味なのか〉と言っています。
「オーバーシュート」は金融のことばで、他の国では「ウイルスにうつる人が増える」という言葉では使っていません、と書いている報道もあります。
■専門のことば
日本の「オーバーシュート」は、政府で新型コロナとどのように戦うかを考える、専門家が使っています。 専門家たちは4月3日に、ツイッターのアカウントを作りました。この中で、専門家の会議や自治体で使う、「専門用語」を分かりやすく説明しています。
「オーバーシュート」はウイルスがうつった人が急にとてもたくさん増えることです。2~3日でそれまでにウイルスがうつった人の数が2倍になったら、「オーバーシュート」です。 (爆発的な感染者の増加のことをいいます。2〜3日で累積感染者数が倍増するようなスピードの感染者数の増加が継続的に続く状態をいいます。)
「オーバーシュート」になったら、すぐに、政府などが、住んでいる人に「外に出てはいけません」と言ったり、人が動かないようにしたりしなければなりません。
(このような状況では、外出や移動の制限など速やかな対策が必要になります。)
■日本人にとっても難しい
日本のカタカナ言葉(和製英語) は、日本人にとっても「専門用語」は難しいです。 河野太郎防衛大臣は「オーバーシュート」を「感染爆発」など、分かりやすい言葉にした方が良いとツイートしました。その方が良いと思っている人も多く、24万いいねがつきました。
朝日新聞でも記事の中で、「オーバーシュート」ということばを使うとき、「爆発的な患者の増加」(ウイルスがうつった人の数が急にとても増えること)と言い換えて説明しています。 長いことばになりますが、「感染爆発」と書くと少し怖い感じがします。本当の意味が伝わりやすいようにしています。
カタカナの言葉を使うと、意味があまり分からないので、ショックを受ける人が少なくなるからよいという人もいます。「意味が分からないともっと不安になる」という人もいます。 みんなが意味が分かる「やさしい日本語」にして、不安になる人が減るといいなと思います。
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