連載
#26 #やさしい日本語
「仕事はありません」と言われたら やさしい日本語でわかる労働法
あきらめないでください
新型コロナウイルス(coronavirus)のせいで、仕事にも影響が出ています。日本で働く外国人の中には、違法に仕事を減らされたり、クビになったりという相談が増えています。日本人にとっても他人事ではない「内定取り消し」や「雇い止め」……。いざというとき、どうしたらいいのか、若者や外国人の労働相談に乗るNPO「POSSE」と一緒に、誰にでもわかりやすいやさしい日本語で考えていきます。
これまでは1
いつもは、
でも、
POSSE外国人労働サポートセンターには、新型コロナウィルスに関連する労働相談が外国人の方からすでに100件ちかく寄せられています。会社の都合で一方的にシフトが減らされる「シフトカット」に関する相談や、「お客さんが減った」と解雇されてしまったという事案が多く、その結果、ほとんどの人が生活困窮に陥っています。
もともと、最低賃金とほとんど変わらない給料しか受け取っていない外国人労働者は貯蓄することも大変で、少し仕事が減っただけで、すぐに生活苦に陥りやすい状況に置かれています。
「会社を訴えれば余計にお金がかかる」「先行き不安な会社より、別の仕事を探した方が良い」という声もありますが、いまのようにほとんどの経済活動が制限されている場合、代わりを見つけようとしても、なかなか見つけることはできません。その上、宿泊や観光を含めて、インバウンド関係の仕事に就いている外国人が多く、現状では、日本人以上に観光客の減少の影響を受けているのです。
もちろん、このような業界で働く日本人労働者も休業や解雇を命じられて、生活に困窮し、不安定な状況に置かれています。POSSEでは、国籍などを問わず、労働相談を受け付けていますので、そのような状況に置かれているかたは、ぜひご相談ください。
しかし、職場の問題に直面している外国人労働者の多くにとって、言葉の壁や日本の法律や制度について知識がないことなどから、相談すること自体のハードルが日本人以上に高くなってしまっています。ですので、もしまわりに「働き方がおかしい」という外国人の方がいたら、代わりに相談してみてください。状況に応じたアドバイスを差し上げられます。
【機械翻訳用】ふりがな なし
◆「今日の仕事はありません」と言われたら やさしい日本語でわかる労働法
新型コロナウイルス(coronavirus)のせいで、仕事にも影響が出ています。日本で働く外国人の中には、違法に仕事を減らされたり、クビになったりという相談が増えています。日本人にとっても他人事ではない「内定取り消し」や「雇い止め」……。いざというとき、どうしたらいいのか、若者や外国人の労働相談に乗るNPO「POSSE」と一緒に、誰にでもわかりやすいやさしい日本語で考えていきます。
■「仕事を半分にします」と言われました
こんにちは。NPO法人POSSEの岩橋誠です。POSSEで、日本で働く外国人の相談にのっています。3月は新型コロナウィルスについて、たくさんの相談がありました。今日は、「お客さんが減ったから、今日の仕事はありません」と言われたときに、あなたがどうすればいいかを一緒に考えます。
悩み:店長から「仕事を半分にします」と言われました 〈私は留学生です。日本語学校で勉強をしています。日本で生活するお金と、学費を払うために、居酒屋でアルバイトをしています。これまでは1週間に4日、合わせて20時間働いていて、2万円もらいました。 いつもは、外国人のお客さんがたくさん来ます。でも、新型コロナウイルスのせいで、お客さんがとても減りました。 昨日、店長から「シフトは1週間に2日(合わせて10時間、給料は1万円)にします」と言われました。でも給料は半分になってしまいます。アパートの家賃や日本語学校の学費を払うことができません。私はどうしたらいいですか〉
■仕事がなくてもお金をもらうことができます
POSSEには、同じような相談がたくさんきています。特に、ホテルや旅館など、外国のお客さんが多い場所で働く人が困っています。でも、諦めないでください。 もし会社が「あなたの仕事はなくなりました(休んでください)」と言うと、会社はそれでもあなたに、その仕事をしたときに受け取る給料をきちんと払わないといけません。 なぜなら、会社はあなたとの約束(雇用契約)で、1週間に4日の仕事を約束したからです。会社があなたとの約束を守らずに「休んでください」と言ったのだから、あなたには、もともと約束していた4日分の給料(2万円)を払わないといけません。 これは正社員でも、非正社員でも同じです。
ちなみに、日本の法律では、会社が「休んでください」と言うと、給料の60パーセントを支払うことが決まっています。これは、休業手当と言います(労働基準法26条)。 だから会社は給料の60%を払わないと、違法になります。でも、給料を60%もらえるとしても、あなたは生活できないかもしれません。そういうとき、あなたは会社に「給料を全部(100%)払ってください」と求めることができます。あなたは、会社があなたとした約束(契約)を守ってください、と求めることができるからです。
新型コロナウィルスのせいで、お客さんが減っているかもしれません。でも、会社が仕事(シフト)を無理やり減らすことは許されません。それは、働く人が外国人でも日本人でも同じです。
■LINEのメッセージは消してはいけません
では、会社に給料をきちんと払ってもらうためには、どうすればいいでしょうか。 あなたは会社があなたの仕事を減らしたということが分かるもの(証拠)を残すことが大切です。あなたがもともと週4日働いていたときの、「シフト表」を残してください。もし、「シフト表」がない人は、いつも、1週間に何日働いているかをメモしてください。会社があなたに「今日はお休みです」と言ったLINEのメッセージなどは消さないでください。 あなたが一人で、店長に「給料を払ってください」と言うのは、不安だと思います。そういうときは、私たちに相談してください。給料を払ってもらうために、あなたをサポートします。会社に送る手紙を一緒に作ります。
〈NPO法人「POSSE(ポッセ)」はメールで相談できます。 日本語、英語でも大丈夫です。24時間いつでもできます。お金はいりません。supportcenter@npoposse.jp〉
■「働き方がおかしい?」代わりに相談して
POSSE外国人労働サポートセンターには、新型コロナウィルスに関連する労働相談が外国人の方からすでに100件ちかく寄せられています。会社の都合で一方的にシフトが減らされる「シフトカット」に関する相談や、「お客さんが減った」と解雇されてしまったという事案が多く、その結果、ほとんどの人が生活困窮に陥っています。 もともと、最低賃金とほとんど変わらない給料しか受け取っていない外国人労働者は貯蓄することも大変で、少し仕事が減っただけで、すぐに生活苦に陥りやすい状況に置かれています。
「会社を訴えれば余計にお金がかかる」「先行き不安な会社より、別の仕事を探した方が良い」という声もありますが、いまのようにほとんどの経済活動が制限されている場合、代わりを見つけようとしても、なかなか見つけることはできません。その上、宿泊や観光を含めて、インバウンド関係の仕事に就いている外国人が多く、現状では、日本人以上に観光客の減少の影響を受けているのです。 もちろん、このような業界で働く日本人労働者も休業や解雇を命じられて、生活に困窮し、不安定な状況に置かれています。POSSEでは、国籍などを問わず、労働相談を受け付けていますので、そのような状況に置かれているかたは、ぜひご相談ください。
しかし、職場の問題に直面している外国人労働者の多くにとって、言葉の壁や日本の法律や制度について知識がないことなどから、相談すること自体のハードルが日本人以上に高くなってしまっています。ですので、もしまわりに「働き方がおかしい」という外国人の方がいたら、代わりに相談してみてください。状況に応じたアドバイスを差し上げられます。
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