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武漢を支援した医療隊員に「英雄カード」 火鍋協会の「特典」が話題

四川省火鍋協会が医療チームのメンバーに特典付き「英雄カード」を送った現場のシーン
四川省火鍋協会が医療チームのメンバーに特典付き「英雄カード」を送った現場のシーン 出典: 四川省火鍋協会提供

目次

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るうなか、最初の発生地の中国・武漢は落ち着きを取り戻しつつあります。その武漢を支援した四川省の医療チームが任務を終えて故郷へ戻ると、うれしい「贈り物」が待っていました。地元の火鍋協会が医療チームの隊員に、今年いっぱい火鍋が無料となる特典の「英雄カード」をプレゼントしたのです。英雄カードは、たちまちSNSで話題に。「はじめて『火鍋協会』を知りました」「感動かつ羨ましいよだれをたらした」「さすが四川省だ。羨ましい」などのコメントがあふれました。

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2020年いっぱいまでに無料で火鍋が食べられる「英雄カード」
2020年いっぱいまでに無料で火鍋が食べられる「英雄カード」 出典: 四川省火鍋協会提供

医療チームへ感謝の気持ちがいっぱい

3月27日、中国版ツイッターの微博において「四川請援鄂医護免費吃一年火鍋」(「湖北省を支援した四川省医療隊隊員、1年間無料火鍋食べ放題」)のニュースがハッシュタグ付きで、ホットな話題にランクインしました。

人民日報の報道によると、四川省火鍋協会が医療チームのメンバーに、2020年12月31日まで無料で火鍋が食べられる「戦疫英雄カード」(疫病と闘った英雄カード)を手渡したそうです。メンバー本人がカードを持参すると、火鍋協会に加盟した四川省内の120のブランド・400軒近くの火鍋店で使えるそうです。

四川省火鍋協会が医療チームのメンバーに「英雄カード」を送った現場のシーン
四川省火鍋協会が医療チームのメンバーに「英雄カード」を送った現場のシーン 出典: 四川省火鍋協会提供

カードを受け取った医療隊員は「サポートしていただき、ありがとうございます。武漢から戻ったので、今後も頑張って仕事をしていきたいと思います…」と感謝の言葉を述べました。

このニュースは、数時間も経たないうちに、1.1億を超えるビューと7400を超えるコメントがありました(その後2億ビューを超え、コメントも2万件に達しました)

「感動的なよだれを垂らしました」
「うれしい涙が口から流れました」
「火鍋協会もあるんだ」
「マジか、これはいいですね」
「医療関係者、お疲れ様!頑張ったもんね!」
「いいですね。火鍋協会ははじめて聞きました」
「微博を見ながら、お腹が空いてきたわ」
「さすが四川省だ。羨ましい」
「ほかの省もなにかありません?」

武漢市地元の関係者とハグしてさようならする江蘇省の医療チームのメンバー=2010年3月19日、武漢、中国
武漢市地元の関係者とハグしてさようならする江蘇省の医療チームのメンバー=2010年3月19日、武漢、中国 出典:ロイター

武漢へ駆けつけた救援医療チーム

2020年1月、武漢で新型コロナウイルスの感染が拡大し、医療現場が危機的な状況にありました。1月23日に街は封鎖。その後、中国各地の医療隊が武漢を支援するために湖北省へ向かいました。

当時、武漢は新型コロナウイルスの震源地で、毎日千人規模の感染が確認されました。武漢市が所在する湖北省において、ほかの都市も緊急事態に陥りました。

ほかの省にも感染例が出始めていましたが、中国政府は、四川大地震の時の対策に準じて、「震源地」の武漢市を除いて、ほかの16の都市を基本的一つの省が一つの市を支援する形を取りました。

「一つの省が一つの都市を支援する」政策
「一つの省が一つの都市を支援する」政策 出典:湖北省政府オフィシャルサイト

湖北省政府のオフィシャルサイトによると、合わせて19の省が武漢以外の省内の都市を応援しました。「一つの省が一つの都市を支援する」わけですが、例外もあります。たとえば「重慶市と黒竜江省」がともに孝感市を支援し、「広東省と海南省」がともに荊州市を支援しました。また山西省が一つの省で、仙桃、天門と潜江という三つの都市を支援していたのです。

そして感染が最も深刻だった武漢市は、多くの省が集中的に医療支援をしました。四川省は、1600名近くの医者と看護師などの医療関係者を派遣しました。

新型コロナウイルスに感染した赤ちゃんの世話をする医療隊員=2020年3月10日、武漢、湖北省、中国
新型コロナウイルスに感染した赤ちゃんの世話をする医療隊員=2020年3月10日、武漢、湖北省、中国 出典:ロイター

火鍋協会「救助の姿に感動」

火鍋料理が最も発達している四川省では、四川人は「毎週火鍋を食べる」と言われています。

四川省火鍋協会の副会長の厳龍(イエン・ロン)氏が、医療隊員に火鍋を無料提供する経緯を語りました。

「テレビで医療隊員が命がけで人命を救助する姿を見て、そしてゴーグルを外した時に顔が圧迫された痕などを見ると、本当に感動しました」

2月は、武漢の最前線で奮闘し、そしてふるさとの味が懐かしくなった医療隊員のために、チルドの火鍋材料を含む地元グルメのギフトパッケージを1250個贈りました。

「人命救助だけでなく、感染状況を抑えることは、経済を救い、われわれの業界を救うことを意味します。感謝を表すために、火鍋を無料で提供することを思いつきました」

厳副会長が中国版LINEの微信(WeChat)にて、火鍋業界の関係者に、火鍋の協賛を呼びかけたところ、その日のうちに、60以上のブランドの責任者が賛同しました。同意した店舗は、最初の200軒ぐらいから400軒近くに増えました。

厳副会長によると、武漢を支援した医療隊員だけでなく、イタリアなど海外を支援する医療隊員も同じ待遇にするそうです。協会が用意したカードは1700枚にのぼります。カードの表にあるマスクも、一人一人の隊員の名前で組み合わせたものです。1回目で418枚を配り、順次医療隊員に渡す予定だそうです。

四川省の火鍋
四川省の火鍋 出典: 四川省火鍋協会提供

平穏な日々のために

最近、武漢では新たな感染者がゼロに近い状態が続き、4月8日の「封鎖解除」に向け都市機能の回復が進んでいます。

それは、中国全国で4.2万人を超える医療隊員が武漢そして湖北省を支援した結果でもあると思われます。

現在、多くの支援医療チームが各省に戻り、医療隊員も一般の人々も落ち着きを取り戻しつつあります。四川の火鍋店も徐々に営業を再開しています。「平穏な日々こそ幸せ」。ウイルスが早く収まり、普通な生活を取り戻したい思いは、日に日に強くなっています…

2020年の春節を祝うイベントに出席したパンダの赤ちゃんたち=2020年1月17日、臥竜パンダ保護区、四川省
2020年の春節を祝うイベントに出席したパンダの赤ちゃんたち=2020年1月17日、臥竜パンダ保護区、四川省 出典: ロイター

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