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コロナウイルス、中国宛て国際郵便「ストップ」にSNSで悲鳴相次ぐ

日本郵便の中国向けチャーター機。入国制限でチャーター機の確保も難しくなった=2020年2月15日、成田空港
日本郵便の中国向けチャーター機。入国制限でチャーター機の確保も難しくなった=2020年2月15日、成田空港 出典: 朝日新聞社

目次

コロナウイルスの封じ込めに世界中が取り組む中、日本郵便は、日本から中国宛ての国際郵便の引き受けを一部を除き、一時停止すると発表しました。さっそく、中国のSNSでは「日本郵政」という単語が話題になりました。「息子の粉ミルクをどうしよう」「わたしの服、化粧品……涙」。国際郵便のストップは、中国人が普段使っているネットサービスにも影響しています。

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郵便局に置かれている郵便箱=2015年10月2日、東京
郵便局に置かれている郵便箱=2015年10月2日、東京 出典:ロイター

本当かどうか疑問視も

3月12日、中国版ツイッターの微博で話題になっているランキングに「日本郵政」が入りました。

「中国宛て国際郵便物のお引受けを一時停止」という文書のPDFファイルを、「郵送したいものがあれば、今日のうち」というコメントつきで投稿しました。

投稿したアカウントのフォロワー数は230人程度だったため、本当の話かどうか疑問視する声もありましたが、「日本郵政」は瞬時に話題の言葉となり、約800万ビューを集めました。

郵便箱から郵便物を取り出す職員=2015年10月2日、東京
郵便箱から郵便物を取り出す職員=2015年10月2日、東京 出典:ロイター

「まさか明日からなんて」

当初は、日本郵政の公式サイトで発表がなかったため、SNS上で真剣に受け止める人はそれほど多くはありませんでした。

「HPを確認したが、出ていない」

「さきほど郵便局に聞きましたよ。郵便局の人も知らないと答えました」

「大幅な遅延はすでに発生していますので、停止する可能性はあると郵便局の人も言いました。でもまさか明日からなんてね」

日本郵便の宅配便配達員。閑散期でも1日に配る量は72個=2019年3月7日、大阪市東住吉区、細川卓撮影
日本郵便の宅配便配達員。閑散期でも1日に配る量は72個=2019年3月7日、大阪市東住吉区、細川卓撮影
出典: 朝日新聞社

日本郵便「本当です」

浙江省出身で家族が中国にいる筆者にとっても、国際郵便が使えなくなることは、ショックな出来事です。

真偽を確かめるため日本郵便に取材をしたところ、「『中国宛て国際郵便物の一時引受停止』は本当です」。

日本郵便によると、引き受けを停止するのは、小包や国際スピード郵便(EMS)などです。背景には、航空機などを使った物流が制限されている状況があるようです。

「3月9日以降、中国から日本への入国制限及び、航空機発着に係る制限などに伴い輸送量が大幅に減少したことから、中国宛て国際郵便物の発送のめどが立たない状況になっています」

一部、引き受ける郵便物があるものの、国際郵便がなくなることは母国との接点が失われる感覚に「まさか……」という気持ちになりました。

出典: 朝日新聞社

気になる越境ECサイトの商品

中国の人たちが心配するのは越境ECサイト「海淘」(ハイタオ)で購入した品物が届かなくなることです。

「海淘」はネットを介して頼んだバイヤーに日本の商品を購入してもらい、それを中国に宅配するサービスです。化粧品だけでなく、粉ミルクなど日常品を買う人も少なくありません。

料金などの面から、多くのバイヤーは日本郵便を使っています。国際郵便サービスが止まると、「海淘」での買い物ができるなくなるほか、すでに買ったものが自分の手元に届くのかわからなくなる恐れがあります。

「私の息子の粉ミルクをどうしよう」
「泣きたいです。先週注文したばかりです……」
「わたしの服、化粧品……涙」
「1ヶ月以上前にマスクを買いましたが、まだ届いていません」

また、日本郵便のオフィシャルサイトで情報が公開される前、「デマ」と指摘する声がたくさんありました。その後、「デマ」意見に対して下記のコメントがありました。

「みんなデマと言っていますが、私もデマであってほしい…」

中国最大級のECサイト「淘宝」の物流センター=2015年10月、蘇州、中国
中国最大級のECサイト「淘宝」の物流センター=2015年10月、蘇州、中国 出典:ロイター

「一緒にがんばろう」

地元の郵便局へ確認しにいった在日の華人も少なくありません。

「先ほど郵便局に行って、確認しました。明日から中国への郵便物の引受は、(一部を除き)ストップするそうです。今日送っても、必ず送れるわけではない……」

「中国国内へ発送できない場合は、また返送されてしまいますね」

多くの華人が住む日本。「郵便ストップ」という事態を深刻にとらえる状況からは、それだけ両国の結びつきが強かった側面が見えてきます。

SNSでは、「困難があっても暫定的なもので、必ず乗り越えられる」「理解する」「一緒にがんばろう」という意見も寄せらていました。

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