連載
#22 #やさしい日本語
「除湿は何色?」ベトナム人も驚いた日本の夏 「壁が黒くなる」
「じめじめ」も分かりにくい言葉ですね
この「やさしい
【機械翻訳用】ふりがな なし
◆「除湿は何色?」ベトナム人も驚いた日本の夏 「壁が黒くなる」
よく使われているのに、辞書には載っていないことば。日本に来た外国人が「よくわからない」「変だな」と感じることばを、やさしい日本語で分かりやすくしたら、今の日本も見えてくるかもしれません。ベトナム出身のファンさんは佐賀県で初めて過ごした去年の夏、エアコンを使う時に変だなと思いました。「除湿は何色ですか?」。
■きょうのことば
「除湿」……空気の中にある水の割合=湿度(英語は「humidity」)を低くすることです。湿度が高いと、暑く感じます。「じめじめする」と言います。梅雨の時は「除湿」で気持ち良く過ごすことができます。
【佐賀県で働くベトナム人ファンさんの驚き】
ファンさんは2019年8月から、佐賀で働いています。その月に佐賀では大雨が降り、人も亡くなりました。
――大変な被害でした。驚きましたよね。
ベトナムでは大雨ですぐ川があふれるので、私は慣れています。「日本でも川があふれる(洪水になる)のか」と思いました。でも驚いたのは、日本は川があふれたときも水がきれいだったことです。
――え?
ベトナムでは、川からあふれた水の中に、ゴミやゴキブリが浮いていますから。
――……
私が佐賀で一番困ったのは湿気です。「じめじめしている」って言いますよね。 私の住んでいる部屋は壁が黒くなってきました。私は「カビだ!」と気づいて、驚きました。壁を拭いたけど、臭いがひどくて……。
――日本の夏は湿度が80%になることもあります。「じめじめ」しているので、何もしないとカビが生えますよね。
ベトナムでは、壁にカビが生えるのを見たことがありませんでした。どうしたら良いか分かりませんでした。まわりの人に聞いたら、「湿気取り」というものがあることがわかりました。
――除湿剤のことですね
それを部屋に6~7個置きました。1~2週間で、除湿剤の中が水でいっぱいになるので、取り換えなければなりません。
――それは大変ですね。エアコンに「除湿」のボタンがついていませんか?
たぶん、ついていなかったと思います。 「暖房」は赤いボタン、「冷房」は青いボタン。除湿は何色ですか?
――色で説明するのは難しいですね。
今年の夏も湿気取りをたくさん買うつもりです。日本に住んでいる人は、じめじめするときにどうしているのでしょうか?
【エアコンを作る会社「ダイキン工業」の話】
日本の夏は、世界の中でも「暑い」です。
ダイキン工業で、東京に住む外国人100人に調査したら、88人が「自分の国より東京の方が暑い」と答えました(2014年)。暑い地域から来た人にも、そう感じる人がいました。 外国人が日本の夏は暑いと感じる理由は日本の湿度の高さです。湿度が高いほど、暑さを感じるようになります。
だから、日本では湿度も調整することができるエアコンを作る技術が進みました。 エアコンの「除湿」は、エアコンの中で空気を冷やして、空気中にある水分を取りだします。そのままだと温度が下がり過ぎてしまうので、日本のエアコンは温度を調整することもできます。
除湿のボタンの色はダイキンでは「緑色」が多いです。 除湿をするときは、除湿剤を使うこともできます。クローゼットや下駄箱など、エアコンを使って除湿をすることが難しいので、除湿剤を使っても良いと思います。 広い部屋は、エアコンや除湿機など、機械で除湿します。
もし「除湿」のボタンがエアコンになかったら、「冷房」にして湿度を下げることもできます。 ベトナムで売っているエアコンのボタンには、COOLとDRYがありますね。暖房はありません。地域によって、エアコンも変わります。
1/14枚