MENU CLOSE

連載

#22 #やさしい日本語

「除湿は何色?」ベトナム人も驚いた日本の夏 「壁が黒くなる」

「じめじめ」も分かりにくい言葉ですね

「日本ではどうしているのですか?」(写真はイメージ=PIXTA)
「日本ではどうしているのですか?」(写真はイメージ=PIXTA)

日本語(にほんご)にまだ()れていない(ひと)のために、()かりやすい「やさしい日本語(にほんご)」で()きました。
(した)に「ふりがな」を()した(ぶん)があります。


(
(
【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格
よく使(つか)われているのに、辞書(じしょ)には()っていないことば。日本(にほん)()外国人(がいこくじん)が「よくわからない」「(へん)だな」と(かん)じることばを、やさしい日本語(にほんご)()かりやすくしたら、(いま)日本(にほん)()えてくるかもしれません。ベトナム出身(しゅっしん)のファンさんは佐賀県(さがけん)(はじ)めて()ごした去年(きょねん)(なつ)、エアコンを使(つか)(とき)(へん)だなと(おも)いました。「除湿(じょしつ)何色(なにいろ)ですか?」。

きょうのことば

佐賀県(さがけん)(はたら)ベトナム(じん)ファンさんの(おどろ)き】

ファンさんは2019(ねん)8(がつ)から、佐賀(さが)(はたら)いています。その(つき)佐賀(さが)では(おお)(あめ)()り、(ひと)()くなりました。

日本の洪水は「水がきれい」

――大変(たいへん)被害(ひがい)でした。(おどろ)きましたよね。
ベトナムでは大雨(おおあめ)ですぐ(かわ)があふれるので、(わたし)()れています。「日本(にほん)でも(かわ)があふれる((こう)(ずい)になる)のか」と(おも)いました。
でも(おどろ)いたのは、日本(にほん)(かわ)があふれたときも(みず)がきれいだったことです。

――え?
ベトナムでは、(かわ)からあふれた(みず)(なか)に、ゴミやゴキブリが()いていますから。

――……

(わたし)佐賀(さが)一番(いちばん)(こま)ったのは湿気(しっけ)です。「じめじめしている」って()いますよね。 (わたし)()んでいる部屋(へや)(かべ)(くろ)くなってきました。(わたし)は「カビだ!」と()づいて、(おどろ)きました。(かべ)()いたけど、(にお)いがひどくて……。
(写真はイメージ)
(写真はイメージ) 出典: PIXTA

日本の人はどうしていますか?

――日本(にほん)(なつ)湿度(しつど)が80%になることもあります。「じめじめ」しているので、(なに)もしないとカビが()えますよね。

ベトナムでは、(かべ)にカビが()えたことがありませんでした。どうしたら()いか()かりませんでした。まわりの(ひと)()いたら、「湿気(しっけ)()り」というものがあることがわかりました。

――除湿(じょしつ)(ざい)のことですね

それを部屋(へや)に6~7()()きました。1~2週間(しゅうかん)で、除湿(じょしつ)(ざい)(なか)(みず)でいっぱいになるので、()()えなければなりません。

――それは大変(たいへん)ですね。エアコンに「除湿(じょしつ)」のボタンがついていませんか?

たぶん、ついていなかったと(おも)います。 「暖房(だんぼう)」は(あか)いボタン、「冷房(れいぼう)」は(あお)いボタン。除湿(じょしつ)何色(なにいろ)ですか?

――(いろ)説明(せつめい)するのは(むずか)しいですね……

今年(ことし)(なつ)湿気(しっけ)()りをたくさん()うつもりです。日本(にほん)()んでいる(ひと)は、じめじめするときにどうしているのでしょうか?
エアコンの中で「除湿」をします
エアコンの中で「除湿」をします
【エアコンを(つく)会社(かいしゃ)「ダイキン工業(こうぎょう)」の(はなし)

日本(にほん)(なつ)は、世界(せかい)(なか)でも「(あつ)い」です。

ダイキン工業(こうぎょう)で、東京(とうきょう)()外国人(がいこくじん)100(にん)調査(ちょうさ)したら、88(にん)が「自分(じぶん)(くに)より東京(とうきょう)(ほう)(あつ)い」と(こた)えました(2014(ねん))。(あつ)地域(ちいき)から()(ひと)にも、そう(かん)じる(ひと)がいました。

外国人(がいこくじん)日本(にほん)(なつ)(あつ)いと(かん)じる理由(りゆう)日本(にほん)湿度(しつど)(たか)さです。湿度(しつど)(たか)いほど、(あつ)さを(かん)じるようになります。 だから、日本(にほん)では湿度(しつど)調整(ちょうせい)することができるエアコンを(つく)技術(ぎじゅつ)(すす)みました。

エアコンの「除湿(じょしつ)」は、エアコンの(なか)空気(くうき)()やして、空気(くうき)(なか)にある水分(すいぶん)()りだします。そのままだと温度(おんど)()がり()ぎてしまうので、日本(にほん)のエアコンは温度(おんど)調整(ちょうせい)することもできます。

除湿(じょしつ)のボタンの(いろ)はダイキンでは「緑色(みどりいろ)」が(おお)いです。
 
「ダイキン」のエアコンのリモコン。右は日本で買うことができる英語のリモコン
「ダイキン」のエアコンのリモコン。右は日本で買うことができる英語のリモコン
除湿(じょしつ)をするときは、除湿(じょしつ)(ざい)使(つか)うこともできます。クローゼットや下駄(げた)(はこ)など、エアコンを使(つか)って除湿(じょしつ)をすることが(むずか)しいので、除湿(じょしつ)(ざい)使(つか)っても()いと(おも)います。

(ひろ)部屋(へや)は、エアコンや除湿機(じょしつき)など、機械(きかい)除湿(じょしつ)します。もし「除湿(じょしつ)」のボタンがエアコンになかったら、「冷房(れいぼう)」にして湿度(しつど)()げることもできます。

ベトナムで()っているエアコンのボタンには、COOLとDRYがありますね。暖房(だんぼう)はありません。地域(ちいき)によって、エアコンも()わります。

この「やさしい日本語(にほんご)ニュース」を(おし)えてくれた(ひと)は、庵功雄(いおりいさお)先生(せんせい)一橋大学(ひとつばしだいがく))です。

 


辞書(じしょ)()っていない(なぞ)日本語(にほんご)や、(おどろ)いた日本人(にほんじん)行動(こうどう)
         ここから↓↓↓ツイート(Tweet)して、(おし)えてください。



日本(にほん)大事(だいじ)なニュースや、外国人(がいこくじん)日本人(にほんじん)の「(なや)み(もやもや)」を、やさしい日本語(にほんご)解説(かいせつ)します。
だいたい土曜日(どようび)に、(あたら)しいニュースが()めます。


FaceBookはこちら
Twitterはこちら

 

【機械翻訳用】ふりがな なし

◆「除湿は何色?」ベトナム人も驚いた日本の夏 「壁が黒くなる」

よく使われているのに、辞書には載っていないことば。日本に来た外国人が「よくわからない」「変だな」と感じることばを、やさしい日本語で分かりやすくしたら、今の日本も見えてくるかもしれません。ベトナム出身のファンさんは佐賀県で初めて過ごした去年の夏、エアコンを使う時に変だなと思いました。「除湿は何色ですか?」。 

■きょうのことば
「除湿」……空気の中にある水の割合=湿度(英語は「humidity」)を低くすることです。湿度が高いと、暑く感じます。「じめじめする」と言います。梅雨の時は「除湿」で気持ち良く過ごすことができます。

【佐賀県で働くベトナム人ファンさんの驚き】
ファンさんは2019年8月から、佐賀で働いています。その月に佐賀では大雨が降り、人も亡くなりました。

――大変な被害でした。驚きましたよね。

ベトナムでは大雨ですぐ川があふれるので、私は慣れています。「日本でも川があふれる(洪水になる)のか」と思いました。でも驚いたのは、日本は川があふれたときも水がきれいだったことです。

――え?

ベトナムでは、川からあふれた水の中に、ゴミやゴキブリが浮いていますから。

――……

私が佐賀で一番困ったのは湿気です。「じめじめしている」って言いますよね。 私の住んでいる部屋は壁が黒くなってきました。私は「カビだ!」と気づいて、驚きました。壁を拭いたけど、臭いがひどくて……。

――日本の夏は湿度が80%になることもあります。「じめじめ」しているので、何もしないとカビが生えますよね。

ベトナムでは、壁にカビが生えるのを見たことがありませんでした。どうしたら良いか分かりませんでした。まわりの人に聞いたら、「湿気取り」というものがあることがわかりました。

――除湿剤のことですね

それを部屋に6~7個置きました。1~2週間で、除湿剤の中が水でいっぱいになるので、取り換えなければなりません。

――それは大変ですね。エアコンに「除湿」のボタンがついていませんか?

たぶん、ついていなかったと思います。 「暖房」は赤いボタン、「冷房」は青いボタン。除湿は何色ですか?

――色で説明するのは難しいですね。

今年の夏も湿気取りをたくさん買うつもりです。日本に住んでいる人は、じめじめするときにどうしているのでしょうか?

【エアコンを作る会社「ダイキン工業」の話】
日本の夏は、世界の中でも「暑い」です。
ダイキン工業で、東京に住む外国人100人に調査したら、88人が「自分の国より東京の方が暑い」と答えました(2014年)。暑い地域から来た人にも、そう感じる人がいました。 外国人が日本の夏は暑いと感じる理由は日本の湿度の高さです。湿度が高いほど、暑さを感じるようになります。
だから、日本では湿度も調整することができるエアコンを作る技術が進みました。 エアコンの「除湿」は、エアコンの中で空気を冷やして、空気中にある水分を取りだします。そのままだと温度が下がり過ぎてしまうので、日本のエアコンは温度を調整することもできます。
除湿のボタンの色はダイキンでは「緑色」が多いです。 除湿をするときは、除湿剤を使うこともできます。クローゼットや下駄箱など、エアコンを使って除湿をすることが難しいので、除湿剤を使っても良いと思います。 広い部屋は、エアコンや除湿機など、機械で除湿します。
もし「除湿」のボタンがエアコンになかったら、「冷房」にして湿度を下げることもできます。 ベトナムで売っているエアコンのボタンには、COOLとDRYがありますね。暖房はありません。地域によって、エアコンも変わります。

連載 #やさしい日本語

その他の連載コンテンツ その他の連載コンテンツ

全連載一覧から探す。 全連載一覧から探す。

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます