連載
#19 #やさしい日本語
日本で驚いた「ながら運転」外国人が見た通学風景【やさしい日本語】
「あれ、とても危ないですよね」
この「やさしい
【機械翻訳用】ふりがな なし
日本に来て驚いた「ながら運転」外国人が見た通学風景【やさしい日本語】
辞書に載っていない日本語。驚いた日本人の行動。そんな外国人の「分からないこと(もやもや)」を、日本語にまだ慣れていない人に聞いてみました。神奈川県の高校に通う2人の外国出身者が驚いたのが「ながら運転」です。「あれ、とても危ないですよね」。2人には母国では考えられないカルチャーショックがあったようです。外国人出身者も分かりやすい「やさしい日本語」で解説します。(朝日新聞経済部記者・藤崎麻里)
■きょうのことば ながら運転……自転車や車を運転するときに、スマートフォンで電話したり、ゲームしたりすること。とても、あぶないです。
話をしてくれた人
ペルー出身の高校1年生、なかんだかれあゆみさん(17歳)……2018年に日本に来て、家族と一緒に暮らしています。
スリランカ出身の高校1年生、クマ-ラゲー・サチニさん、通称サッチャンさん(18歳)……スリランカの学校から日本の高校に来て、日本の高校で勉強しています。
二人は高校に通うだけではなく、土曜日にはCEMLA(セムラ)で日本語を勉強しています。CEMLAは、県立高校と相模女子大学、NPO多文化共生教育ネットワークが作っている教室です。主に中学生と高校生に、日本語や学校の勉強を教えたり、どんな学校に行くとか、どんな会社に行くかなどを相談したりしています。
■自転車が多くてびっくり
――記事でわからないところ、ありましたか?
サッチャンさん:ちょっと難しいところがあります。保険ってなんですか?
――保険は、保険に入っている人たちがみんなで少しずつお金を払って、事故や火事があったときに、そのみんなが払ったお金から、必要なお金をもらう……英語ではinsuranceです
サッチャンさん:ああ! 知っています。
――日本では、自転車の事故のための保険もあります。
サッチャンさん:「自転車の保険」があるんですね。きいたことがありませんでした。
あゆみさん:私も初めて聞きました。
――スリランカやペルーでは聞いたことがなかったのですね。
サッチャンさん:そういうのはないと思います。
あゆみさん:ペルーでも聞いたことがありません。ペルー人はあまり自転車を使わないです。
――ペルーは坂が多いと思いますからね。
あゆみさん:(うなづきながら)みんな車を一番使います。
■自転車の保険がある!
サッチャンさん:日本では電車を使うことが多いです。スリランカではあまり電車にも乗っていませんでした。 日本で初めて電車に乗るの、本当に難しかった。(時刻表の見方が)わからなかったので、駅にいるおばあさんとかに「次の電車いつですか」と聞きました。みんな教えてくれました。でも、事故があって1時間遅れたときは、私は理由が分からなかったので、ずっと電車を待っていました。1人で乗ったり降りたりすることができる自信がつくまでに1カ月かかりました。今は大丈夫です。
――今回の記事には、いま2人が住んでいる神奈川県では、自転車の保険に入らなければいけないというルールができました、と書いてあるんですよ
二人:そうなんですか!知らなかったです!
サッチャンさん:自転車の保険、初めて聞きました。日本のみんな、自転車にすごく乗るから、そうかとも思いました。 あゆみさん:いま通っている日本の県立高校だと、自転車に乗っている人が多くて驚きました。高校の生徒の85%が使っています。でも近くの道が狭い。だから事故がたくさんあります。昨年も、今年も事故がありました。2日前にも生徒が、車との事故で足をけがしたばかりです……。
――自転車事故は二人にとって身近な問題なんですね。
あゆみさん:はい。日本では自転車に乗りながら、スマートフォンで話していたり、イヤホンで音楽を聴いたりしている人がいたことにも驚きました。
――それは「ながら運転」ですね。
あゆみさん:あれ、とても危ないですよね。私は日本でも、自転車に乗っていません。学校で自転車の安全運転教室はありましたが、男性の自転車の運転は本当に速いし……。保険に入るのは大切、と思いました。
◇ ◇ ◇
日本の生活に関係があるニュースは、外国から日本に来たばかりの人にとっても、大切です。でも難しい日本語や社会的な背景の違いもあるので、外国から来たばかりの人には、ニュースの内容はあまり伝わっていないようです。 今回は保険の話でしたが、保険だけではなく、日本で自転車に乗るとき「2人乗りはしてはいけません」「道の右側と左側、どちらを走りますか」といった、日本の交通ルールの違いを「知らなかった」という人もいるそうです(CEMLAを運営するNPO法人多文化共生教育ネットワークかながわの高橋清樹事務局長の話)。 私たちは生活に役立つニュースも「やさしい日本語」で伝えていきます。
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