「バカ野郎」と言って相手の頭をはたく。お笑い漫才でおなじみの「ツッコミ」に、過剰とも言える配慮の注釈を入れたイラストが話題です。はたく行為や「バカ野郎」という言葉に相手を傷つける意図がないこと、ボケとツッコミの2人の信頼関係をこれでもかという長文で伝え、「安心してお楽しみください」で締めくくられています。ツイッターでは「面白い」という声とともに、「近未来予想のような恐怖感もある」と話題です。作者に聞きました。
「配慮の過剰なお笑い」とは
「バカ野郎」と叩いてはいますが、ツッコミの田中さんは学生時代、ボケの高橋さんによく勉強を教わっており、本人のいないところでは「あいつは凄ぇよ。天才だ」と褒めていたそうです。
深い信頼関係のある2人です。安心してお楽しみください。
配慮の過剰なお笑い pic.twitter.com/iSDzQ3aVlb
— 255@絵と動画の強化週間 (@nikokosan) February 17, 2020
一言のツッコミに対し、200字近い説明がなされています。
近年、より多くの人が安心して楽しめるように、これまでのお笑いのスタイルが議論されるシーンも目立つようになりました。バラエティ番組でもさまざまな注釈がつけらているのも目にします。
そんな現状を重ねてか、ツイートには「面白いけど、近未来予想のような恐怖感」「割と笑えない話」という反応がある一方、漫才の様子だけでは見られない2人の関係性から「これはこれでほっこりする」「これをベースに漫才にしてほしい」という声も。
投稿は1.3万回以上リツイートされており、5万件以上のいいねが集まっています。イラストを投稿した255さんに話を聞きました。
「息苦しさをゆるい笑いに」
最近は色々な界隈で規制が厳しく息苦しいイメージがあるので、逆にそのあたりをゆるい笑いに変えられればと。
過度に皮肉っぽくなったり、攻撃的であったりしないように気をつけました。あくまで気軽に面白がってもらうことを目的としています。
ぱっと見では分からない信頼関係を書きたかったので、年季の入った付き合いということにしました。
なので家族単位での付き合いや学生時代のエピソードなどを入れてあります。

「切り分け」の意識が余裕を生む
お笑いに限らず、とにかくエンターテイナー・クリエイターが自由に物づくりに取り組める環境を望んでいます。
フィクションと現実の切り分け、作者と作品の切り分けといった意識が浸透すれば創作者・視聴者双方に気持ちの余裕が生まれるのではないかと思います。
ふと確認したら50000いいねを超えていました。多くの方に見てもらえて嬉しいです。ただ、ことさらに風刺として描いたわけではなかったので反響の大きさに驚いています。
絵はほぼ毎日Twitterにアップしているので、興味をもっていただけたらフォローなどよろしくお願いします。(255さんのTwitterは@nikokosan)