ネットの話題
「ハンマーを持て。バカがまた壁をつくっている」 宝島社が問題提起
ベルリンの壁崩壊の写真が使われています
今月7日、朝日新聞に掲載された宝島社の見開き広告。キャッチコピーは「ハンマーを持て。バカがまた壁をつくっている。」で、ベルリンの壁の写真が使われています。現代を生きる私たちに問題提起したこの広告について聞きました。
1998年にスタートした宝島社の企業広告。商品だけでは伝えきれない「企業として社会に伝えたいメッセージ」を届けるべく実施しているそうです。
田村隆一さんを起用した「おじいちゃんにも、セックスを。」(1998年)や、「国会議事堂は、解体。」(2002年)、「日本の犬と、アメリカの犬は、会話できるのか。」(2010年)など、毎年異なるテーマを掲載。
近年で特に反響が大きかったのは、2016年に掲載した樹木希林さんを起用した「死ぬときぐらい好きにさせてよ」。現在でも、この広告に関する意見や問い合わせがあるそうです。
今回のテーマは「壁」「女性」「高齢社会」。
伝えたいテーマによってクリエティブや掲載媒体を決めているため、今年は計5つのビジュアルを作成して、朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・日経新聞・日刊ゲンダイにそれぞれ載せています。
朝日新聞に掲載されたのが、壁をテーマにした「ハンマーを持て。バカがまた壁をつくっている。」です。
「ベルリンの壁の崩壊から30年が過ぎました。あの出来事は何だったのか、翻って現状の世界はどうなのか、問題提起をする良い機会だと考えました」と広報課の担当者。
ベルリンの壁が壊され、多くの人が希望と変革を感じたけれど、30年経って世界は再び壁だらけになっていないか。
世界中に立ちはだかる壁や、私たちの心の中にひそむ壁を壊すことができるのか。次の時代へ踏み出せるのか。
そんな問題提起をしようと、このキャッチフレーズに決めたそうです。
「新しい時代になって初めての年の初めにふさわしいメッセージは何か、何度も議論を重ねました。若者が笑っているこの写真は、破壊だけでなく希望を感じさせてくれる珍しいものを選んでいます」
ベルリンの壁の崩壊をリアルタイムで体験した世代はもちろん、体験していない世代にも届けようと企画したこの広告。
読者に向けて、担当者はこう話します。
「ベルリンの壁の崩壊は平成元年の出来事でしたが、月日が流れ、元号も変わり、令和も2年目に入ります。新しい年を迎えるにあたり、私たちを取り巻く世界情勢や次の世界の価値観について考えるきっかけにしていただければ」
1/43枚