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「ツバつけて書類」撲滅、中国でも共感 現地では「北京ビキニ」も

お札をめくるペロリスト
お札をめくるペロリスト 出典: 朝日新聞社

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タクシー会社の三和交通が「ツバつけた指で書類めくる」禁止令を出したことを公式ツイッターで明らかにし、話題になりました。このニュース、中国版ツイッター微博でも話題になり、紹介した記事は2億ビューを記録しました。実は、今年、中国各地で「おやじくさいマナー」の代表格とも言える「北京ビキニ」へ禁止令が出されたばかり。国境を越えて注目を集めた「ペロリスト」騒動から、中国のマナー意識の変化について考えます。

中国でも話題になった「ペロリスト禁止」

12月3日、中国版ツイッター微博では、「#日本公司禁止舔手指翻纸=日本の会社がツバつけた指で書類めくることを禁止」がホットな話題にランクインしました。4日までに、2.1億ビューを超え、1.4万件のコメントが投稿されています。

動画アプリの「梨視頻」がこのニュースを動画つきで公開したところ、5000件近くの投稿と12万5000件を超える「いいね」が集まりました。動画の紹介文には「全人類がこのような行為を禁止すべきだ」と書かれ、多くの共感を集めました。

コメントのなかには、ツバつけた指で試験用紙をめくって配る先生、スーパーでレジ袋をツバつけた指でめくる店員、またペロリしてお札を数える親戚……多くの人が「我慢できない」経験談をシェアしました。

また、アニメ「名探偵コナン」で、ペロリストのこの特性を利用し、殺人事件が起きたというエピソードを挙げ、ペロリストの不衛生性と「危険性」を説く人も。

中には、キャッシュレスが進むことで、お札のペロリストが減るのではないかという期待も寄せられていました。

スーパーやコンビニのレジ袋※写真はイメージです
スーパーやコンビニのレジ袋※写真はイメージです 出典: Pixta

悪いマナーの見直し

日本の「ペロリスト」への締め付けに刺激されたのか、中国のネットユーザーからは、ほかの「おやじくさいマナー」への指摘も相次ぎました。

まず「ツバを吐く」。そして、場所を問わずタバコを吸うこと。

さらにデジタル時代ならではの悪いマナーとして、電車内の「音漏れ」をやめてほしいという声も上がりました。

駅の灰皿に溜まったタバコの吸い殻=2013年12月23日、上海
駅の灰皿に溜まったタバコの吸い殻=2013年12月23日、上海 出典:ロイター

「夏の風物詩」?「北京ビキニ」

その中でも、中国の代表的な「おやじくさいマナー」として挙げられるのが「北京ビキニ」です。

長年、物議を醸してきた「夏の風物詩」と言えるもので、「非文明的な行為」という批判を受けてきました。中国語では「膀爺」(バンイエ)とも呼ばれています。

「北京ビキニ」は、夏の暑い時期に現れます。上半身裸で過ごす男性のことは「膀爺」で、Tシャツの裾をまくり上げて、腹を出す姿は「北京ビキニ」です。

「上半身は裸で、下は半ズボン、足元はサンダル」というのは「膀爺」の典型的な姿です。またうちわを持ちながら、路上や公園などに集まり、中国将棋(シャンチー)や囲碁に打ち込んだり、おしゃべりしたりする姿もよく見かけられます。

これらは中国の農村から都市部まで見られる風景で、必ずしも北京特有のものではないですが、北京にいる外国人を驚かせたことから、「北京ビキニ」という言葉が定着したようです。

タクシードライバーの「膀爺」たち=2011年8月3日、杭州、浙江省
タクシードライバーの「膀爺」たち=2011年8月3日、杭州、浙江省 出典:ロイター

各地で禁止になった「北京ビキニ」

しかし、公的な場で、男性の上半身裸の姿、あるいはTシャツをまくり上げることに、違和感を覚える人は少なくありませんでした。「膀爺」が集まる場所は、女性にとって居心地が悪く、たとえ少数だったとしても「膀爺」は街のイメージダウンにつながる存在として見られていました。

そして、2019年夏、天津市、瀋陽市、済南市、邯鄲市などは、「膀爺」を規制することに動き出しました。

上半身裸になることと、Tシャツまくり上げて腹を出すことを「非文明的な行為」と定義し、このような人を見つけたら、まず、周りの人が「教育」と「説得」をします。拒否した場合、警察が出動し、さらに「説得」します。それでも拒む場合、50元(約800円)から200元(約3200円)の罰金が課せられることになりました。

朝の稽古に励む「膀爺」=1997年7月25日、北京
朝の稽古に励む「膀爺」=1997年7月25日、北京 出典:ロイター

マナー重視になった中国…

今回のペロリストの禁止令は、日本で好評を得ただけでなく、中国でも共感を得ました。中国でも長い間、気になる人が多かった一方、それを訴えるきっかけがなかったことが見て取れます。

経済成長とともない、中国は「文明・衛生」に力を入れるようになりました。

「夏の風物詩」と呼ばれてきた「北京ビキニ」が今年、中国各地で禁止されたことは、マナーへの意識が高まったと言えます。

特に、SNSの発達により、日本をはじめ、国境を越えてマナーの情報が広がるようになりました。中国の若者が自国の「おやじくさいマナー」に気づき、「ノー」を言う機会が生まれています。

ネット上の動きは、政府にとっても民意が可視化される場所になっており、今後、「おやじくさいマナー」の居場所はますます減っていくことが予想されます。

ペロリストの禁止令が話題になったことに対し、三和交通は驚きを隠しませんでした。国境を越え、中国でも共感が集まったこと対し、「初めて知りました。(ペロリストは)日本だけでない現象で、話題になったのはびっくりです」とコメントを寄せました。

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