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PTAは誰のため?「宝塚ショー」「歌斉唱」全国大会で見えた表と裏

多くの人が聞いたことはある「PTA」。その実態は、8千人規模の全国大会も開かれている巨大組織。内部では宝塚ショー、メンタリストの講演会、想像を絶する世界が広がっていました。神戸で開催された「全国大会」と「PTAフォーラム」の取材を漫画にしてみました。

PTA全国大会の実態を漫画にしました……
PTA全国大会の実態を漫画にしました……

目次

PTA。保護者と教職員が作る、耳にしたことはあるような団体です。でも実は毎年、8千人規模の全国大会も開かれているそうです。内部では「役員になったら大変そう……」、そんなイメージでは収まらない、想像を絶する世界が広がっていました。写真はNG、会費はなんと5千円。宝塚OGのショーに、「PTAの歌の斉唱」も!? そして、同時期、近くの会場ではPTAの課題を考える「PTAフォーラム」も開催されました。いわば「表と裏」である二つのイベントを漫画化。会場での気づきから、PTAのこれからについて考えます。(朝日新聞デザイン部、岩見梨絵)

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すごすぎる規模の全国大会、そもそも誰のため?

PTAといってイメージするのは「学校単位」の組織。
でも実はその上に市町村、都道府県単位の連合会があり、最上位には「日本PTA全国協議会(日P)」が全体の統括をしている巨大な組織なのです。

その「日P」が毎年開催するのが「PTA全国大会」。研究成果を発表する場という話だけれど、取材したサトコ記者が見たのは、宝塚OGによるショーや有名人の講演など、派手な催しの数々。

参加費だけでも1人5000円。参加者は8400人で、4200万円が集まったという、規模の大きさは想像を絶するものでした。

次回開催地の富山県からは300人が参加してPRしました。全国各地から子を持つ親が早朝から集まって……。あれ、そもそもPTAって誰のためにあるんだっけ…?

PTAへのもやもや……いろんな場所にも共通するもの

違和感を覚えつつ、実際に当事者の声が聞ける「PTAフォーラム」ものぞきます。

こちらは全国大会とは別の会場で、同じ日に開かれたイベント。

「PTAを自分たちの手に取り戻そう」を合言葉に、保護者と朝日新聞や東京新聞、地方紙の記者でつくる実行委員会が主催しました。今年が2回目です。

集まったのは、現役のPTA会員や役員、PTAを辞めた人、すでに子どもが学校を卒業した保護者など。「PTAのおかしさを是正したい」との思いで、約100人が集まりました。

「任意加入」や「役員決めの苦悩」などテーマで意見が交わされる中で、「PTAは闇が深いのでは」と気づいていきます。

もやもや、発信することで……社会で生きるヒントに気づいた

PTA全国大会と、フォーラムで感じた違和感を漫画にしてみて浮かび上がったのは、「役員になったら大変そう、とかそんな単純な話じゃなかった」という現実です。

地域のつながりは大事、子どものためにPTAはあった方が良い、そんな意見もあり、それは理解できます。でもPTAに違和感を持ったのは、その存在が時代錯誤だからではないかと感じます。
多様な生き方が求められているにもかかわらず、旧態依然とした制度に苦しい思いをする親たち。改善しようしても、かえって非難され、好奇の目にさらされ……。

こういった違和感は、PTAに限らず、社会のあらゆる場面で見たことがあります。そしてどこでも改革したいと声を上げる人が、たたかれてしまいます。

PTAがやっかいなのは、親自身だけの問題では済まず、「自分が行動したら、子どもが仲間はずれになるかもしれない」という怖さがあること。そうやって躊躇する親の声も聞きました。
我慢していれば過ぎていくけれど、もやもやした気持ちが晴れることはない。
その言葉は、言いたいことがあってもぐっと飲み込みがちな私自身に重なりました。

「PTAフォーラム」を終えて、参加した保護者は少し晴れやかな表情になっていました。何かをきっかけに、自分のもやもやを発信して、表に出したことで、実は周りにも味方になってくれる人たちがいた、ということに気付けたからかもしれません。

「おかしい」と違和感を持ったことに、流されないように。PTAに関わる人、そうでない人、多くの人に感じてもらいたいと思い、漫画にしました。自戒の念も込めて。

【関連記事】PTAを深掘りした「現場へ!」シリーズはこちら

PTAを考える:1「おかしさを是正したい」

PTAを考える:2 「上部団体」その存在意義は?

PTAを考える:3 会長は知った、異論の貴重さ

PTAを考える:4 保護者つながり、声上げよう

PTAを考える:5 本音をぶつけ合った先に

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