連載
#35 コミチ漫画コラボ
外国人と「心のお隣さん」になるためには…漫画で描く最初のステップ
英語が通じないお客さんから渡された「メモ」、7人の英会話講師から聞いた母国の話など、身近な場所で起こる「国際交流」を描く漫画。
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#35 コミチ漫画コラボ
英語が通じないお客さんから渡された「メモ」、7人の英会話講師から聞いた母国の話など、身近な場所で起こる「国際交流」を描く漫画。
「会社で英語が必要になった」「近所に住む外国人がゴミの日を守ってくれない」……周囲から聞く「外国人」にまつわる話題を、「他人事」と思っていた主人公。ところが、アルバイト先のコンビニで、外国人が働き始めたことで、心境に変化が起こっていきます。
日本の常識が、他の国にとっては当たり前ではありません。しかし、海外の情報がいつでも身近にある訳でもありません。わからないからこそ、間にある「違い」を見ると、何だか大きな課題に直面しているように感じがちです。でも、目の前にいる人と関わり合うことから始めてみよう。そんな風に優しく背中を押してくれる作品です。
観光地近くにあるスイーツ店で、英語が通じない人の接客することになった筆者のさく兵衛さん。お互い戸惑う中、お客さんから「ぶたをたべられません」というメモを差し出され、相手の意図をつかみます。
漫画のような、言葉が分からない外国人への接客やコミュニケーションは、私たちの暮らす社会で「日常」になってきています。さく兵衛さんの最後のコマを読んだ時、改めて自分にできることは何だろうと考えました。
一緒に働いているのは、ブラジルからやってきたエンジニアのジョンさん。背が高くて驚いたけど、どんなときも「いいよ」と言ってくれる優しい人です。作者の経験を元にした漫画で、ゆるいタッチの絵に癒やされます。
外国人の受け入れに慣れていない会社にとって、制度や書類を調べるのも一苦労だと思います。しかし、日本で働くことに魅力を感じている人がいるというのはうれしいですよね。さまざまな国の人と身近な隣人として関われることも、かけがえのない機会になるでしょう。そんな日常を想って、「いいなあ」とつぶやく作者にほっこりしました。
英会話を教えてくれた7カ国からの先生との交流を描きます。母国で受けた新人研修がジャングルのサバイバル生活だった人、「お金が大好き」と無邪気に語る人、災害の備えとして宝石を身に着けている人。違いを肌で知り、感じたことは……。
日本人から見ると「とんでも」に映る外国人のエピソードを、ただ笑うのではなく、誰も否定せず描いていたのが印象的でした。親しみが持てる人間性もにじませます。「へ~」と思い、「ワクワクする」と前向きに触れあうこと。伊吹さんの姿勢から、「お隣さん」に歩み寄るヒントをもらった気がします。
とある保育所で、園児たちが大げんかした時のことです。それを見ていた先生は、止めずに見守っていたそうです。しばらくすると、別のお友達がスッと間に入って「○○君の方が背が高いから勝ち!」とジャッジしたそうです。大人としては「ええ!最後、背の高さかい!」と思いますが、子どもたちはそれで円満仲直り。
それぞれの関係性の中には、その関係性の中でのルールがある。それはキム君ととしあき君も一緒です。「それっぽい正解」で場を丸く収めようとする大人はたくさんいるけど、そんなの聞かなくていい。本当に大事なのは社会的で表面的な「正解」じゃなくて、僕らが納得できる、僕らの正解だ。
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