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人生には消しゴムが必要なんだ… 「間違いを消す」以外の大切な役割

祖父から贈られた言葉「人生にはケシゴムが必要なんだ」の本当の意味は――。

「ケシゴムライフ」第3話の一場面 (C)羽賀翔一 / コルク
「ケシゴムライフ」第3話の一場面 (C)羽賀翔一 / コルク 出典: 羽賀翔一さん提供

目次

 祖父から贈られた言葉「人生にはケシゴムが必要なんだ」の本当の意味は――。漫画家を目指す少年と、祖父の交流を描いた作品がツイッター投稿され、注目を集めています。作者は『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)などで知られる羽賀翔一さんです。祖父との思い出をもとに描いた漫画について話を聞きました。

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「ケシゴムライフ」


 敬老の日である9月16日、羽賀さんがツイッターに計24ページの漫画を投稿しました。

 作品は、講談社のモーニングで連載され、単行本にもなった「ケシゴムライフ」の第3話。

 似顔絵や漫画が上手だった祖父と、孫である少年の交流が描かれています。

「ケシゴムライフ」第3話 (C)羽賀翔一 / コルク
「ケシゴムライフ」第3話 (C)羽賀翔一 / コルク 出典: 羽賀翔一さん提供

作者に聞きました


 この投稿に対して、「人生には消しゴムが必要。素敵な言葉ですね」「私は誰かの消しゴムになれるかな」といったコメントが寄せられ、最初の投稿に対するリツイートは1万5千、いいねは5万を超えています。

 「ちょうど漫画家として担当編集者がついて、連載を目指していた時期に書いたものです。自分と祖父の関係性を反映させて描きました」と羽賀さん。

 オムニバス形式の連載で、タイトル「ケシゴムライフ」が先に決まっていたので、消しゴムにまつわる自身の思い出を振り返ることに。

 祖父と一緒に絵を描いた時のことを思い出しながら、執筆したそうです。

セリフが生まれるまで


 作中で印象的な「人生にはケシゴムが必要」「間違えたっていいんだよって えんぴつを安心させることだ」というセリフ。

 これらは羽賀さんの子ども時代の経験が反映されているといいます。

 「学校に消しゴムを持って行くのを忘れると、なんだかソワソワしていたんです。持ってるだけで安心していた、あの時の気持ちから出てきたセリフです」

 敬老の日に合わせて投稿していますが、この日は実家に帰って祖父に会ったそうです。

 「この漫画が祖父との思い出の箱のような役割をもって、描いた当時よりも思い入れが深くなっている気がします。このタイミングで多くの人に読んでもらえたらと思ってツイートしました」

 話題になったことについては、こう話します。

 「今回のツイートがきっかけで『もっと読みたい』という声もいただき、その気持ちも伝わってきました。他の作品も読んでいただくきっかけになればうれしいです」

「ケシゴムライフ」第3話の一場面 (C)羽賀翔一 / コルク
「ケシゴムライフ」第3話の一場面 (C)羽賀翔一 / コルク 出典: 羽賀翔一さん提供

【羽賀翔一さんのプロフィール】


 1986年生まれ茨城県つくば市出身。学習院大学卒。2010年『インチキ君』で第27回MANGA OPEN奨励賞受賞。

 2011年に『ケシゴムライフ』をモーニングで短期集中連載し、2014年に単行本発売。大ヒットした『嫌われる勇気』の挿絵をはじめ、沖縄出身バンド7!!(セブンウップス)のアルバムジャケットなどでも活躍。

 2017年8月に発売された『漫画 君たちはどう生きるか』(原作:吉野源三郎)は、2019年6月現在212万部を突破。 2018年4月、『ケシゴムライフ』と『昼間のパパは光ってる』新装版を発売(マガジンハウス)。

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