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2019年09月17日

中国人留学生が日本でマンション買った理由 不動産で進む「爆買い」


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中国人に人気が高い都内の住宅街(※写真はイメージです)

中国人に人気が高い都内の住宅街(※写真はイメージです)

出典: Pixta

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日本の不動産を購入する中国人が増えています。利回りのよい小型のマンションから最近はタワーマンションへの「爆買い」が続いています。そんな中、留学生が不動産を購入するというケースがあると聞きました。いったいどんな人が買っているのか。当事者の話から、中国から見える日本の不動産について考えます。

リスボン空港に置かれている中国人に不動産投資を呼びかける看板=2015年9月、ポルトガル・リスボン

リスボン空港に置かれている中国人に不動産投資を呼びかける看板=2015年9月、ポルトガル・リスボン

出典: 朝日新聞社

アニメが好きで来日在学中に紆余(うよ)曲折も

日本にマンションを持てっている中国人の一人、中国江蘇省・蘇州市出身の甘地(ガンディー)さんは、25歳です。蘇州市は上海に近く、経済的に豊かな地域として知られています。

蘇州市の一般家庭出身だという甘地さんは、日本のアニメが好きでした。高校時代に修学旅行で日本に来て、清潔で治安がいいと感じ、日本への留学を考えました。地元で日本語の勉強をし、2012年7月に来日しました。

日本語学校を経て、2014年に日本映画大学の撮影照明コースに合格。しかし、人間関係の悩みから、一時、引きこもり状態になりました。

心配した両親が蘇州まで呼び戻し、甘さんはいったん休学します。蘇州で半年ほど休み、大学に復帰しました。

「日本は長く滞在しましたが、当時はずっと日本にいることは考えませんでした。マンションの購入もまったく思いませんでした」

自宅で愛猫を抱いている甘さん

自宅で愛猫を抱いている甘さん

出典: 甘さん提供

お母さんの決断でマンション購入

甘さんの母親も日本が大好きで、両国の往復がしやすいよう、有効期限が3年ある数次ビザを取るほどです。

次第に、母親は日本でのマンション購入を真剣に考えるようになったと言います。マンションの名義は甘地さんにし、購入費は母親が出しました。

実は、中国では親が息子のために、マンションを購入する風習があります。近年、蘇州では不動産価格が高騰し、親は一人息子の甘さんのため、山手線の鶯谷駅周辺で3500万円超のマンションを購入しました。

親のお金でマンションを入手したことに対し、「少し複雑な気持ちです」と話す甘さん。

「母親への感謝と、申し訳ない気分、そして頑張らないといけないプレッシャー……」それらの思いが混ざっているそうです。

新築マンションのリビング(※写真はイメージ)

新築マンションのリビング(※写真はイメージ)

出典: Pixta

不動産会社:「賃貸より購入のほうが得」

今回、甘さんの不動産を担当したのは不動産会社「フューチャーリーディング」の孫柏(スン・バイ)さんです。

孫さんは、「東京オリンピックの開催に合わせて、不動産の人気が高まっています。また留学生の数も増え、マンション購入のケースが増えている」と言います。

実際、来日してから、日本語学校、大学、さらに大学院や就職などまで滞在することを考えると、「賃貸よりマンションを購入したほうが合理的だ」と考える人が少なくないそうです。

甘さんの場合、2012年に来日し、賃貸だった部屋は毎月8万円。単純計算で、2019年まで同じ部屋に住んでいたら700万円かかったことになります。

留学生がマンションを購入する背景について、孫さんは三つの理由があると考えています。

一つ目は、中国経済の発展によって、購入できる経済力を持つ一般家庭が増えたこと。一人息子、一人娘の留学を心配し、同伴で来るお母さんが増え、マンション購入の需要が高くなりました。

二つ目は微信(中国語版LINE=WeChat)の発達です。昔は通信などの制限で、情報の入手手段が限られ、外国で不動産を購入するにはハードルが高い状況でした。しかし現在はWeChat経由で、中国にいながらも、最新の状況を知ることができ、不動産会社の販売員とも直接コンタクトが取れるようになりました。

三つ目は、日本は環境がよく、文化も中国に近いこと。例えば韓国の場合、ハングル文字を読み取ることは多くの中国人にとって困難です。日本では漢字が多用されているため、読むだけで、地名やお店の看板だとわかります。日本語が分からない留学生の親にとって、日本に親近感を持ってもらえるようです。

エコシティーの説明を聞く日中財界関係者=2017年6月、北京

エコシティーの説明を聞く日中財界関係者=2017年6月、北京

出典: 朝日新聞社

不動産業、今後の発展

甘さんは、引きこもりを経験するなど、紆余(うよ)曲折がありましたが、マンション購入によって「落ちつき」を取り戻しました。

現在は、撮影照明の専攻を生かし、日本で働くことを考えています。そして、ほかの他の留学生にも不動産購入を勧めたいと思っているそうです。

「自分はこんなに家賃を払ったことを思うと、やはり悔しい。経済状況が許す限り、マンションを買ったほうが絶対に損はしないですね。」

不動産会社の孫さんは、「留学生の不動産購入は、今後も増えるだろう」と予測しています。

今回、取材をした私の周りの中国人の友人たちも、マンション購入を考える人は増えています。

理由の一つは、結婚の風習です。中国では結婚する際、新婦側がマイホームの購入を求めることが少なくありません。子どものマイホームを用意するのも親の役目という風習があります。そして、孫さんの見立ての通り、中国の経済発展により、日本に留学をして、そのまま就職を希望する子ども、特に息子のためにマンションを購入できる経済力を持つ親が増えている背景もあります。

また、中国では不動産価格が高騰し、特に上海や北京の物件はすでに高嶺(たかね)の花で、庶民の手にはなかなか届きません。それに比べ、国際的に大都市である東京の物件は、資産価値が高いわりに、値段はまだ手頃で、「お買い得」と映ります。特に銀行の利息が低いので、就職した場合、ローンを借りてマンションを購入してもあまり負担にならないと考えられます。

さらに、東京の場合、賃貸の家賃が比較的高めで、長く住むことが決まっていると、物件を購入したほうが断然「得」と思われています。

日本人は今も「持ち家」志向が強いとされていますが、今後は、中国人の「持ち家」派も国内で存在感を増してくるのかもしれません。

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スペインのプロサッカーチーム「アトレティコ・マドリード」のミゲル・アンヘル・ヒル・マリン氏と歩く王健林氏=2015年1月
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出典:REUTERS
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