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刺し身にしか見えない羊羹! 断面の模様や血合いまで再現して話題に
パックに入った魚の刺し身。赤身と白身が入っているように見えますが、どちらも羊羹(ようかん)なんです――。
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パックに入った魚の刺し身。赤身と白身が入っているように見えますが、どちらも羊羹(ようかん)なんです――。
パックに入った魚の刺し身。赤身と白身が入っているように見えますが、実はどちらも羊羹(ようかん)なんです――。そんな和菓子がツイッター上で注目を集めています。手がけた職人に話を聞きました。
三重県四日市市にある「夢菓子工房 ことよ」。こちらでお盆の時期に販売されていたのが「刺し身羊羹」(税込み648円)です。
スーパーなどで見かける刺し身パックの中には、赤身2切れ、白身3切れ、大根のツマ、大葉、菊の花、醤油が入っています。
一見すると本物の刺し身のようですが、切り身は羊羹、ツマは牛乳かん、醤油は黒糖蜜で作られています(大葉と菊の花はプラスチック製)。
この商品がツイッターで紹介されると、「赤身のスジにしか見えない」「まさしく職人技」といったコメントが寄せられています。
「お盆限定だったのですが、好評だったので私が作れる範囲で追加販売しようと思っています」
そう話すのは3代目社長で菓子職人の岡本伸治さん(45)です。
例年3月には握り寿司に似せた「雛寿司」、土用の丑の日にはウナギのかば焼きにそっくりな饅頭を販売しており、テレビ番組に何度も登場しています。
20年以上前から工芸菓子に取り組んでいて、「昔からあるジャンルを掘り起こしてブラッシュアップし、当時ではできなかった表現に挑戦しています」。
制作のコツについては「みなさんが視覚的に知っているものについては、少し誇張して作るのがポイントです」と岡本さん。
今回の刺し身については、寄り合わせて紐状にした糸を使って切り分けることで断面の模様を再現。白身の血合い部分については、赤色をたらすようにしてグラデーションをつけました。
「どれも新しい技法というわけではなく、昔からある和菓子の技術を使っているんです」
話題になったことについては、こう話します。
「羊羹はまだまだ消費量の多いお菓子です。世代によってはなじみが薄いかもしれませんが、『こんなおもしろいことができるんだ』と興味を持っていただくきっかけになればうれしいです」
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