話題
白黒のライオン、引っぱるとカラーに! 仕掛け絵本の出版社に聞いた
絵本に描かれたモノクロのライオン。ページの端をつまんで引き出すとカラーに変身して――。
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絵本に描かれたモノクロのライオン。ページの端をつまんで引き出すとカラーに変身して――。
絵本に描かれたモノクロのライオン。ページの端をつまんで引き出すとカラーに変身――。そんな仕掛け絵本がツイッター上で注目を集めています。出版元を取材しました。
話題になっている絵本は「ジャングルのどうぶつ」(税込み864円)です。
最初のページに描かれているのは、ジャングルの中にいるライオン。ライオンとその周辺だけがモノクロになっています。
ページの端には「▲」マークがあり、そこをつまんで引き出すとライオンの絵がページの外に飛び出します。
引き出すにつれてページからはみ出た部分だけがカラーに変化し、最後は全身が着色された状態に変化します。
今月中旬、この絵本の仕掛けがツイッターで紹介されると、「何度見てもわからない」「抜き出す部分が2枚重ねになっている?」といったコメントが寄せられ、話題になっています。
なぜモノクロがカラーに変化するのか? 仕組みはとてもシンプルです。
ひっぱり出されるライオンのイラストは、白い台紙の上に透明のフィルムを重ねてあります。
フィルムにはライオンの輪郭だけがモノクロで描かれており、白い台紙にはカラーのライオンが描かれています。
ひっぱり出した状態だと2つが重なってカラーに見えますが、元に戻す際にはフィルムと白い台紙の間に、何も描かれていない別の白い紙が挟まる仕組みになっています。
間に白い紙が挟まることで、下のカラー部分が隠されて、フィルム部分だけしか見えなくなるため、モノクロに見えるのです。
「『ジャングルのどうぶつ』は、イギリスの出版社・PINWHEELの『JUNGLE』という絵本を翻訳したものなんです」
そう話すのは、シールブックやプレイブックを多数手がけている出版社・リーバン(東京都)の取締役・田村真由美さん。
2004年、社長たちがイタリアのボローニャであったブックフェアを視察した際に、PINWHEELの「MINI MAGIC COLOUR」シリーズと出会ったそうです。
その年のうちにJUNGLEを翻訳して出版するとヒット商品に。その後も安定して売れ続け、累計販売部数は15万部を超えています。
ライオン、トラ、ゾウ、オウム、フラミンゴが登場する「ジャングルのどうぶつ」。
2006年にはシリーズの翻訳第2弾として「どんないろかな? うみのいきもの」を出版しています。
当初はPINWHEELの「UNDER THE SEA」を翻訳したものでしたが、2014年からは中身をオリジナルに更新。
「ルリホシエイ」など日本ではあまりなじみのない生き物を、カニやタコなどに変えました。
水族館人気などもあって、ここ数年は「ジャングルのどうぶつ」よりも売れているそうです。
ツイッターで注目を集めたことを受けて、アマゾンやリーバンのオンラインショップでは「ジャングルのどうぶつ」の人気が急上昇しています。
話題になったことについて、田村さんはこう話します。
「なかなか注目していただく機会がないので、うれしいです。水族館のシールブックなど新商品も続々企画しているので、楽しみにしていてください」
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