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2019年08月16日

夫の実家へ帰省、逃れられない「長男の嫁」 そもそもなぜ帰省?


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「長男の嫁」である女性は「このままでは、義父母の一切のことが、すべて長男夫婦の私たちのところに来るのは明らか」とメールでつづった

「長男の嫁」である女性は「このままでは、義父母の一切のことが、すべて長男夫婦の私たちのところに来るのは明らか」とメールでつづった

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#父親のモヤモヤ
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夫の実家への帰省を憂鬱(ゆううつ)と感じる妻は、足が遠のきがちです。それでも、なかなか逃れられない人たちもいます。そう「長男の嫁」です。喜怒哀楽が入り交じる帰省は、なぜ行われるのか。専門家は「親子関係のメンテナンス手段」と指摘します。

「出来た嫁」演じている部分も

フリーランスで働く首都圏の50代女性は、「長男の嫁」として不安が尽きません。

長男の夫と結婚したのは20年ほど前。その後、2人の子どもを授かりました。近くに住む義理の両親の元へ、お盆とお正月には、子どもを連れて泊まりがけで帰省しているそうです。

義母は「休んでいなさい」と言ってくれますが、炊事や掃除など、家事全般を任せきりにはできないと言います。ストレスを感じつつも、「家族で集まる機会は大切にしたいし、子どもたちにも季節行事として体験させたい」と帰省しています。

女性の母親も長男と結婚しました。義理の実家とのあつれきに苦しんだ姿を見てきたと言います。反面教師にし、「出来た嫁」を演じている部分もあるそうです。

お盆とお正月には、子どもを連れて泊まりがけで帰省していたという女性(写真はイメージです)

お盆とお正月には、子どもを連れて泊まりがけで帰省していたという女性(写真はイメージです)

出典:pixta

疎遠な義弟夫婦にわだかまり

一方、義理の弟夫婦は実家と疎遠です。ごくたまに、義弟が子どもを連れて1時間程度、立ち寄る程度だそうです。仕事を理由にするなど、義理の妹は結婚後、ほとんど実家に姿を見せないと言います。女性の夫が義弟に理由を尋ねたこともありますが、はぐらかされたそうです。

義弟夫婦は、結婚当時に義父母と対立。それが尾を引いているとみられます。義父母は「あんまり言い過ぎて、まったく近寄られなくなったら」と「触らぬ神にたたりなし」のような態度をとっているそうです。

帰省だけではありません。親族の葬儀や集いがあれば、長男夫婦は万難を排して駆けつけます。一方、義弟夫婦の姿は見えません。義父母は70代。いずれ介護が必要になるかもしれません。

女性自身、実父母の一人娘です。「いずれ来る親の老いを受け止めのは、『長男の嫁』である私になります。私は未来に不安を感じますが、義弟夫婦がそうしたストレスから逃れているとすれば、わだかまりを感じます」

実家と疎遠な義弟夫婦にわだかまりを感じるという女性

実家と疎遠な義弟夫婦にわだかまりを感じるという女性

帰省は「親子関係のメンテナンス手段」

妻は、夫の実家への帰省を憂鬱に思う。夫は、妻と両親が気を使い合うことに気をもみ「父子帰省」する。「長男の嫁」は、煩わしさを一身に受ける。帰省をめぐっては、三者三様、喜怒哀楽が入り交じります。

それでも、人はなぜ帰省するのでしょうか。帰省は今後、どうなっていくのでしょうか。

家族社会学が専門で、「結婚と家族のこれから」(光文社新書)などの著書がある立命館大学の筒井淳也教授は、帰省について、「親子関係のメンテナンス手段」と指摘します。話を伺いました。

筒井教授はまず、次のように解き明かしてくれました。「家制度では、『嫁』が『旦那』に代わり、義理の父親や母親らとの関係を維持してきました。その名残で妻側が多くを担ってきました」。手土産を用意したり、台所に立ったりするのはいつも妻。そんな話はよく聞きます。

家族社会学が専門の立命館大学・筒井淳也教授

家族社会学が専門の立命館大学・筒井淳也教授

親子関係は「個別化」へ

最近では、父親と子だけで帰省する「父子帰省」も注目を集めています。筒井教授はこれについて「親子関係の『個別化』」と言います。

「自分の親との関係は自分でケアする。義理の親に対するメンテナンスは『自分でやってください』という流れです。男性の子育てが一般化する中では、父子帰省は当然の流れだと思います。それに、互いの実家に帰省するとなるとお金もかかる。個別化された帰省は、経済的でもあります」

今後はどうなっていくのでしょう。

「高齢化と少子化で、親子関係はより緊密になります。今後「個別化」は進み、親子関係をメンテナンスする手段としての帰省はより重みを増していくと思います」

父親のモヤモヤ、お寄せください

帰省の記事に関する感想をお寄せください。「パパ友」「イクメン」というキーワードでも、モヤモヤや体験を募ります。「ママ友にくらべ、パパ友はつくりにくい」という声も聞きます。パパ友はほしいですか? 「イクメン」という言葉を前向きにとらえる意見がある一方、「イクメンという言葉が重荷」「そもそもイクメンという言葉が嫌い」という意見もあります。みなさんはどう思いますか?

いずれも連絡先を明記のうえ、メール(seikatsu@asahi.com)、ファクス(03・5540・7354)、または郵便(〒104・8011=住所不要)で、朝日新聞文化くらし報道部「父親のモヤモヤ」係へお寄せください。

 

この記事は朝日新聞とYahoo!ニュースによる連携企画記事です。共働き世帯が増え、家事や育児を分かち合うようになり、「父親」もまた、モヤモヤすることがあります。それらを語り、変えようとすることは、誰にとっても生きやすい社会づくりにつながると思い、この企画は始まりました。今回は帰省をテーマに、夫婦それぞれのモヤモヤを配信します。

みんなの「#父親のモヤモヤ」を見る

 

赤ちゃんとの関係、恋人に例えると… 漫画から伝わる、育児の過酷さ
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