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「天引き後の給料」を2文字で表現 創作漢字が話題の書道家に聞いた

「手取り」を創作漢字2文字で表現した書道家が注目を集めています。

「給料という文字から点を引く=給料天引き」を表現しています
「給料という文字から点を引く=給料天引き」を表現しています 出典: もにゃゐずみさんのツイッターより

目次

 給料から税金などを差し引いた金額である「手取り」。この言葉を創作漢字2文字で表現した書道家が、ネット上で注目を集めています。過去に「タピオカ」を1字で表して話題になった人物です。「収入から諸々の額が差し引かれていくもどかしさを伝えたかった」という今回の創作漢字について、話を聞きました。

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創作漢字熟語「てどり」
創作漢字熟語「てどり」 出典: もにゃゐずみさんのツイッターより

創作漢字熟語「てどり」


 今月1日、「創作漢字熟語『てどり』です」という文章とともにツイッター投稿された画像。

 記されているのは「手取り」を表現した創作漢字と、その説明文。一見すると「給料」という文字のようですが、よく見ると、点にあたる部分があちこち省かれています。

 続けて書かれている由来の部分には、「給料から『天(点)引き』される様より。不満感」とあり、「給料という文字から点を引く=給料天引き」を表していることがわかります。

 この創作漢字に対して、「うますぎる」「いろいろさっ引かれてますな」といったコメントが寄せられ、リツイートは2千、いいねは8千を超えています。

書道家もにゃゐずみさん


 作者は、書道家でクリエイターのもにゃゐずみ(@Monyaizumi)さんです。

 ツイッター上などで創作漢字を続々発表しており、従来の書道家のイメージとはかけ離れたクリエイターとして、ネットメディアを中心に活躍中です。

 先日は、ソフトバンクから「5G回線の特長を漢字1文字で表現してほしい」という依頼を受けて制作し、特設ページも公開されています。

もにゃゐずみさんのツイッターアイコン
もにゃゐずみさんのツイッターアイコン

制作の経緯を聞きました


 今回の「てどり」はどのようにして生まれたのか? そもそも創作漢字を始めたきっかけとは? もにゃゐずみさんに詳しく話を聞きました。

 ――創作漢字のきっかけは

 書道家としてお客様からオーダーを受けている中で、存在すら信じ難い未知の漢字を注文されたことがきっかけです。

 調べると、それは確かに存在し、人の手によって生み出されたものでした。衝撃を受け、「もしかすると自分でも創れるのでは」と考えたのが始まりです。今年の3月だったと思います。

創作漢字「えう゛ぁんげりおん」
創作漢字「えう゛ぁんげりおん」 出典: もにゃゐずみさんのツイッターより

お気に入りの創作漢字は


 ――創作漢字の中で特にお気に入りのものは

 「たぴおか」です。

 漢字とは言葉であり、意思の疎通を図るために存在する。それは時代の変化に伴って変容し、新たに生まれたりもするものです。

 反響の大きさ以上に、流行という世の流れに則した漢字を自分の納得いく形で生み出せたことが、とても嬉しかったです。

 ――「てどり」を制作したきっかけは

 ツイッターのトレンドに「手取り23万」というフレーズが上がっていたことがきっかけです。

 支給額から税金等々で額を引かれることに対する歯がゆさを、漢字に落とし込めないかと考え始めました。

創作漢字「たぴおか」
創作漢字「たぴおか」 出典: もにゃゐずみさんのツイッターより

天引きをひらめくまで


 ――点を省くアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか

 最初は給与から「天引き」ということで、「金」や「料」など収入に関連する漢字の上部をスパッと削る、というアイデアから入りました。

 ただ、そこからさらにひねりを加えていく術が見つからなかったため、見た人に「物足りなさ」や「不足感」を感じてもらうために、画数を減らすという方向に転換しました。

 「さて、どこの角を減らそうかな」というところで、「天引き」からもじって「点」にあたる部分を引いてしまおうと、ひらめいた流れです。

創作漢字「かきごおり」
創作漢字「かきごおり」 出典: もにゃゐずみさんのツイッターより

熟語は新しい挑戦


 ――制作する上で工夫した点や苦労した点は

 創作漢字は常日頃から考えており、大半を没にしているのですが、頭の中でひらめいてしまえば、あとは制作して形にするだけです。

 創作漢字熟語「てどり」だけに関して言うと、これと言った苦労した点はありません。強いて言えば、これまで創作漢字として1字で表現するスタイルでやってきたので、2字の熟語にするのは少し新しい挑戦でした。

 2字にするということは、すなわち表現の幅が広がるということなので、なお一層のアイデア性を要求されると考えているからです。

少し社会を風刺するような漢字も


 ――作品を通じて伝えたかったメッセージは

 やはり、収入から諸々の額が差し引かれていく「もどかしさ」でしょうか。

 だからどうしろといった具体的なメッセージ性は一切含めていませんが、ただただ、その気持ちをみんなで共有出来たらと思い、創りました。

 ――多くの反響が寄せられていることについては

 お金にまつわるテーマだったので、発信する前すこしだけ心配でしたが、共感の声など嬉しい反応を多く頂けたので、今回のような少し社会を風刺するような漢字もこれから創っていけたらと思っています。毒が多すぎない程度に(笑)。

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