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へんないきもの、優勝は「ヒト」でした! 深海生物食べまくる飼育員
最多得票で優勝したのは竹島水族館の飼育員でした。
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最多得票で優勝したのは竹島水族館の飼育員でした。
先日開催された、日本各地の動物園・水族館から選出された“へんないきもの”の人気ランキングを決めるイベント。最多得票で優勝したのは竹島水族館(愛知県蒲郡市)の飼育員でした。「グルメハンター三ちゃん」として深海生物を食べ続けてきた三田圭一さんに話を聞きました。
20園館が参加した「いきものAZ presents へんないきもの 大王タイトルマッチ」。
日本各地の動物園・水族館20園館で飼育展示されている“へんないきもの”がエントリーされ、A・B・C・D・Eの5つのブロックに分かれて予選を行い、勝ち抜いた5個体で決勝戦を行いました。
決勝戦に残ったのは以下の5個体です。
・ハシビロコウ(伊豆シャボテン動物公園)
・ハナゴンドウとハンドウイルカのハイブリッド(南知多ビーチランド)
・ヒト(竹島水族館)
・コンペイトウ(越前松島水族館)
・ボットベリーシーホース(伊勢シーパラダイス)
7月12日にweb投票の結果が発表され、7151票を集めた「ヒト」が優勝。2位に1000票以上の差をつけての勝利でした。
選出されたのは、竹島水族館でアシカショーなどを担当している三田圭一さん。深海生物を実際に食べて、その味などをリポートする「グルメハンター三ちゃん」として活動しています。
「うちの水族館から、どのいきものをエントリーするか話し合った際に『へんないきものといえば三田くんじゃない』という話になったんです」
三田さんが深海生物を食べるようになったのは10年以上前。当時はお客さん同士の会話が聞こえるほど閑散としていたそうです。
展示生物を見ながら「おいしそう」「あれで何人前ぐらいかな」と話す声が聞こえて、「それなら自分が食べてリポートしてみよう」と思ったそうです。
これまでに食べた種類は70種類以上。そのレシピや味をパネルにして紹介しています。
「最初に食べたのがオオグソクムシで、数も一番多く食べています。独特の臭いがありますが、味はエビやシャコに近いです」
食するのは、漁でとれたもので死んだものに限定。その理由は「生きているなら、ぜひ展示したいから」です。
毒の有無などを事前に調べて、焼いたりゆでたり。食べて違和感があればすぐに吐き出すなど細心の注意を払っているそうです。
「ヤマトトックリウミグモの際は、事前に食べたという事例が見つからなかったので、万が一の時の体制を整えてから食べました。みなさんは絶対にマネしないでくださいね」
タイトルマッチにエントリーすると、他の水族館の担当者から「うちもエントリーしてるけど、三田さんに投票しました」といった応援が寄せられたそうです。
来館者から「一緒に写真を撮っていいですか」「三ちゃんに会いに来た」と声をかけられることが増えたため、これまで以上に館内に出るようにしているそうです。
優勝を受けて特別な企画は実施していませんが、グルメハンター三ちゃんのコーナーは常設されており、これまで食べた生物などを見ることができます。
「竹島水族館は小さいですが、アシカやカピバラのショー、豊富な深海生物など魅力がギュッと詰まっています。食べるという視点から展示生物を見ることで違った楽しみ方もできると思いますので、ぜひ楽しんでください」
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