話題
打製石器、古墳クッション、素粒子グッズ売ります 独特すぎイベント
「どんぐり」がこんなにフィーチャーされるなんて、逆に新しい……。
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「どんぐり」がこんなにフィーチャーされるなんて、逆に新しい……。
「博物ふぇすてぃばる!」とは、学問とエンタメの融合をテーマに、自然科学や考古学、天文学から工学まで、さまざまな学術ジャンルを題材にした創作作品などを販売するイベントです。
出展するのは、雑貨やアクセサリーなどをつくる作家・クリエイターから、普段から専門で研究している研究者たちまで。7月20日(土)~21日(日)の2日間で約370ブースが並びます。中には体験型のブースや、専門家による講演も用意されています。
イベントのサイトを見ると、冒頭で紹介したものにも限らず、ニッチなグッズがたくさん。
微生物を擬人化したイラスト、食虫植物の「ウツボカズラ」をモチーフにした雑貨、古代エジプトのヒエログリフをあしらった指輪、実験器具キャラクター、ネジなどの機械部品や工業製品を使ったアクセサリー……。「絶対ここにしかない」と確信できる独創的なブースが並んでいます。
基本的にはいずれのブースも、学問とものづくりやエンタメを組み合わせた内容であることが出展の条件となっています。
イベントは、作家数人の有志で運営しています。博物館や科学館が好きで、ミュージアムショップにもよく行っていたというのが、「博物ふぇすてぃばる!」運営の広報担当者。学問を大切にして、なおかつ楽しく触れることができるのが、ミュージアムショップに並ぶ商品の魅力だといいます。
「もっとたくさんの種類の、ニッチな商品を集められないか」という思いがきっかけで、「博物ふぇすてぃばる!」を始めたそうです。今年が6回目の開催となります。
近年は「ざんねんないきもの辞典」(高橋書店)がヒットし、サイエンスをわかりやすく読み解く書籍の注目がされ、夏休みの定番ラジオ「子ども科学電話相談」は大人にも大人気。毎回と言っていいほどツイッターで話題になっています。
イベントを開催する中で、自然科学への関心の高まりを感じていると広報担当者は話します。
「10年ほど前は、研究と言っても『大学で知らない先生が難しいことをやっている』というイメージが強かったですよね。でも研究者の方々もどんどん情報発信して、学術的な世界が身近に感じられるようになってきているのではと思っています」
「博物ふぇすてぃばる!」で特に異彩を放っているのが、毎年開催している独自企画「博物総選挙」です。といっても、みなさんの想像の斜めを上をいくのがその”候補者”たち。
2018年末に開催された総選挙の候補者たちを紹介します。
このため、どんぐりにまつわる講演を期間中4回開催したり、日本のどんぐり22種類を並べたクリアファイルなど関連商品も用意したりするといいます。
ちなみに、前回のイメージ博物は「素数」だったそう。守備範囲が広すぎるぞ……。
そんな「博物ふぇすてぃばる!」ですが、運営の広報担当は、来年は例年通り開催できない可能性があるといいます。それは2020年、東京で開催されるオリンピック・パラリンピックの影響をみています。
科学技術館の広報担当者によると、現在オリパラの関連施設として利用される予定はないといいます。しかし科学技術館がある北の丸公園には、柔道などの会場になっている武道館もあります。
広報担当者は「どこまで影響があるかはまだわからず、現段階で判断できない」としていますが、「例年通りの形で開催できないイベントが出てくる可能性はある」と話しています。もしもそうなった場合は、個別に調整していく想定だそうです。
「博物ふぇすてぃばる!」の広報担当者は「少人数で運営しているイベント。やっとノウハウがたまってきたところなので、別の場所での開催は難しい」といい、来年の開催は見送りか日程変更を検討しているといいます。ただ、別の日程にするにも「同様の大規模なイベントが重なる秋は避けたいと考えると、選択肢が限られる」と話します。
このため、今年の開催にできる限りの力を注ぐ姿勢です。より多くの申込者が出展できるよう、今年は前回よりブース数を約70個増やしたといいます。
さまざまなジャンル、多くはニッチなテーマで約370ブース集まる「博物ふぇすてぃばる!」。出展者が愛を持って用意してきたものばかりです。
イベントの広報担当者によると、これまでの開催で「自分がどういうものが好きかわからなかったけど、ここにきて自分の好きなものに気が付いた」というお客さんもいたそうです。
「学術的な世界やサイエンスに出合う機会がない人も多いかもしれませんが、きっと自分が面白いと思えるものがあるはずです。そんなものに出合いにきてほしいです」
夏休みの自由研究のヒントが落ちているかもしれない「博物ふぇすてぃばる!」。興味のある方はぜひ今年足を運んでみてはいかがでしょうか。
日時:2019年7月20日(土)11:00~17:30
21日(日)10:00~17:30
(土日ともに入場は17:00まで)
場所:科学技術館 1階催事場(東京都千代田区)
入場料:1,500円(前売:1,200円)
2日間フリーパス
小学生以下無料(但し保護者同伴の元)
1/20枚