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読書感想文コンクールのシンボル! ギリシャ神話の「牧羊神」とは?
青少年読書感想文全国コンクールのシンボルマークについて取材しました。
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青少年読書感想文全国コンクールのシンボルマークについて取材しました。
長らく「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書に使われているシンボルマーク。2本の棒を手にした山羊のようなイラストが「いったい何者なの?」とネット上で注目を集めています。主催団体などに取材すると、ギリシャ神話の「牧羊神」であることがわかりました。
65回目を迎える青少年読書感想文全国コンクール。課題図書に貼り付けるシールや帯にデザインされているのが、話題になっているシンボルマークです。
第15回のコンクールを記念して制定されたもので、2本の棒を手にした山羊のようなイラストが描かれています。
ツイッター上で「まじまじ見たことなかったけど何者?」「なぜこのキャラなのか」といったコメントが寄せられ、注目を集めています。
コンクール主催団体の一つである、公益社団法人・全国学校図書館協議会に尋ねると、ギリシャ神話に登場する「牧羊神」とのこと。
このシンボルマークのブロンズ像や盾などが入賞者たちに贈られており、以下のような説明文を添えているそうです。
具象彫刻家・桑原巨守さん(故人)の作品が元になっていますが、ずいぶん前のことのため、詳細はすぐには分からないそうです。
群馬県出身の桑原さんの作品を収蔵している渋川市美術館・桑原巨守彫刻美術館(群馬県渋川市)ならば何か事情がわかるのではないか?
学芸員の須田真理さんに尋ねると、「1969年にシンボルマークの依頼を受けて彫刻作品を制作したと聞いています」との答えが返ってきました。
美術館にシンボルマークの彫刻や原型はありませんが、同じ牧羊神をモチーフにした作品の原型が収蔵されているそうです。
牧羊神を選んだ理由についての資料は残っていませんが、須田さんはこう推測します。
「絵画や彫刻などのモチーフとして牧羊神はたびたび登場しています。読書を通じてそうした芸術作品の創造性につながっていくことを期待したのではないでしょうか」
夏休みの課題として出されることも多い読書感想文。美術館では夏休み時期に合わせて、2年に1度くらいのペースで牧羊神の原型を展示しているそうですが、今年は展示しないとのこと。
話題になったことについて、須田さんは「牧羊神だけでなく『風』をテーマにした作品を多く収蔵しています。常設展示もあるので、ぜひお越し下さい」と話していました。
全国学校図書館協議会の理事長・設楽敬一さんはこう話します。
「シンボルマークを制定した当初は、課題図書にピカピカのシールが貼ってあり、子どもたちはワクワクしながらページをめくったようです。マークが話題となったのを機に、子どもたちが課題図書を手に取り、ワクワクしながら読書の楽しさやすばらしさを体験するきっかけとなってほしいと思います」
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