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「私ツイッター採用なんです」 タニタが中途採用で選んだ逸材とは?
フォロワーが28万を超えているタニタが実施した「ツイッター中途採用」とは?
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フォロワーが28万を超えているタニタが実施した「ツイッター中途採用」とは?
人手が足りないと上司に相談したら、社長から「ツイッターで募集したら」と言われた――。フォロワーが28万を超えているタニタが実施した「ツイッター中途採用」。応募した約100人の中から選ばれた26歳女性が入社しました。まもなく入社半年になる彼女と、試行錯誤しながら選考したツイッター担当者に話を聞きました。
タニタのツイッター公式アカウントを担当している「公式さん」。
新事業企画推進部に所属していますが、メンバーは公式さんを含めて2人しかいません。
もう一人が「TANITA ツインスティック・プロジェクト」のツイッターアカウントを担当している「ツインスティックさん」です。
この部署は、ゲームのコントローラー「ツインスティック」の企画や、他社のキャラクターとコラボした体組成計の商品化などを手がけるベンチャー部署です。
「昨年3月に『新しいことに取り組むために人手が欲しい』と上長に相談したところ、それを聞いた社長から『自分たちでツイッターで募集してみたら』と言われたんです」(公式さん)
現状でも仕事を回せないわけではない。そんな思いもあって、目の前の仕事に注力していたら、数カ月が経過していました。
そんな時、社長から「あの話、どうなった」と尋ねられ、いよいよ本格的に取り組むことに。
求める人物像は? 募集要項はどうする? 2人で話し合いながら、「即戦力がほしいので中途採用にしよう」「新しいことに取り組む部署なので、自ら考えて問題解決できる人材を」といった内容を固めていきました。
そして昨年8月、ツイッター上で募集をかけました。ホームページには一切載せず、このツイートからしか入れない応募フォームを設置。
そこから氏名・年齢などを入力してエントリーしてもらい、履歴書と企画書を提出してもらいました。
「エントリーがあったのはおよそ100人で、実際に履歴書と企画書を送っていただいたのは約30人でした」(公式さん)
企画書のテーマは「タニタの新規事業提案」。ツインスティックさんが読んでいて、思わず目をとめたものがありました。
「メールに企画書を直接添付せず、セキュリティー対策として外部サーバーにアップしてパスワードを送っていただいた方が何人かいらっしゃったんですが、その1人のパスワードが『twinstick』だったんです」
パスワード「twinstick」を設定してメールを送ったのが、最終的に採用された「新人さん」でした。
ニュース番組などを見ることはなく、主にツイッターで情報収集しているという新人さん。
小売業でプライベートブランドの企画担当をしていましたが、ツイッターでタニタ中途採用の募集を見て、すぐに応募したそうです。
「ツインスティックやタニタ式どうでしょうなど、面白いことにまじめに取り組んでいる会社だなと思っていました。前職に不満があったわけではないので、タニタに受からなかったら、そのまま続けるつもりでした」
ツイッターで募集するということは、通常の採用活動とは違う変わった人材を求めているに違いない。
パスワードを「twinstick」にした理由について「何か爪痕を残したくて」と話します。
企画書や面接では、あえて自分の個性を隠さず、趣味の創作活動についても触れました。履歴書には「フルーツ狩りに行きたい」という謎のフレーズも盛り込みました。
ツインスティックさんは「フルーツ狩り?と、まんまと彼女の仕掛けに引っかかってしまいました。パスワードの件もそうでしたが」と振り返ります。
面接も担当した公式さん。あえて全員に同じ質問をぶつけて、その違いを確認したそうです。
座右の銘を「相手は人間なんで、いざという時はなんとかなる」と答えた新人さん。
公式さんが最後に「質問はありますか」と尋ねたところ、「一番の失敗は何ですか? そこからどうやって立ち直りましたか」と聞いてきたそうです。
「最後に質問はありますかと尋ねると、みなさん面接が終わったという感じになるんですが、新人さんはグイグイ来ましたね」
そして最終面接。公式さんとツインスティックさんは参加せず、社長と役員が面接しました。
「友だちの定義はどこまでか、という質問をされて『その人の握ったおにぎりを食べられるかどうかですね』と答えました。なんだかよくわからないことばかり答えて、絶対落ちたと思いました」と新人さん。
数日後、電話で採用が決まったと伝えられ、今年1月から新事業企画推進部に配属。公式さん、ツインスティックさんと3人で働いています。
「悩むこともあるようですが、推進力があって、わからないことはわからないと言える。即戦力として採用しましたが、じっくり力をつけて『私が全部やります』ってとこまで育ってほしいですね」と公式さん。
ツインスティックさんは「ラーメンに半チャーハンを付ける女子なので信用できます」。
当の新人さんは、ツイッター採用を振り返ってこう話します。
「応募した当初は『私戦えるかな』と不安でしたが、趣味も個性も前面に出して挑みました。隠してしまいがちな部分が強みになるのが、ツイッター採用のいいところですね」
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