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猫3匹で漫才? 「なん」「でや」「ねん」な1枚、写真家に聞きました

横一列に並んだ3匹の猫。その姿はまるで「なん」「でや」「ねん」――。

「なん」「でや」「ねん」な1枚がこちら
「なん」「でや」「ねん」な1枚がこちら 出典: 久方広之さん提供

目次

 横一列に並んだ3匹の猫。その姿はまるで「なん」「でや」「ねん」――。そんな写真がツイッター上で注目を集めています。撮影したのは「のら猫拳」で知られる写真家です。当時の状況について詳しく聞きました。

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久方さんが撮影した猫たち
久方さんが撮影した猫たち 出典: 久方広之さん提供

ツイッターで話題に


 先月14日に、「『なん』『でや』『ねん』」という文章とともにツイッター投稿された1枚の写真。

 写っているのは猫4匹ですが、1匹は左端に伏せていて、他の3匹が前脚を上げるなどのポーズをとっています。

 まるで漫才のツッコミのように、左端から「なん」「でや」「ねん」と言っているように見えます。

 この写真に対して、「美しい流れるような突っ込み」「三分割で分かりやすい」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万、いいねは11万を超えています。


撮影者に聞きました


 投稿したのは、九州在住の猫写真家・久方広之さん。猫じゃらしを使った撮影を得意としており、年間10万枚以上を撮影しています。

 拳法やダンスをしているように見える猫写真がSNSで話題となり、「のら猫拳」(エムディエヌコーポレーション)や「ねこ拳撮影術」(玄光社)などの書籍も出しています。

 今回話題になった1枚は2016年秋ごろに撮影したもので、「のら猫拳」の最後のページを飾っています。なぜ、このタイミングで投稿しようと思ったのでしょうか?

 「SNSでは、新作はもちろんですが、過去の未公開作品や初期のころの作品も交えながら投稿しています。この作品は写真集のみに載せていたものでしたが、撮影難易度が非常に高く、私自身が気に入っていたカットであったことと、以前よりもフォローして下さっている方々が増えていたので公開しました」

「のら猫拳」
「のら猫拳」 出典: エムディエヌコーポレーション提供

「ねこ拳撮影術」 (c)Hisakata Hiroyuki/GENKOSHA Co., Ltd.
「ねこ拳撮影術」 (c)Hisakata Hiroyuki/GENKOSHA Co., Ltd. 出典: 玄光社提供

猫じゃらしを使って


 久方さんによると、被写体の猫4匹は兄弟猫。過去にも何度か撮影していて、「のら猫拳」には幼い頃の様子も収録されているそうです。

 どのようにしてこの1枚を撮ることができたのか? 久方さんはこう振り返ります。

 「とにかく集中して猫たちの興味を上手く同時にひきつけるようにしました。普段よりも大きく猫じゃらしを動かして、しっかり猫たちにおもちゃを追わせてからアクションを誘いました」

 時間をかけたほうが動きがよくなる猫もいるそうですが、この猫たちは最初から全力で遊んで飽きるのも早い性格。最初の5~10分が勝負だと考えたそうです。

 過去の経験から、一番元気であろう時間帯をピンポイントで撮影するために、テントを張って泊まり込んで撮影しました。

久方さんが撮影した猫たち
久方さんが撮影した猫たち 出典: 久方広之さん提供

撮影成功のポイントは


 難易度の高い、複数猫の同時アクション撮影。

 猫の世界にも上下関係やマナーのようなものが存在するようで、複数の猫の前で猫じゃらしを振っても、気の強い一匹だけが遊び始めて、他の猫は順番をおとなしく待つことが多いそうです。

 今回は、この4匹が兄弟猫だったということが撮影成功の大きなポイントだといいます。

 「兄弟猫だと、みんなで1個の猫じゃらしを追い掛け回しても、ケンカになりにくいんです。これだけ猫同士が近く、流れるようなポーズになってくれたのは奇跡的な確率だったと思います」

久方さんが撮影した猫たち
久方さんが撮影した猫たち 出典: 久方広之さん提供

「撮影の励みになります」


 撮影後にデータを見返していて、思わず噴き出してしまったというこの写真。

 写真集を締める最後の1枚として「なん――でや――ねん おしまい!」と勢いをつけて終わる感じにしようと思いついたそうです。

 多くの反響が寄せられていることについては、こう話します。

 「いつも以上に多くの方に見ていただけて、非常にうれしく思っています。動物相手の撮影なので、なかなか思い通りには行かず苦しい時もありますが、皆さんの感想はやはり撮影の励みになりますね」

 そして、猫を撮影する際の注意点も教えてくれました。

 「のら猫を撮影する際は、地域の方の迷惑にならない範囲での撮影をお願いします。また、『ねこ拳撮影術』は外猫を撮影するための本ではなく、家猫と遊びながら撮影するためにまとめた本です。お家の猫ちゃんに無理のない範囲で、子猫の場合はいつまでも遊びすぎてしまうので休息を入れながら撮影をしてください」

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