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鏡でつながる2つの世界! 仕掛け絵本「きょうのおやつは」が話題に

福音館書店から発売されている仕掛け絵本「きょうのおやつは」が、ネット上で注目を集めています。

ページ同士が直角に向き合うように開くと立体的な一つの絵に変化します
ページ同士が直角に向き合うように開くと立体的な一つの絵に変化します 出典: 福音館書店提供

目次

 福音館書店から発売されている仕掛け絵本「きょうのおやつは」が、ネット上で注目を集めています。見開いたページには一見すると別々の絵が描かれているように見えますが、ページ同士が直角に向き合うように開くと立体的な一つの絵に変化するのです。鏡の仕掛けを使ったこの絵本の作者に話を聞きました。

2014年に出版された「きょうのおやつは」(税抜き1500円)
2014年に出版された「きょうのおやつは」(税抜き1500円) 出典: 福音館書店提供

2014年に出版「きょうのおやつは」


 2014年に出版された「きょうのおやつは」(税抜き1500円)。最初のページには卵とボウル、そして猫が描かれています。

 次のページは見開きになっていて、左側に卵を割る様子、右側にはボウルが半分だけ描かれています。

 左側のページを直角に立てると、鏡面仕立てになっている卵の背景にボウルが映り込んで、まるで一つのボウルに、上から卵を割り入れるように見えます。

 牛乳を入れたり、生地をかき混ぜたり、フライパンで焼いたり。ときどき猫も登場しながら、同じような仕掛けで物語が進み、最後は完成したホットケーキがテーブルに並んだ場面で終わります。

 ツイッターでこの絵本が紹介されると、「素晴らしい発想」「読んでみたい」といったコメントが寄せられ、話題になっています。

ページ同士が直角に向き合うように開くと立体的な一つの絵に変化します
ページ同士が直角に向き合うように開くと立体的な一つの絵に変化します

作者はわたなべちなつさん


 この絵本の作者は、グラフィックデザイナー・絵本作家のわたなべちなつさんです。

 筑波大学芸術専門学群を卒業して、グラフィックデザイナーとして家庭用品メーカーに勤務した後、愛知県立芸術大学大学院へ。

 「しかけの視覚伝達デザイン」を研究テーマに制作活動を行い、大学院在籍中に「きょうのおやつは」「ふしぎなにじ」の2冊を福音館書店から同時出版しました。

 「かがみのえほん」シリーズの3作目として、2016年に「かがみのサーカス」も出版しています。

作者のわたなべちなつさん(撮影:鈴木啓太)
作者のわたなべちなつさん(撮影:鈴木啓太) 出典:好書好日

完成までの経緯を聞きました


 制作の経緯について、わたなべさんに詳しく話を聞きました。

 ――「きょうのおやつは」を描こうと思ったきっかけを教えてください

 「しかけのグラフィック」をテーマに、学生時代からいろいろな作品を制作していました。

 その中に「MIRROR BOOK」シリーズという、鏡の映り込みをしかけに利用したものがあり、その作品がアイデアの元となっています。

 ――制作する上で心がけた点は

 本に印刷された絵は平面ですが、鏡に映すと絵が立体的に見えます。絵から感じる臨場感を最大限引き出せるように、構成や描き方を工夫しました。

かがみのえほんシリーズの「ふしぎなにじ」(左)と「かがみのサーカス」(右)
かがみのえほんシリーズの「ふしぎなにじ」(左)と「かがみのサーカス」(右) 出典: 福音館書店提供

お気に入りのページは


 ――大変だった点は

 鏡のように映り込む紙を使うことで制作コストが上がるので、チャレンジしようとしてくれる出版社と出会うまでが大変でした。

 福音館書店も一緒になって多くの苦労を乗り越えてくれて、1500円で出版が実現したのは奇跡だと思いました。

 ――お気に入りのページは

 やはりホットケーキにシロップをかけるページでしょうか。読むときはぜひ、シロップ入れの持ち手をつまむように手を添えてください。まさにシロップをかけているかのように見えます。

 ――作品中には猫の「クロちゃん」が登場しますが

 単に私が猫好きということもあるのですが、ホットケーキ作りを一緒に楽しんでくれる相棒が欲しいかなと思い、登場してもらいました。当時夫の実家で飼われていた猫がモデルになっています。

わたなべさんお気に入りの、ホットケーキにシロップをかけるページ
わたなべさんお気に入りの、ホットケーキにシロップをかけるページ 出典: 福音館書店提供

これからの創作活動は


 ――話題になったことについては

 こんなつくりにくい本、そもそもよく出版に至ったなと思っています。ですので、出版して多くの人が見てくださっているというのは本当に夢のようですね。

 デジタルが急速に進歩する世の中ですが、それに反して超ローテクなしかけの絵本です。実物を目にするとより面白さを感じられると思うので、ぜひ店頭で見かけたら、手にとって試してみてください。

 ――これからの創作活動は

 実現したい「しかけのグラフィック」のアイデアがまだまだあるので、どんどん形にしてしていきたいと思っています。

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