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現代版「ウサギとカメ」=熱い友情物語 互いの長所で狩人を追い払う
寓話「ウサギとカメ」を現代風にアレンジした漫画が、ツイッターで注目を集めています。
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寓話「ウサギとカメ」を現代風にアレンジした漫画が、ツイッターで注目を集めています。
足の速いウサギと足の遅いカメが競走して、最終的にカメが勝利する寓話「ウサギとカメ」。そんな作品を現代風にアレンジした漫画が、ツイッターで注目を集めています。一転して友情物語に仕上げた作者に話を聞きました。
今月15日に、「うさぎとかめの友情【加筆版】」というタイトルでツイッター投稿された漫画。
ウサギが「やい カメ公 ぼくとかけっこして勝つつもり?」とカメにけしかけていると、背後から狩人が現れます。
すると、カメは自慢の甲羅で弓矢を防ぎながら、ウサギに呼びかけます。
「ここはオレが食い止める 助けを呼んできてくれ」
ためらうウサギに対して、こう続けます。
「なにしてる おまえじゃ矢は防げない」「自慢のその足は飾りか 行け!」
「くっそぉぉぉぉぉぉ!!!」と泣きながら駆け出すウサギ。
しばらくして、ウサギがクマたちを連れて戻ってきて、狩人は逃げ出します。
「しっかりしろ 狩人は逃げた」とウサギが呼びかけると、カメは「やっぱ本気のおまえは速ぇな!」と応じます。
最後はウサギとカメが互いの前脚をタッチさせる場面で終わります。
この漫画に対して、「昔話なのに新しい発想」「それぞれの長所を活かした結果のカッコ良さ」といったコメントが寄せられ、リツイートは7千、いいねは3万を超えています。
描いたのは、漫画家の一智和智さん。デビュー20年以上で、単行本30冊以上、電子書籍を含めると50冊以上を世に送り出しています。
現在は、KADOKAWAのコミックウォーカーで「便利屋斎藤、異世界に行く」、オーバーラップのコミックガルドで「剥かせて!竜ケ崎さん」を連載中。また、一智和智とは異なる名義でも執筆しているそうです。
半年ほど前に投稿した落書き風のものを描き直して「加筆版」として公開したという今回の作品。
描いたきっかけについては「誰もが知ってる物語を『ちょっとひねる』手法はいつもやるので、その一環です」と話します。
うさぎとかめの友情【加筆版】 pic.twitter.com/QviNMgJx0b
— 一智和智バーサスアース続編更新中 (@burningblossom) 2019年5月15日
なぜウサギとカメの友情物語にしたのか? この点についてはこう説明します。
「争ってばかりというのは時流に合わないというか、見てくれる方々は優しいストーリーを好むので、そういう方向でアレンジできないかなと思って組み立てました」
できるだけ少ないコマ、ページ数で描こうと工夫。カメがウサギに対して「やっぱ本気のおまえは速ぇな!」とたたえる場面がお気に入りだそうです。
多くの反響が寄せられていることについては「シンプルで読みやくのがいいのかな、と思ってます」と話していました。
◇ ◇ ◇
一智さんの新刊「剥かせて! 竜ケ崎さん」の1巻が5月25日に発売されます。
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