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「あなたを犠牲にしないで…」 交換ノートめぐる漫画の作者に聞いた

学校の図書室で見つけた何も書かれていない本。パラパラとページをめくると「僕と交換ノートしてくれませんか」の文字があって――。

「遠距離こうかんノート」の一場面
「遠距離こうかんノート」の一場面 出典: 月本千景さんのツイッター

目次

 学校の図書室で見つけた何も書かれていない本。パラパラとページをめくると「僕と交換ノートしてくれませんか」の文字があって――。ノートをめぐる男女のやりとりを描いた漫画「遠距離こうかんノート」が、ツイッター上で注目を集めています。作者に話を聞きました。


計48ページの漫画


 先月30日、「学校の図書室にあった交換ノートから始まる恋の話」という文章とともに投稿された漫画。

 タイトルは「遠距離こうかんノート」で計48ページ。4ページずつ計12回に分けて投稿されています。

 物語は、女子生徒「しおり」が学校の図書室の棚で、「僕と交換ノートしてくれませんか」と書かれたノートを見つける場面から始まります。

 「私でよければ」と書いて同じ棚に戻した数日後、今度は「見つけてくれてありがとう」と返事が記されていて、こう続いていました。

 「僕は君が誰なのか聞きません。なので君も、僕が誰なのか聞かないでほしいです」

 「ノートのことも誰にも言わないで。それでも良ければこのまま僕の話し相手になってくれませんか」

「遠距離こうかんノート」の一場面
「遠距離こうかんノート」の一場面 出典: 出典: 月本千景さんのツイッター

「あなたを犠牲にしないでください」


 それから2日に1回のペースで図書室に通うようになったしおり。

 たわいのない文章のやりとりが続き、「僕」は身近な話も書いてくるようになります。

 父と母の仲が悪いことや、悩みを打ち明ける友だちがいないこと、相談して暗い空気を持ち込みたくないこと。

 しかし、すべて「……と言っている知り合いがいるのですが」と他人事として記されています。

 礼儀正しく、素直で、自分を大きく見せない。「僕」の文章を読んで、そう感じたしおりは、こう返信します。

 「両親の人生は、あなたの人生ではない」「あなたを犠牲にしないでください。『彼』にも、そう伝えてください」

 次第に「僕」のことが気になりだしたしおり。いったい誰なのかを調べようとするうちに、意外な事実がわかってきて――そんなストーリーです。

「遠距離こうかんノート」の一場面
「遠距離こうかんノート」の一場面 出典: 月本千景さんのツイッター

作者に聞きました


 読み終えた人たちからは「令和そうそう泣きました」「高校生の機微に触れる表現がとても素敵」といったコメントが寄せられ、最初の投稿はリツイートが9千、いいねは2万5千を超えています。

 作者は、作家エージェント会社コルク所属の新人漫画家・月本千景さん。この漫画は2017年に執筆したものだそうです。

 作品に込めた思いや、完成までの経緯について、詳しく話を聞きました。

 ――この漫画を描こうと思ったきっかけは

 1年前まで少年向け週刊漫画雑誌の編集者の方にお世話になっていたのですが、最初の持ち込みのときに「あなたが描いた青春漫画を読んでみたい」と言われたのがきっかけです。

 それまで青春モノを描いたことがなかったので、どうしようか悩んだのですが、持ち込みで初めて担当になってくださった方から言われたので、認めてもらいたい気持ちが強くて、描いてしまいました。


昔の自分を投影した部分も


 ――描いたのはいつごろですか

 2017年6月に月例賞に投稿したので、同年の3月~6月の間に執筆していたはずです。佳作をいただきました。

 ――平成最後の日に投稿した理由は

 皆さんがツイッターをよく見そうなゴールデンウィーク中に載せたいとは思っていましたが、載せる準備ができたのが平成最後の日だっただけなんです。

 ――このエピソードに月本さんの実体験は反映されているのでしょうか

 「僕」の気持ちの部分は、昔の自分を投影しているところがあります。

 家庭環境の悩みだとか、人付き合いの悩みだとか、「僕」とそっくりそのままの悩みではありませんが、思春期のころに感じていたことや、吐き出したかった気持ちをもとにして、交換ノートの言葉や手紙のメッセージを考えました。


苦労した点は


 ――描く上で心がけた点や苦労した点は

 コマ割りやセリフ回しに自分の中でこだわりがあるので、漫画を描くときはいつも工夫しています。でも、その話をすると長くなるのでやめておきます。

 苦労した点ですが、交換ノートの書き文字を書くのがすごく面倒臭かったです。

 主人公のしおりの文字は、お世話になっていた先輩に書いてもらえたのですが、細谷の文字は自分で書きました。母に書いてもらいたかったのに恥ずかしがって書いてくれなかったので。

 字がキレイな子の設定なのですが、自分で自分の字をキレイだって言ってるみたいで恥ずかしかったです。

「人を救うのは人の言葉」かな


 ――この漫画を通じて伝えたかった思いやメッセージは

 「人を救うのは人の言葉」かなと。

 ――多くの反響が寄せられていることについては

 多くの方に読んでいただけて、とても嬉しいです。

 身近に5万とか10万以上のいいねをもらっている人がいるので、いいねの数だけでいうとボチボチかなと思いましたが、目に見える形で2万以上もの方に読んでいただけたことがわかって、素直に嬉しかったです。

 コメントや引用リツイートでのコメントもいただけて、ありがたい気持ちでいっぱいです。

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