IT・科学
AIも木から落ちる……米朝会談を桂米朝と勘違い ボケ連発、なぜ?
QrichのAIが担う任務は、世の中で起こる最新のニュースから、時事クイズを作成することです。クイズは、記事のカギとなる部分を空欄にして、4択の中から空欄に当てはまるものを選ぶ方式です。
「空欄にする単語」はAIが過去の新聞記事を読み込んで判断。選択肢は、正解と意味や関連性が近く、回答者がひっかかりそうなものをAIが拾ってきて作成しています。
昨年6月にあった、米国と北朝鮮の首脳会談。もちろん、内容はトランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が世紀の会談をしたことについてなのですが、4択に並んだ正解の「米朝首脳会談」の他には、誰もが知る落語界のお歴々のお名前が……。
どうやらAIが、「米朝首脳会談」を「桂米朝」と勘違いしたようです。なんというオチ……。
こちらは保険に関する問題。損害保険会社が、被災地の災害調査にドローンを導入したという記事から抜粋しています。
昨年7月12日の朝刊経済面に紹介されたニュースなのですが、何とAIは、「ドローン」を「ローン」と勘違いしてしまいました。4択には「ローン」のほか「リバースモーゲージ(融資制度の一種)」「頭金」「借り換え」といった金融用語が並ぶ事態に。
ローンはローンでも、こちらのローンはドローンと違って飛べません。「損保=金融=ローン」という図式が入っていたのでしょうか。しかも、問題にはドローンの「ド」だけ置き去りに……。
AIの何がすごいって、やっぱり自分で学習することですよね。日々頭が良くなっていくのですが、時には珍回答が用意されることもあります。
上の問題は、昨年話題になった日本体操協会での混乱をテーマにした問題ですが、回答の4択には「コーチとワンツーフィニッシュ」を答えさせてしまうようなものもありました。日本人選手が表彰台を独占することはあっても、コーチと一緒に、というのは聞いたことがありません。
正解は「金メダル」。(3)の世界選手権と(4)のリオ五輪も文法的にあり得ない選択肢になっています。
開発に携わった朝日新聞社の情報技術本部ICTRAD(研究開発チーム)の担当者に「ボケ連発」が起きた理由を聞いてみました。
「『まずはやってみる』の精神で、データが少ないままトライアルとして作成したためです」
なるほど…。管理する人間側も日々、挑戦なのですね。
とはいえ、ここ5カ月は、こうしたミスもなくなったといいます。
「反省を生かし、過去10年分、200万記事を読み込みました。さらに、記事に出てくる用語や単語について、意味や関連性の近いものも学習。その結果、人名や地名などの区別が付くようになりました」とのこと。
以前は、答えは人名しかあり得ないのに、4択に建造物名を3つ並べてしまう、なんてミスもあったそうですが、今では「ドローン」も、一つの単語だと勉強し、「米朝首脳会談」が落語家でないことも理解。挑戦者をひっかける選択肢もお手の物だとか。難易度もアップしたようです。
そんなQrichにチャレンジしてみたい方は、こちらにアクセスを!もしかしたら、まだ珍クイズに出会えるかもしれません。
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