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「令和」日常生活で変わること 公的書類「平成」のままで大丈夫?

書類の「平成」を訂正する二重線と「令和」が同時に押せるゴム印=池田良撮影
書類の「平成」を訂正する二重線と「令和」が同時に押せるゴム印=池田良撮影 出典: 朝日新聞

目次

元号が「平成」から「令和」になると、日常生活でどんなことが変わるのでしょうか? 4月1日に発表されただけに、書類などではまだ「平成」のままのものが多いはず……。世紀が変わった時には、情報システムの不具合が心配される「2000年問題」が起きましたが、「令和問題」は大丈夫なのでしょうか? 新元号になったら変わること、気をつけるべきことについてまとめました。

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婚姻届、印刷が間に合わない!

 新元号となる5月1日は大安であることから、婚姻届の臨時窓口を設けるなど「令和」カップルを祝福する準備を各自治体が進めています。しかし、現状の婚姻届はまだ、届出日を記入する部分が「平成」です。

 法務省は1日以降、令和が記載された様式に随時変更するよう市区町村に通達を出していますが、現在の婚姻届も「そのまま使用できる」と説明しています。平成の部分を二重線などで訂正した上で、令和に修正する運用を想定しています。

 そんな中、福岡市は4月15日、ホームページ上で「令和版」の婚姻届を掲載しました。

福岡市が掲載した婚姻届。「令和」への修正や「R」の追加がされている。
福岡市が掲載した婚姻届。「令和」への修正や「R」の追加がされている。 出典:福岡市

 届出日など、平成となっていた部分の変更や新たに令和や頭文字「R」を追加し、計10カ所を修正。新元号に変わる5月1日から提出が可能となります。

 「令和版」を印刷業者に発注すると、申請窓口に届くまで時間がかかることから、当初は「平成版」を訂正して対応しようとしていたという福岡市。しかし、「令和版をいつ入手できるのか」という市民の声が相次いだため、急きょ職員が作成したそうです。

 婚姻届のほかにも、住民異動届など国民が行政側に出す書類は、改元後に平成と記入されても原則、有効として受け付ける方針を政府が決めています。

 ただ、混乱を避けるため、「訂正印や注意書きを入れることが一般的になる」と総務省。福岡市の場合、婚姻届以外の書類はしばらく「平成版」を使うことになることから、「二重線の上に令和」がなつ印されるゴム印を用意しています。

情報システム、混乱は?

 改元に伴う情報システムの改修も大詰めです。政府系の改修はメドが立ったとしていますが、民間企業については、どのような影響が出るか国も見通せていません。

 「大型連休・改元日を迎えるにあたっての注意喚起」

 企業のシステム改修対応を呼びかける経産省は4月24日、システム管理者に改めて点検してもらいたい点をホームページに載せました。

 進捗の再確認・不具合が発生した場合に備えた対策の確認……。「改元日までに改修が間に合わない可能性がある場合どうしたらいいか」など、これまで企業から寄せられた質問にも回答しています。

 経産省が1~2月に実施したアンケートによると、改修の作業計画ができている答えた約500社でも、48%が改修後にきちんと動くかどうかのテストを計画していませんでした。担当者は「ある程度のトラブルは懸念している」と話します。

経産省のアンケート結果
経産省のアンケート結果 出典:経産省

 想定しているのは、データの送受信をする際、送る側だけが改修していて、受信側は未対応など、一方のシステムしか改修されていない時に生じる不具合です。他にも、「元年」が読み込めない可能性や人事・会計システムの帳票のエラーなどが起こり得ます。

 社会インフラに影響を及ぼすような不具合はないとしていますが、担当者は「改元日までに改修が完了しない可能性がある場合には、リリースを延期することも検討してほしい」。その際には連携先との調整も必要になるとしています。

改元に伴うシステム改修作業をしている新宿区の担当課=張守男撮影
改元に伴うシステム改修作業をしている新宿区の担当課=張守男撮影 出典: 朝日新聞

働き方改革、外国人受け入れも

 働き方や外国人の受け入れをめぐっては、令和を待たずに4月、大きな制度変更がありました。

 4月に施行された働き方改革関連法は、残業時間の罰則付き上限規制導入▽企業には原則、5日以上の年次有給休暇を働き手に取らせることが義務化▽終業から始業まで一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」の努力義務化、などが大きな柱です。

残業時間の上限規制と罰則
残業時間の上限規制と罰則 出典: 朝日新聞

 長時間労働の是正に向けた仕組みが動き出す一方、高年収の専門職を労働時間の規制対象から完全に外せるようになる「高度プロフェッショナル制度」も導入されます。

 改正出入国管理法も同じく4月から施行されました。新たな在留資格「特定技能」を創設し、外国人労働者の受け入れを拡大。政府は、技能実習生からの資格変更を含めて今後5年間で最大約34万5千人を見込んでいます。

 その資格を得るための技能試験が4月中旬、国内で初めて開かれました。761人が申し込みましたが、実際に受験したのは391人。受験者は、すでに日本でアルバイトとして働いている留学生が多いとみられ、国・地域別ではベトナムやミャンマー、ネパールが大半を占めました。

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