話題
カセットテープ、絶滅するにはまだ早い?マクセルに聞いてみた
「絶滅するにはまだ早い」
現在、国内で唯一カセットテープを製造・販売しているマクセルさんのツイッターアカウントだったのです。もしかしたら、怒っているのかな……。そんな思いもよぎりつつ、せっかく反応いただいたので、この言葉の奥にどんな意味が込められているのか、取材してみました。
話を聞いたのは、乘松(のりまつ)幸示取締役とマクセル公式ツイッター「中の人」の2人です。
取材の冒頭は、乘松取締役の張り詰めた一言からでした。
乘松取締役
「……はい」
このとき、記事に関するご意見を受ける覚悟を決めました。
乘松取締役
取材場所は、マクセルの代々木事業所の会議室。そこには、美容家電やモバイルバッテリー、EMS運動器などカセットテープとは縁遠い商品が並んでいました。
記事とは無関係と分かりほっとしたところで、取材開始。カセットテープに関して気さくに話してくださり、だんだん話も弾んでいきました。
まずは、カセットテープの歴史について。
カセットテープの規格がつくられたのは1962年です。その後、開発したフィリップス社が基本特許を無償公開したことから、爆発的に世に出回るようになりました。マクセルは1966年から製造を開始。日本でのカセットテープ販売のピークは1989年で、年間約5億巻を売り上げたといいます。
その後は、他の記録メディアの台頭によって販売数が減少。しかし、現在でも根強い人気があり、業界全体で年間約1000万巻が販売されています。海外では、カセットテープに録音した音源を販売する有名アーティストも増加しており、ミュージックテープの生産本数は増えているというデータもあるそうです。
ちなみに、現在マクセルが販売するカセットテープの中では「10分テープ」が63%で最も多く、続いて60分テープ(15%)、90分テープ(10%)と続きます。なぜ、10分テープが売り上げの大半を占めるのでしょうか?
乘松取締役
--そもそも、テープの時間ってなぜいろんな種類があるんですか? 単純に長い時間録音できる方がお得な気がするのですが……
乘松取締役
--時代のニーズに合わせたものなんですね
乘松取締役
時間の長さとともに気になったのがカセットテープの種類でした。取材すると「ハイポジ」「メタル」といったテープがあるようで、会社の先輩も当たり前のように知っていました。が、まったくわからなかったので、質問しました。
乘松取締役
中の人
乘松取締役
中の人
乘松取締役
中の人
記者(29歳)自身はMDやHDDプレイヤーを持ち歩いた世代。しかし、MDはもう聴くことも、手に入れることもほとんどできなくなりました。なぜ、それ以前からあったカセットが生き残り、MDが先に衰退してしまったのでしょうか?
乘松取締役
--カセットテープの技術でほかの製品に活用されていることってあるんですか
乘松取締役
最後に一番気になる質問をしました。それは「絶滅危惧種」とされたことについて。国内唯一の製造メーカーに聞くのも失礼な話ですが、ここは直球で聞きました。
--絶滅危惧といわれてしまうことについて、どう感じましたか?
中の人
中の人
乘松取締役
「カセット愛」から、取材するうちに机の上にもどんどんカセットが広がりました。取材時間を大幅に超えて熱く語っていただき、ありがとうございました。
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