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ネイリストに増える外国人「根性で資格取得」苦労人に密着してみた
「日本の○○がすごい」という話題は尽きませんが、今にわかに注目されているのが「ネイル」です。

「日本の○○がすごい」という話題は尽きませんが、今にわかに注目されているのが「ネイル」です。実は、海外から日本のネイリストの資格をとる人が年々増えています。そこで中国から来日し「根性で」資格を取ったネイリストの1日に密着。真っ赤なマニキュアを塗られる男性に驚き、後輩への思いやりを忘れない気持ちに感動……。「日本のネイル」の魅力を、あらためて体験してきました。
ネイリストに1日密着してみた
こんにちは野口です。

私が何をしているかと言うと、銀座にあるネイルサロン「ラフィーネ」で働く張宇さん(36)に密着しています。

間違えました。密着取材しています。
突然ですが、あなたにとってネイルアートってどんな存在ですか? 最近は爪の保護のために男性の方も、爪の手入れをされている方もいるかもしれません。ただやはり、ネイルと聞くと女性の自己表現のひとつというイメージが強いです。

2015年時点で、ネイルサロンなどネイルサービスを行う施設は、全国で約2万4千店舗。NPO法人日本ネイリスト協会が発行している「ネイル白書2016-17」によると、2009年からの6年間で9千店ほど増え、約1.6倍に。着々と市場規模を広げています。
これだけ浸透しているネイルとは、一体どんな世界なのでしょうか。
筆者はもうすぐ30代。若さで解決できないことが増えるからこそ、普段の生活にプラスα、繊細なことをやってみたくなる年頃。せっかくなので、取材してみることにしました。
中国出身のネイリスト、張さん
朝10時、待ち合わせの場所に張さんは笑顔で現れました。

野口
張さん
早速気になってしまうのが張さんの手元。すてきなネイルアートが施してありますが、まさか、これって自分でやってるんですか?
張さん
需要がある「日本の」ネイル

このお店の店長である崔粉姫さんも中国出身。このお店には日本人のネイリストのほか、張さんのように中国出身の方や韓国出身のスタッフもいます。とってもグローバルなお店。でもどうして、日本で「ネイルアート」なのでしょうか。
張さん
野口
張さん
野口
張さん
野口
張さん
張さん
野口
張さん
野口
ネイリストには家族の”物理的”な協力が必要?
ネイリスト技能検定試験を主催する公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターによると、外国語で試験を受ける人の数は増加傾向。英語、北京語で受験できる3級に、韓国語を追加したり、2級でも外国語受験を開始したりなど、門戸を広げています。

生徒さんは3人と聞いていましたが、この日参加しているのは4人。気になったのが、真っ赤なマニキュアを塗ってもらっている男性です。「あなたも生徒さんですか?」と聞くと、「いいえ、違います」。

張さん
野口
張さん
野口
張さん
野口
張さん
先ほど、モデルになっていた男性も、照れながらも「応援したい、ただそれだけの気持ち」と教えてくれました。
せっかくなのでやってもらおう
張さん
野口
張さん
張さんは中国の河北省出身。北京の近くで、冬は最高気温が零下になるほど寒い地域に住んでいました。中国で大学を出て、不動産関係の会社の秘書として働いていたそうです。

張さん
ヘアメイクがだめでも……
「これは続けられない」と感じたとき、出会ったのが、ネイルアートでした。

張さん

自分が困ったことを生徒に還元
張さん
店長の崔さんは、張さんを「技術はもちろん、事務もしっかりこなして、人に好かれる」と大絶賛。ネイルを施しながら、張さんが言う「失礼致します」「お待ちください」が、他の日常会話と比べてとてもなめらかで、これまでの張さんの努力に思いを馳せました。


張さん
取材を終えて
ちょっととっつきづらいと思っていたネイルの世界。「小さなことを丁寧に」と、ちっぽけなことかもしれませんが、そんなことを改めて感じました。