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お金と仕事

お金を払ってでもやりたいのが……大企業の若手が就活生に語った本音

働くことについて話し合う大企業の若手社員と大学生たち
働くことについて話し合う大企業の若手社員と大学生たち

目次

 来春卒業する大学生の就職活動が3月に「解禁」されました。「大学で学んだことを社会人になって生かせるのか」「仕事とプライベートをどう分けられるのか」「育児との両立ができるのか」など、気になることはありませんか? 大企業の若手社員が、本音トークで学生の質問に答えるイベントが開かれました。

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イベントに集まった大学生たち=東京都渋谷区のスマートニュース
イベントに集まった大学生たち=東京都渋谷区のスマートニュース

大企業の若手有志団体「ONE JAPAN」が企画

 イベントを企画したのは、大企業の若手有志団体「ONE JAPAN」。大学生と社会人合わせて100人が集まりました。冒頭で、発起人の一人、NTTの山本将裕さん(32)は、人生の半分の時間を仕事を使うことになると紹介した上で、働く意義について問いかけました。
 
 しかし、働き始めるまで、なかなか具体的なイメージを持てない人がほとんどです。そこで、未来の姿を少しでも想像できるよう、学生たちの疑問に社会人たちが答えました。

「大学の勉強が仕事に結びつくように思えないのになぜ学ぶのでしょうか?」

ホンダの藤田脩三さん(左端)
ホンダの藤田脩三さん(左端)

 厳しい質問を浴びせられたのは、ホンダの藤田脩三さん(32)。「仕事にすぐには直結しないかもしれない。でも、専門性を積み上げていると職場でレアキャラになれる」と答えました。

 藤田さんは高校卒業後、ホンダの専門学校に通って整備士の資格を取得。9年の工場勤務の後に、希望して営業職に移りました。そして働きながら大学で心理学を学んでいるそうです。

 営業の仕事では、カーナビを自動車に取り付ける必要があったとき、整備士の資格が生きたそうです。ほかにも、お客さんから自動車の技術について専門的な質問を投げかけられても、即答できます。

 こうして周りの同僚が持っていないスキルが仕事に役立っているそうです。「後々になって何が役立つかわからないので、いろんな分野にまたがった学びが必要です」と伝えました。

「仕事とプライベートはきちんと分けられますか?」

野村総合研究所の蛯名俊之介さん(右から2番目)
野村総合研究所の蛯名俊之介さん(右から2番目)

 こうした質問も多く寄せられました。これに答えたのは、野村総合研究所のエンジニア蛯名俊之介さん(28)です。

 「お金をもらってやるのが仕事。逆にお金を払ってでもやりたいのがプライベートとして分けています」。と言いつつも、プライベートも突き詰めるうちにどんどん仕事に生かせるようになってきているそうです。

 休日には、ハッカソン(技術やアイデアを競うコンペ)に出場することの多い蛯名さんは、人前で話すことが次第に慣れてきたそうです。「今では、仕事でもお客さんの前で発表する機会をもらえることが多くなりました」と話します。

「子育てと仕事はどう両立させていますか?」

ハウス食品の児島さゆりさん
ハウス食品の児島さゆりさん

 育休明けで2歳の長男を育てながら働くハウス食品の児島さゆりさん(33)には、子育てとの両立についての質問が多く寄せられました。最近、寂しいのか朝、急に甘えてきてなかなか保育園に行けず、出社時間に遅れてしまうときもあります。

 そこで大学生からの質問には「信頼貯金を使いながら働いています」と答えました。

 信頼貯金とは、(1)職場の上司や同僚にありがとうやごめんなさいをしっかり伝える、(2)自分の考えや悩み、キャリアプランやライフプランを日ごろから話して共有しておく、(3)仕事できるときは120%で仕事し貢献する、(4)人が嫌がるもしくは地味な仕事も率先してやる、ことで普段から信頼のある人間関係を築いておくことだそうです。

 2年のつきあいになる上司は、朝遅れてしまっても「定時に出社することが仕事ではない、やるべきことは結果を出すことだ」と励ましてくれるそうです。児島さんは「印象的だったのは、女性だけでなく、男性からも子育てについて尋ねられたこと。少しずつ考え方が変わっているのを実感しています」と話していました。

 さて、大学生たちはどう感じたのでしょうか。大学3年生からはアンケートで「就職活動解禁前に聞きたかった」と言った意見が寄せられました。
大企業に対し、これまで良いイメージを持てていなかった東京大3年の分部麻里さん(22)ですが、こうした社会人たちの意見を聴いて「自分次第で働く環境を変えていけるんだ」と実感したそうです。

就活セクハラ防ぐには?

 就活を考えている学生にとって、社会人と仕事について話せる機会は貴重です。しかし、その一方で、最近では、OB訪問時の社員からのセクハラが次々明らかになっています。学生が就活セクハラに遭わないためにはどうすればよいでしょうか?

 学生と社会人をつなぐ就活支援サービス「就活メンターズ」を展開するベンチャー社長の芳本大樹さん(26)は、(1)密室で会わない、(2)夜に会わない、(3)アルコールは飲まない、(4)Noと言う勇気を持つという4つのポイントを挙げます。

 言葉によるセクハラに対しては、「後で聞き返したいので会話内容を録音してもいいですか?」とあらかじめ伝えておくことも効果的だそうです。一方で、OB訪問を受ける社会人に対しても、「異性の学生から依頼があった場合は、学生と同性の同僚を紹介するなどしても良いかもしれません」と話しています。

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